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とある兵士と藍色の髪の少女2

 第3話です。

 少し開けた場所の中心に、焚き火が設けられ火が轟々と燃え盛る中、焚き火を間に挟み男と男を襲った少女が相対していた。

 少女は男をじっと見ているが、襲い掛かった時の様な殺気は放っておらず、警戒した目と表情をしている。

 そんな顔をしながら、自分の後ろに居る少女の仲間達をチラチラと気にしながら、男を警戒する少女に男は話しかけるのだった。


「さっきも言ったが、全員無事だ。意識を失ってはいるが、疲労と心労が重なって起きた症状だろうから、暫く寝てりゃ気がつく」


 そう男が言うと、少女は警戒した表情はそのままに返してきた。


「それは聞いたよ。私が気付く前から皆を治療してくれたんだろうとは思うけど、信用出来ないよ」


 口調は普段の少女のモノだが、声音はそうはいかずかなり堅かったが、男は肩を竦めると、少女の好きにすれば良いと、無視を決め込んだ。

 男が、側に置いていたリュックサックに手を突っ込むと、少女の表情の警戒度が跳ね上がる。


「うん? ああ、悪い悪い。別に怪しいモノを出そうってんじゃねぇから心配すんな」


 そう言う男に、警戒心が再び最高になった少女が言う。


「そう言われてさ。そうですね~って言える人居ないと思うよ?」


 違いない、言いながら男は苦笑すると、気を取り直してリュックサックを漁り、片手で何かを掴み、掴んだモノを自分の目の前に置き、組み立て始めた。

 また変わったモノを出した男に、警戒しながらも少女の好奇心が刺激されたのか、男・仲間達・男の行動とチラ見する箇所が多くなった少女を見て男は更に苦笑していた。

 ものの数秒で組み立てたそれに付いている、つまみを捻ると真っ直ぐで、細い火が飛び出し少女は目を見開いて驚いた。

 男は驚く少女を余所に、組み立てた野営用の簡易コンロに、再び手をリュックサックへ突っ込んで二つの物を取り出す。

 一つ目が小さな鍋だった。

 それを火にかけ、二つ目の円筒形の筒の上部を外して、小さな鍋の中に中身である白い液体を入れ始めた。

 男が少女を見ると完全に此方に注意と、言うかコンロに興味津々といった表情だったが、目が合うと途端に素早く逸らしては、チラ見を繰り返す感じになり、これまた男を和ませていた。


(なんなんだろうな、ありゃ。まあ、仲間は心配で元々好奇心が強いから色々どっちつかずになってるみたいだな)


 男は和みながらも更にリュックサックから3つのモノ、金属製のマグカップとスプーンに銀色のナイロン製の袋を取り出して、袋の口を開いてスプーンを突っ込み中身を2杯程マグカップに入れた。

 袋の口を閉じると、少量の為、湧き出した白い液体、牛乳をマグカップの中に注ぎつつコンロの火を止める。 男がマグカップをスプーンでかき混ぜ始めると、辺りに甘い香りが漂い始め、その香りを嗅いでしまった少女は、思わず喉を鳴らしてしまう。

 十分中身をかき混ぜたマグカップを持った男は、立ち上がり少女に近づいていく。

 焚き火を挟んでいた2人の距離は一気に縮まり、それと同時に少女はキッと男を睨みつけたが、男は意に介さず少女の攻撃距離と思われるギリギリの箇所にマグカップを置くと、自分の座っていた所に戻っていった。

 警戒する少女を余所に再びコンロに火を付けた男が言う。


「熱いから気をつけろよ。けど、熱い方が旨いから飲んでみな。夜の森は冷えるからな」


 男にそう言われたが、少女は迷っていたので、男が駄目押しをしてみる。


「仲間を守るんだろ? なら身体は動くようにしといた方が良いぜ。熱いモノを飲みゃちったぁ、頭も身体も動くようになる」


 マグカップを見つめる少女が、男におずおずと聞いてきた。


「なんで、こんなことしてくれるの?」


 さっき命を狙った相手を殺すどころか、仲間達を治療してくれて、あまつさえ命を狙った相手に施しまでしてくれている男に少女は困惑する。


「ハッ、まさか私を手懐けて、姉達に手出しする為に…!?」


 そう言う少女を見て完全に男は呆れていた。


「ガキんちょに興味なんぞ湧くか馬鹿が。んな言葉を吐くんなら、胸か尻をデッカくしてから言え」


 そう言われて、少女はカッとなったのか言い返してきた。


「い、今はペッタンコだけど、いずれは胸もお尻も大きくなるんだからね! けど、オジさんには絶対見せないんだから!!」


 そう言うと肩で息をした少女が、急に震えだした。


「…ぐずっ、オジさん一体なんなの? 急に現れて助けてさ。どういう人なのさ」


 目に涙を浮かべながら男を見る少女に、男が返事をする。


「さあな、俺が聞きたいわ。とりあえず、騙されたと思ってそいつを飲んどけ、喋って喉も渇いたろ?」


 そう言われて、意を決した少女はマグカップを両手に持ち、中身を飲み始めた。


「甘くておいしいよ…オジさん、これって何なの?」


 そう言う少女は、三角座りをしながら、男に飲み物の正体を聞くのだった。


「そいつは、市販のココアだよ。ガキ臭いって言われるが、俺はコイツも好きでな。コーヒー・紅茶・ココアは常備してるよ」


 少女は答えを聞くことが出来たが、聞いたことのない単語だった為、小首を傾げた。


「こーひー? こうちゃ? ここあ? オジさんって色々持ってるんだね」


 結局分からないけど、美味しいからいいやと思った少女は、まだ中身の熱いココアを飲みながら、男を見ると同じ匂いのする入れ物を啜っていた為、話すのを止めてココアを飲むことに集中しだした。

 夜の帳がかなり深くなり、甘い飲み物で少し小腹を満たした少女は、うつらうつらと船を漕ぎ出した。

 意識をしっかり保たなきゃと少女は思うのだが、瞼がとても重く意識も遠くなってきた。


「お、オジさん…」


 最後の力を振り絞って話そうとする少女に、何時の間にか取り出した本を読んでいた男が反応した。


「ん? どうしたガキんちょ。眠いのか?」


 その言葉に少女は答えず、変わりに警告を口にする。


「私はどうなってもいいけど、姉達や緑に、手を出したら、許さ、ないん、だからね…」


 そう言う少女に、呆れながら男は答えた。


「わ~ってるよ。それにガキんちょ何ぞ誘われたってお断りだ。さっさと寝ちまえ」


 そう返すと少女はパタリと座っていた姿勢のまま横に倒れてしまった。


「やれやれだな。とりあえず今日は寝ずの番か」


 そう1人ごちた男は、本を読みながら、2杯目のココアを準備しだすのだった。



 まだまだ原作キャラは、一人しか出てない上、ご覧の通り、幼少期からスタートしています。

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