猫婆婆
しがない探偵家業をしてる。俺は一仕事を終えてポケットからチェリー。紙巻きタバコを取り出し口にくわえた。ライターをまさぐり火をつけ一息吸い込んで、夜空を見上げた視線を路上へ戻すと。
ねこばば。
缶ビール片手に会社員がベンチに置き忘れた鞄を、猫耳の婆さんが拾い上げると塀の上へと猫のように駆け上がってゆく。振り向いた猫耳婆さんと目があっちまった。
俺は咄嗟に知らぬふりでそっぽを向いたが、時すでに遅しだったようだ。猫婆さんは俺の前にすたっと下りると威嚇するようにミャー!とひと鳴きした。
「見たね」
やっかいなのに絡まれちまったかな。。
「なんの話だい?」
「猫糞さ」
「知らねえよ」
「あたしの眼はごまかせないよ」
婆さんは目を細めた。
「だから知らねえってっ」
言うか言わぬかのうちに婆さんは爪を俺の目にむかってくりだした。
俺は躱したつもりのはずが頬から血が流れた。
こいつは。。
冷や汗が流れる。