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推しに冷遇されてます。

「…はぁ。」


部屋に戻され、思わずため息が出る。

いましがた<前世の推し>もとい父と話してきたが相変わらず私には冷たく接してきて、肝心の話と言えば『今度自分は出掛けるがお前は一切外に出るな』である。

何故父は血の繋がった娘にここまで冷たく出来るのか。それは。

私はふと鏡を見て思い知る。


「まぁこの顔だもんな…。≪モルガナ≫…叔母様にそっくりだもん…。」


そう、私の顔。

金色のくせっ毛。勝ち気がちと捉えられるようなきりっとした目の緋色の瞳。何もかもが父の双子の姉≪モルガナ・レオンハート≫にそっくりなのだ。


≪モルガナ≫は『ドラグニカ・ファンタジア レオンハートキングダム』でラスボスであるドラゴンに洗脳され、父達の前に立ちはだかる敵なのだ。推しのアーサーとモルガナはそれは仲の良くそっくりな双子で、モルガナとの戦いはプレイヤーの心にも刺さる位悲惨な内容であった。

戦いの最後、モルガナはこうアーサーに告げる


「お前はきっと未来でモルドレットからの裁きによって滅びの末路を遂げるのだ」


と。

≪モルドレット≫と言うのは子供の頃のアーサーとモルガナが『将来子が産まれたらなんという名をつけたいか』という微笑ましい話の中でモルガナが男の我が子にどうしてもつけたい名であった。

そして女の子であれば≪モルドレッタ≫。そう、私の名前だ。

きっとアーサーはモルガナそっくりの我が子を滅びの子≪モルドレッタ≫と思ってしまい、今に至るのだろう。しかし


「アーサーはモルガナとそっくりの双子で娘である私がモルガナ似なら、ある意味私は父親似だと思うんだけどなぁ。」


そう、単純に父親似なだけだと思うのだ。

推しがここまでアホだとは思わなかった。

きっと父の事だろう、国民どころか今までの仲間にも私の存在は知らせていない。それなら外に出て助けを求めれば良いのでは?そうすれば万年城に軟禁されてる状態から自由の身では?


「だけどなぁ…せっかく推しの娘に産まれたんだから仲良くなりたいよなぁ。」


前世の悪い癖が出てしまう。そう、せっかくなんだから推し…父とは仲良くなりたい。出来れば円満に外に出たい。


「よし、出来る事から頑張ろう!」


こうして、私の『推しと仲良し大作戦』が始まるのであった。





やっと始動です。モルドレッタちゃんは基本的に現世で培われた素直になれないひねくれた性格と前世のポンコツオタク娘な性格が合わさった天然ポンコツ娘なので行動が時たま変ですが生暖かい目で見てやってください。

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