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 きみは森に行き、出て来た時には太陽があった。太陽をきみの娘という人もいるし、ちがうという人もいる。森は、社であり、やしろであり、もりである。

 太陽は、誰でも、貴き人にも、卑しい人にも、強い人にも、弱い人にも、善良な人にも、悪い人にも、平等に陽を注いでくれる。太陽をみなが崇め、日本の神は、貴賤、強弱、善悪に問わず、祭られる。

 きみが彼らと娘をなしたのかどうか、はっきりしたことはわからない。いえることは、ぼくは激しく嫉妬したというだけだ。

 ぼくは引きこもり、家でこの物語を書いている。これはぼくの物語ではなく、きみと彼らの物語である。太陽について語るべき場所ではない。これはきみについて語るべき物語だ。だから、もういっそ、これ以上書くのはやめて物語を終えようと思う。

 ぼくが書きたかったことはすべて書き終えた気がしている。早急に筆をたたんでしまうのが作家としてのぼくの欠点だけど、長いだらだらした話を書くことをぼくは好まない。きみの娘の話なんて、書くには精神が持たない。そこまで気が強くない。

 ぼくはきみの子孫については書くことができない。だから、早くもこの物語は終わってしまう。ただ、きみとすれちがったぼくのことをどうかきみが嫌いにならないでくれますように、祈って物語を終わることにする。

 ぼくは泥。泥の欠片。きみを愛し、彼らに嫉妬する者なり。


気が向いたら、続編書きます。


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