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ここは魔法の国らしいです。

風と共に現れたのは、私とあまり年が変わらなさそうな一人の少年だった。白いマントを身に付けているせいか、どこか気品が漂ってる。だが、私を背にして向けた剣と眼光は鋭い。


「お前、何者だ。」


リーダーの男が問う。


「俺はTKMD隊長、ラリー・ギル。」


TKMD、という言葉をラリーと名乗ったが発したとたん、男たちの顔色が変わった。


「T 、TKMDだと!?」


「あれがあのTKMDの隊長だと!?若いとは噂で聞いたがまだ成人もしてないガキじゃねぇか!」


「お、俺たちを捕まえにきたんだ!」


そんなざわめきの中で聞いたことのある声が私の本当の名を呼ぶ。


「ハナ!もう大丈夫よ!」


「レスティ!今までどこにいたの!?」


「ごめんなさい!油断して、しばらく閉じ込められていたのよ!あんな魔法使いごときに!屈辱だわ。」


「ま、魔法使い?あの人たち、魔法使えるの?」


「あら、言ってなかったかしら。ここは六つの国が連合してできた魔法の王国なのよ。」


「え、えぇ!?」


驚きのあまり叫んでしまったため、さっきの脇腹の傷が酷く痛んで思わず顔をしかめる。


「あら、大怪我してるじゃない!」


「レスティがそんな重要なことをこんな場面で言うから!思わず大声だして傷が開いちゃったじゃない。」


傷は痛んだが、知っている顔を見ると凄く安心した。



それにしても、、、


「ふぅ~。」


場違いな会話をしている間に、この場所で立っているのは私とレスティを除いてたった一人になっていた。


「お前、名前は?」


「星み、、いえ、ハナ・フロリーナです。」


そういえば、この名前には慣れてきた。何故だか、ハナ・フロリーナと答える方が自分の中ではしっくりきていたのだ。


「危ないところを助けていただきありがとうございます。

 貴方の名前は?」


さっきはあまり聞き取れなかったのだ。


「俺の名は










 ラリー・ギルだ。」


まあ、少し前に名乗ったがな、とラリーは笑う。

茶髪に黄金の瞳。さっきの鋭い目付きはなくなり、優しい表情だった。

しかし、顔は穏やかだが、白いマントや軍服のような服は返り血を浴びていたり汚れていたりして、先ほどの自分が置かれていた状況がよみがえってくる。そういえば、この人、TKMD?とかいうのの隊長って言ってたっけ。というか、そもそも、、、


「TKMDって、なんですか?」


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