プロローグ06:質問の続きは…
「ごめんね…彼女はただ隠し事とかが嫌いなだけなんだ、あんまり気にはしないでくれ…」
医師は優しく、でもどこか裏がありそうな顔でそういった。
「…でも自分でもまだわかってないことが多くて…」
これは本心だ、まだ目覚めて何もわかっていないまま話が始まっているが本当は自分の感情だって、不安なことしかないことだってまだいってない…
「…ごめんね、こっちから質問攻めにしちゃって…」
「あ…いえ、こちらこそ、あんまり答えられなくて…」
…また顔に表情が出てしまったんだろうか…気をつけないと…
「あ、そうだ!歩けるかな?今窓からでもわかる通りなんだけど、桜が満開できれいだからさ、見に行ってみない?」
唐突にそう、医師は言った。
「…まだ歩けるかはわからないですけど…」
そういえば話している間に筋肉痛みたいな痛みは消えていた…なんだったんだろう…?
「あ、降りるときは気をつけてね!」
医師は少しあわてたように立ち上がった、何かあるのかな…?
そう思いながらも、おそるおそるベットから降りるために…医師といる方向と逆方向に下りるために足を出すと、白く柔らかそうな白い肌の足が出た。
「…」
もう、気にはするつもりはない…。
「はは…大丈夫かい…?無理だったらやめてもいいからね?」
ことごとく医師は気を使ってくれる、いや、少し困惑していただけなんだが…
でも、本当に自分の体ではなく、まるで他人の、子供の体みたいで…