第一話
俺、羽崎檜佐木(15歳)は今、モンスターと戦っている。
とびきりでかいモンスターと。
……。……。
どうしてこんなことになったんだよ。
俺はもっと平和に生きていたいってのに。
あぁもう、これも全部あの人のせいで_________。
俺、羽崎檜佐木はどこにでもいる平凡な高校一年生だ。
学業は人並み。運動神経は人並み。特になにか特徴があるわけでもない。
身長は百七十四センチ。髪型はショート。みんなからは檜佐木と呼ばれている(そのまんま)。
まぁ、挙げるとするならば、ちょうど今のように双子の妹に起こしてもらえるってことぐらいだ。
「ねぇ、お兄ちゃんってば起きないと遅刻しちゃうよ」
「遅刻するわよ」
そう言って妹二人は頭に火を近づける。
おぃおぃ可愛い妹たちよ。
そんなことしなくてもお兄ちゃんはちゃんと起きるから。な。
それに火は危ないからやめた方が・・・・・・・・ひ・・・火?
「ひゃひぃぃぃぃぃ」
俺はここ一年間で一番大きいのではないか<そもそも声をだすことじたいがあまりないので当たり前かもしれないが>ぐらいの声をだし、すぐさまかぶっていた毛布をベッドから放り投げ、妹たちから離れた部屋の片隅に避難する。
そして、胸の鼓動がおさまるのを待ってから、
「あのー、可愛い妹たちよ。なぜ、火を近づけてくるのかな」
俺は身の危険を感じながら恐る恐る言う。
「それはね、お兄ちゃんが起きないからだよ」
「起きないからよ」
「いやいや起きないからって殺されてたまるかー。と、とりあえず火を消せ、火を」
「ちー、仕方ないわねー」
「仕方ないねー」
そう言って妹たちは火を消す。
ふー、とりあえず命の危険からは身を守ったぜぇ。
もう二度とこんな身の危険は感じたくないがな。
「ってなにか仕方ないだよ。え、何、俺そんなに嫌われてんの」
「「うん」」
「即答かよー。えっ、もうちょっとためらったりしないの」
「「しないっぽい」」
まじかー。
さすがにポジティブシンキングな俺でも傷つくぞー。
まぁいっか。
それよりも今のやりとりの時間で遅刻は確定したけど急いで身支度とかするか。
「妹たちよ。朝ごはん作ってやるからはやく身支度しなさい」
「「はーい」」
そういったのを確認してから俺はキッチンへと向かった。