父の過去
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ラリーside
しかし、服であまり傷が見えなかったが、こんな大怪我をしていながらあんな淡々と会話ができるものなのか。
「レスティ、と言ったな。お前、こいつをこの世界に連れ戻して、何をする気だ。」
まあ、元から答えは期待していないさ。
この国を守るための刃が一つ増える可能性を持ってきたことには感謝するが。それに、こいつには興味がある。
取り敢えず、止血はしたし、本部に運ぶか。
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「お母さん!お父さん!」
燃え盛る村。小さな子供のそばには人が横たわっていた。悲しいことに、小さな子供の声に答える者はいない。
「っ!」
目を開ければそこは病室。
今の夢は一体、、、!?ま、いいか。
起き上がろうとすると、脇腹に痛みが走る。見れば包帯が巻かれており、治療してくれたようだ。
「大丈夫か?」
ラリーは隣で椅子に座っていた。
「大丈夫です。治療、ありがとうございます。」
「いやいや。目が覚めて良かった。」
ラリーはニコリと微笑むと、
「目が覚めたばかりで悪いが、先ほどの話をしてもいいか?」
コクりと私は頷く。
「TKMDに入隊してほしい。お前は覚えていないかもしれないが、お前の父上は昔TKMDの隊員だった。だが、任務に行ったきり突然行方不明になってしまった。そこから、何故かお前の出身国から魔法使いが消えたんだ、しかも全員だ。だから今のTKMDには隊員が5人しかいない。抜けた穴を埋めるために、お前の力が必要だ、ハナ。力を貸してくれ。」
頭を下げ、私の答えを待つラリー。私が知らなかった情報を一気に言われたおかけで、上手く頭の中で整理が出来ない。が、私の答えは決まった。
「ラリー、私はー。