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2:牢獄

真っ白だ。

何も見えない。


ふわふわする。

今まで感じた事のない感覚。

例えるなら体が水に浮かんでいるかのように、体の重さを感じない。


不気味なくらいの静寂に包まれていたが、徐々に音が聞こえ始める。

いや、音というよりは耳鳴りか。



変な体の感覚と耳鳴りのせいか、アルはいつの間にか意識が朦朧として、気を失っていた。







「いつまで寝てやがるんだ!」


そんな罵声とともに痛みが身体を襲う。

どうやら腹を蹴られたらしい。

咳き込みながら立ち上がろうとする。


しかし上手く立ち上がれない。

蹴られた影響ではなく、なぜか両手を一枚の木の板で繋がれていたせいだ。しかも両足には鎖がついている。



あたりを見回す。

おれを蹴り飛ばしたと思われるハゲのおっさん。

高そうな服装の太った男。

石造りの壁と天井。

俺と同じように両手両足に枷がついてる奴が数人。

そして鉄格子。


どうみても牢屋の中。



この状況はなんなのか。

思考が追い付かない。


「商品なんだからあまり手荒に扱うなよ。特に女の方はな。」


「わかってますよ旦那。」


そう言いながら、太った男はなめ回すように女の子をみて回る。

女の子達からは軽い悲鳴が聞こえた。



暫くして飽きたのか、太った男とハゲた男は鉄格子の向こう側に出て、階段を上って去って行く。





どうやら捕まったらしい。としか解らない。

何故捕まったのか、先程まで村にいたはずなのに何故牢屋の中にいるのか。

色々な考えが頭の中を駆け回るが、答えは出ないでいる。

周りから聞こえる啜り泣く声も手伝ってか不安で心が押し潰されそうだ。




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