これは天罰?
神様に問いたい。過去の私は過ちを犯したのか、これは天罰なのか、と。
「かーえーりーたーい!!!!!」
こう私が叫ぶことになるまで5分前。
それまで私は横浜にいた。
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「ん~ふふふ~ん♪」
今日は午前授業だけだったし、コンビニに行ったら新発売のスイーツ売ってるし!今日はついてるな~!!
あ、私、星宮薫!十七才、女子高校生です!
名字に星がついてるからって訳じゃないけど、星空を見るのが大好きなんだ!でもここは都会だし、あんまり綺麗な星空は見れないんだけど、、、。
え?聞いてないって?でもやっぱりここは、私の魅力を存分に、って話が進まないって?
しょうがないなー。ということで今は何をしているかというと、自分の部屋でさっき買ったスイーツを食べようとしているところであります!
自分の魅力を伝えていたら家に着いてたっていうね。
「じゃあさっそく、いただきまーす!!」
その時、私をまばゆい光が包み込んだ、、、。
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そのまばゆい光が消えると、私は知らない場所に一人で突っ立っていた。周りにはマンションや住宅もなく、草木が生い茂っている。
私が一体何をしたんだ!
ただスイーツを味わおうとしただけじゃないか!
そして、ここに来る前にせめて、一口食べたかった!
「かーえーりーたーいー!!!!!」
私が一人で悔やんでいると、
「こんにちは、星宮薫さん。いいえ、ハナ・フロリーナさん。」
と後ろから声をかけられた。振り向けば、そこには絵本でしか見たことない、妖精がいた。
「えっ!?」
私の親指サイズの金髪に暁の瞳の可愛い妖精だった。
「私はリラ族の守り神、星の妖精レスティ。」
レスティと名乗った妖精は私の目の前でペコリと挨拶をする。
「わ、私は星宮薫。」
突然現れた妖精に驚いたが、相手が名乗ったので自分も一応名乗る。何故だか、レスティは私の名前を知っているみたいだけど。
「えぇ知ってるわ。でもそれは向こうの世界での名。こちらの世
界の貴女の名は、ハナ・フロリーナなのよ。」
ん?どういうこと?
「レスティ、向こうとか、こちらとか言うけど私の名前は一つしかないの。それに、私は自分の家に帰りたいの。帰る方法を知っているなら、教えて。」
「あぁ、まだ記憶が戻っていないのね、ハナ。貴女は元々こちらの世界の人間。だから本当の名前も、星宮薫ではなく、ハナ・フロリーナ。帰る方法なんてないわ。だって本当の元いた世界に戻れたのに、帰る必要なんてないでしょう。」
レスティは淡々と私に告げる。ここが私の元々いた世界?本当の名前はハナ?頭が追い付かない。
「まあ、段々記憶も戻ってくるでしょう。取り敢えず、ここから移動しましょう。日が暮れる前に山を越えなければ。」
レスティはそう言うと私に背を向けて進み出す。帰れないとなれば、今はレスティについていくしかない。
私は一歩、踏み出した。
しばらく山道を歩き続けると、自分の身体に違和感を覚える。なんか視界は高くなった感じがするし、身体も軽い。服装は制服のままだけど、少しサイズが小さくなってきつい感じがする。そんな私の様子を見かねて、レスティは口を開ける。
「本来の姿に戻っただけよ。もうじき慣れるわ。」
鏡のような物を渡され、自分の姿が写る。
「な、に、これ、、、!」
髪は黒髪だったのが金髪に、瞳の色も黒から暁へ。
レスティを等身大にしたような少女が写っていた。
自分じゃないけど、自分のようだ。
変わり果てた自分の姿にしばらく見いっていると、
「やっと、やっと見つけたぞ!!!」
後ろのほうから、武装した男たちが私を見て喜びの声を上げる。
「ハナ!逃げるわよ!!」
「レ、レスティ!?」
レスティが青い顔をして私に呼びかけた。私とレスティは一目散に走り出した。
「レスティ!なんで逃げるの!?」
「貴女はこの国で、指名手配されているのよ!」
「、、、。」
「ハナ・フロリーナを捕らえろおぉぉ!!!」
なんでこうなったぁぁぁぁぁぁ!!!!!