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009 ネタクラス

 オーランに戻った俺は、まず防具屋に石の甲羅を届けてクエストを完遂した。

 次に、昨日の反省を踏まえてまだ昼時だが、宿をとることにした。とった宿は、昨日エレナに泊めてもらったところとたいして変わらない。

 宿には昨日も言った宿泊施設と食堂のほかに、アイテムボックスというものもある。

 アイテムボックスとは、全ての宿にあるアイテムを無制限に収納できる所謂倉庫のようなものだ。

 なぜか全てのアイテムボックスはリンクしているようであり、例えばAの宿で入れたものをBの宿で取り出すことを出来る。この辺はまあ、ゲームということで。

 ちなみに宿泊者にしか利用できないようなので、昨日はエレナに泊めてもらったから使ってなかったりする。

 宿をとった後、ふと思いついたことがあり、満腹度が減っていたので、ノコギリシザーの足を食べながら神託所に向かった。店で買うパンよりこっちの方が美味しい。途中で武器屋でベースチャクラムを、道具屋で砥石をそれぞれ一つずつともう一つ、携行炉というアイテムを300Gで買ったりもした。携行炉というのは、各種製作系スキルでものを作るのに必要な道具だ。 それと、今の俺の財産だが、クエストの報酬が400G、砂浜のモンスターが一体当たりストーンシェルタートルから7G、ノコギリシザーが9G獲得できたので、合計146G獲得できた。

 今の俺の全財産は、各種アイテムと宿代の50Gを引いた分で、162Gとなる。



――――――――――――



 「神よ!あなたの送りし戦士に新たな道を歩ませたまえ!」


 俺が神託所に入ると、神父さんの声が聞こえてきた。ちなみにWikiによると、あの人の公式の名称も神父さんらしい。

 というか、この言葉はクラス変更の時のものである。まだ変えてない人がいたのか。

 気になったので、俺よりも頭一つ分大きい(俺は男としては身長が低いので、ほとんどの男性はこうなるが)、ベース系装備に身を包んだ痩身で坊主頭の男性に近づいていった。


 「よう、俺は海月というんだ。クラスは忍者だ。今日クラスを変えてるということは、条件が厳しいものなのか?」


 「何だおまえは。べつに我が何になろうが我の自由だろうが。」


 振り向いた男の顔は、入れ墨の類が非常に似合いそうな、有り体にいえばヤクザのような容貌をしてた。我という一人称は、恐らくRPだろう。明らかに作ってる感じだ。


 「それもそうなんだが、ちょっと気になってさ。あんたも気になったことはそのままにしておけないだろ?それに何か知ってもハラスメント防止コードがあるから、何もできないさ。」


 「確かに気になったことはそのままにはできないな。それに最後のも一理ある。分かった、教えよう。だがその前に、装備を変えさせてくれ。」


 そういって男はステータスウィンドウをいじって装備を変えた。

 このゲームでは、ステータスウィンドウで装備を変えるだけで、着替えは済む。

 装備を変えたその男の恰好に俺は驚いた。というか昨日も驚いてたな俺。この先後何回驚くことになるやら。



 その恰好は、簡単に言えば騎士のようであった。少なくとも防具だけを見れば。

 問題は武器だ。右腰には剣、棒、メイスが、左腰には銃、弓、鞭をそれぞれ佩いており、背中には鎌、ハンマー、槍が*(アスタリスク)の形で背負われている。更に手には、グラブを嵌めている。

 簡単に言えば、初期で取得できる俺のチャクラムのような特殊武器を除いた全ての武器を装備している状態だ。こんなおかしな恰好をするクラスは、一つしかない。


 「おまえのクラスってまさか、ウエポンマスターか?」


 ウエポンマスター。全ての武器系スキルをとることによりなれるクラスだ。

 完全にネタ分類のクラスだが、まさか本当になる奴がいるとはな。


 「いかにも。そういえば自己紹介が遅れたな。我の名は驫木とどろき。クラスはウエポンマスターだ。」


 男改め驫木はそういって、チャットで俺に漢字を教えてくれた。随分と読みにくい漢字だな。


 「さて、我の自己紹介はしたから、もう行ってもいいか?」

 「ん?ああ、いいぜ。悪かったな、引き止めて。」


 「悪いと思うんなら、引き止めないでほしかったな。そうだ、引き止めついでにフレンド登録もしとくか?」


 驫木がそういってフレンド登録申請をしてくる。そうだな、せっかくだからしとくか。


 「いいぜ、縁があったらまた会おう。」


 俺がフレンド登録申請を許可しながらそういうと、驫木はそのまま後ろを向いて、何もいわずに手だけを突き上げて去っていった。さて、俺は俺の用事を果たすとするか。



――――――――――――



 俺はあのあと神託所で12SP使って《踊り》スキルをとった後、宿に戻った。 《踊り》スキルをとった理由だが、俺は今日ノコギリシザーとの戦いを踊るようにと形容したが、これは予想だが、どうやらあの時《軽業》スキルによる補正はなかったようである。

 《軽業》スキルは基本的にバク宙や森でのフェイスツリーとの戦いでも使ったカポエラのようなアクロバットな動きや、俺がやってるジャグリングのような曲芸の類にしか補正がつかず、踊るような動きはできないようなのだ。

 まあこの考え方だと、俺はノコギリシザーとの戦いでした動きをPSでやってたことになる。そうだとしたら自分にびっくりである。

 何にしろ、踊るような動きをするのなら、少なからず《踊り》スキルの補正は得られるはずである。これでなかったら悲しい。



 その日はそのあと夕食をとった後、砥石でチャクラムの耐久度を回復して、また昨日のように妹との罵詈雑言のメールのやり取りをした後、寝ることにした。明日はそうだな、生産活動に精を出すとするかな。

驫木はとどろきと読みます。

これを最後まで覚えてる人がどれくらいいることやら。それとも特徴的だから、逆に覚えやすかったり。

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