立ててはいけない指
指を立てるのには、それぞれ意味があります。
親指を立てるとサムズアップ。
ひっくり返せばブーイング。
人指し指は文字通り人を指したり、
「1」を意味するジェスチャーにもなりますね。
中指はファックユー。
嫌いな上司にやると超エキサイティング。
小指は恋人を表しますよね。
…あれ?薬指は?
ちょっと薬指を立ててみてください。
凄く立てにくいですよね。
立てられない人もいるでしょう。
反対の手で引っ張れば立てられますかね。
立てにくいのは、一般には「中指の筋肉と繋がってるから」とされています。
これも試してみて欲しいんですけど、
中指と一緒に立てると、スムーズに立ちますよね。
なるほど。納得…出来ましたか?本当に?
なぜ中指と薬指だけ筋肉が繋がってるんですか?
繋がっているなら、なぜ中指だけ立てるときは普通に立てられるんですか?
実は、薬指が単体で立てられないのは
「立ててはいけない」と深く頭に刷り込まれているからです。
練習していると抵抗が無くなってきて、少しずつスムーズに立てられるようになります。
「筋肉が付いたんだろう」なんていうニヒルなそこのあなた。
なぜ薬指だけは筋肉が発達しなかったのでしょう。
少しは信じていただけたでしょうか?
では「立ててはいけない」理由をお話していきましょう。
実はこの薬指、
古い和語で「名無し指」
漢語では「無名指」
なんて呼ばれるくらい、
「印象のないことが印象的」とも言える指だったようです。
けど、今は「薬指」と呼ばれていますよね。
wikiなんかを見ると
薬師さんが薬を塗るのに使ったのが由来だとか。
疑ってばかりで性格を疑われそうですが、
これも、本当にそうでしょうか?
だって、使いにくかったですよね。薬指。
実際に立ててくれた人はわかるでしょう。
ミリグラム単位で調整が必要な作業にこんな指使いませんよ。
「名の無い指」から「薬指」に呼称が変わったのは
「薬師如来」に由来があります。
薬師如来とは「この世門における衆生の疾病を治癒して寿命を延べ、災禍を消去し、衣食などを満足せしめる」仏であり、
「薬指を曲げている」のが特徴的です。
これ、「薬指を立てる」動作の逆なんですよね。
薬指を立てるという動作は、薬師如来の御利益を反対にする。
つまり
「疾病を集め、寿命を縮め、災禍を生み、衣食に不足する」
動作なのです。
すっげぇ不吉なんですよ薬指を立てるの。
これが、人々が薬指を立てなくなった理由です。
あれ…あなたこれ読んでる間に
何回薬指を立てました?