プロローグ02:医師
少し警戒しつつも、
「はい…体調も特に問題ないです」
やはり声がおかしい。
医者なのだろうか…?全くといっていいほど清潔感はないが…白衣も少し黒い、あんまり洗ってないのか…
そして、その男からは普通の人とは違う、何かを感じた。
男はベットの近くにあった、いすに腰をかけた…ちょこっと近寄られただけでタバコ臭い…ヘビースモーカーなのか…医師なのに…?
「それは、よかった…ここに運ばれていて以来君はずっと寝たっきりだったからね、少し安心したよ」
その言葉に嘘はないのだろう、男の口に少し笑みがあった。
「おっと、タバコのにおいが白衣に染み付いていたか…ごめんね」
少し近寄られたときに少しいやな顔をしてしまったのだろうか…
「いえ、タバコのにおいは少し苦手なだけなので…」
「ははは、ごめんね、忙しくないときはちゃんと洗濯をしてるんだけどね…」
つまり、最近は忙しくて全く洗濯をしていなかったのか…
「医師として、見た目があんまり一致していないな…って少し思ってしまって…」
「ああ、これか…う~ん総合病院とかみたいなところだったらもっとちゃんとできるんだけど…個人病院でこれになれちゃったせいで、正直あんまり直せなくてね…?」
なんとなくわかるけど、医師としてそれはいいのだろうか…?
「まあ今度からはちゃんと気をつけてみるよ」
…私自身タバコはきらいではないのだ…においが少し苦手だと思うくらいだ。
けれど私は顔にすぐ自分が思っていることが出てしまうみたいだ、あんまり自覚はないが…