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#3
僕はいろいろと迷っていた。
彼と契約するか、しないかで――。
「少年、どうするんだ? 契約するのか? それとも、しないのか、決めてくれ」
「……うーん……」
僕もいろいろと考えているんだよ!
もしかしたら、彼は僕の「負の感情」を欲しているから声をかけたと思うんだ。
それはなぜかは分からない。
最終的に「生きる」か「死ぬか」は僕自身が決めることなんだし……。
「なんかさ、いろいろと複雑なんだよ」
「まぁ、そうだよな」
「うん。一応、仮契約というかたちでもいい?」
「あぁ、それは構わない。しかし、キャンセルはできないからな」
「はい」
こうして、僕は彼と仮契約を結んだ。
†
人には様々な感情と考えがある。
もちろん契約した俺もだから、仮契約を結んだ少年も……。
彼が感じている「負の感情」は悪魔である俺の執行力を上げるものだから。
これからどのようにして本契約をされるかが、今の俺の楽しみなのさ――。
2016/11/27 本投稿
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