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とある兵士と少女達の再会

 第26話です。


 滅茶苦茶間を空けてしまって、申し訳ありませんでした。



 咳払いをした後、真剣な表情で貂蝉が話を始める。

 真剣な表情だが少しモジモジした仕草をしていた為、ジェフはなるべく視界に入らないように視点をずらしていたりする。


「あの方をこの世界から追い出すために、あなた自身を借りたいのよん」

「…無茶言うなよ。あれがどんだけ面倒な奴か分かってねぇのか? 正味1人じゃぶち殺されるっつうの」


 言われた瞬間、目を見開いた後、半眼で文句を言うジェフに対し、貂蝉はモジモジしながら答えた。


「それは分かってるわん。けれどあなたじゃないとこんな事、頼めないのよん。力は貸すから何とかして貰えないかしらん? まぁ、理由って言うのも何なんだけど…」


 長々とした貂蝉の話を聞いたジェフは、話の要点を頭の中で纏めつつ顔をしかめながら頼み事とやらを聞き、それを渋々承諾する事にした。

 ジェフが協力する理由としては、二つあった。


 一つは、貂蝉達管理人が、ジェフ曰く『クソ(あま)』を発見次第知らせてくれると言う条件を出してきたからである。

 流石に、ジェフ一人で中国全土を走り回るのは効率以前の問題なので、この点はジェフにとって渡りに船だった。

 ジェフがどう考えても、この世界から元の世界に戻るには、あの女に会わないと行けない、朧気ながらそう考えていた。


(会った瞬間、俺が生きてたら奴の頭をかち割る気がするがな)


 そして、もう一つの理由は、現在のジェフの状況である。


 見事な迄に間隙を縫ってジェフは『あの女』に現在の世界に放り込まれた訳だったが、貂蝉達より『あの女』の方が位が高いらしく、所謂原因の大元であるジェフ自身を元の世界に戻すことで事態の収集をはかりたかったのだが、相手が相手だけに大変困難らしかった。

 ジェフ自身もんなこと知るか、と言いたかったが一番の元凶が野放し且つ発見する事が出来ず、かと言って世界を乱した一端であるジェフを追い出すことも出来ないため、貂蝉達にとっては苦渋の決断としてジェフに『あの女』を発見次第排除して貰うという他人任せな手を打つしかなかったのだった。

 この話をしていた貂蝉はかなり渋い顔をジェフに向けていたが、ジェフは肩を竦める位しかできなかった。


「何処の国だろうが世界だろうが、下っ端と管理職が苦労するってのは変わらねぇってこったな」

「確かに…お互い様よねん」


 そうジェフに言われ貂蝉も苦笑いしながら返答する。

 そんな問答の後、ジェフに恋文を届けた男が、貂蝉達に緊急事態を持って店に飛び込んできたのだった。


「相変わらず無礼な事しか言われてないが、そんな場合じゃない。トルーマンにとっては面倒な事になったぞ」


 男が事情を話すと、ジェフはすぐさま洛陽から飛び出そうとするが、貂蝉がジェフの前に立って行く手を阻んだ。


「ちょっとちょっとトルーマンちゃん、まさか走って行く気なの?」


「ああ!? しゃーねぇだろうが!! 足がねぇ以上自力でどうにかするしか手がねぇだろうが!! 退けよ」


 殺気立ち凄まじい形相のジェフだったが、貂蝉はなるべく落ち着いた表情と声音でジェフに話し掛けた。


「流石に今からじゃ徒で行くのは無理よ。だから、ついて来てん」


 ジェフは、真剣な眼差しの貂蝉を前に黙って頷き、貂蝉の後に続くのだった。



 ジェフが貂蝉と話してから暫く経ち、ジェフは貂蝉から聞いたルートで馬を走らせていた。


(馬での移動はひっさしぶり過ぎてケツがイテェ上に、鐙も無くってちっと安定し辛いな。やっぱアフ○ン人と一緒に生活しといて正確だったわ)


 貂蝉に外へ案内されると馬具を装着した馬が用意されておりそれに乗っていけと貂蝉から渡されたのだが、貰った馬には何故か鐙が付いていなかった。

 だが、ジェフは元々まともに馬に乗れる上、ア○ガンで現地人に馬を更に扱いやすくする為に、と裸馬に乗せられたりしたので、鐙が無くても一応はまともに走らせることが出来たのだった。


(しかし、今から追いついたとして鐙がねぇのはヤベェな、踏ん張れねぇからこの状態だと面倒だぜ…)


 そんな事を考えながら馬を走らせていると、聞き慣れた音がジェフの耳に入る。


『聞こえるか?』


 片耳に付けたインターカムから男の音声が聞こえてきた為、ジェフは「ああ」と返事を返す。


『現場に着くまでの間だけだが、無線での通信であの女共の状況を知らせる』


 相手はかなり機嫌が悪いのか口調が荒かったが、ジェフ自身も似たようなものなので気にせず状況を確認する事にした。


「んで、あいつらがまた賊に襲われてるらしいが、どんな状況よ?」


 男が持ち込んだ情報、即ち自分が離れた途端少女達が賊に襲われたというものだった。

 やはりジェフにとっては、少女達がこの世界に来て初めて話した相手であり気を回していた存在だったので、少なからず情が移ってしまったようだった。

 若干ではあるが、逸る気持ちを抑えて男の情報を待つ。


『賊の数はそれ程でもないようだ。だが、女共の配置が悪い…と言うよりそれしかなかったようだな、かなり旗色が悪い。女共は東へ向かっていたから徐栄が東側に、西側の殿を沙摩柯がやっていたようだ。そして北に徐晃、南に何平を配置して移動していたが四方から待ち伏せを受けたらしい』


 其処まで言うと、男は話を切った。

 話を聞いていたジェフは苦い顔をしながら馬を走らせる。


(待ち伏せのタイミングが明らかにおかしすぎるが、今は置いとくしかねぇな。四方からの奇襲…それの救出作戦を1人でやるとか無茶すぎる)


 どう頭を捻ってもまともな作戦が浮かばない為、額に左手を当てているジェフに男は情報提供を続けた。


『賊は少人数のようだ。辺りに伏兵はいない。現在戦っている4人全員に賊が張り付いている格好だな。1人につき4人が襲いかかっている。徐栄以外の3人に張り付いている連中は全員武器は剣のみを所持している。問題は徐栄の所の奴らだな』


「…どういうこった?」


 完全に不利な状況に付け加えて少女達のリーダーである徐栄の担当に問題がある。

 詰んだかも知れねぇな、と思いながらジェフは続きを促した。


『そこそこいい装備をしている恐らく奴らの首領が徐栄と対峙しているようだ。そしてその首領の後ろに3人いるんだが、どうも弓を持っているようだぞ』


 馬を颯爽と駆りながらジェフは天を一瞬仰いだが、気持ちを切り替えて男に質問する。


「教えてくれ、徐栄達の居る場所は見晴らしがいいのか?」


 すると少しの間の後に返答が来た。


『北の方に小高い丘があるようだな。他は見晴らしは良いが、川が干上がっているのか地面に人が伏せられる窪みがあるな。どうやらこの辺りに潜んで奇襲を掛けたらしい』


 その返答を聞いたジェフはすぐさま適当な地図を頭に作りながら質問を繰り返し、馬首を一路北へ向けるのだった。



 ジェフが必死に馬を走らせている最中、少女達は絶望的な状態に下を向きかけていた。

 そして、少女達のリーダーである徐栄もまた、悲痛な表情で歯噛みしながら考えていた。


(沙摩柯の方はまだ良いとして、問題はあの子達か!?)


 あの子達とは、他ならぬ徐晃と何平の事である。

 時間もないなか、筋が良いと見た徐晃と何平に、幾つか簡単な剣の振り方などを教えて守備につかせたのだが、まさかいきなりこの様な事態に陥るなど徐栄も想像していなかった。


(し、しくじったというのか? 理不尽にも程があるじゃないか…)


 少女達が今の道を選んだのにも、街道に賊がチラホラ散見されたと言う話を小耳に挟んだため、少し街道を外れて移動していたのだ。

 まだ都から遠く離れられた訳でもない為、役人や兵士に見つかる訳には行かず、かといって補給が無いため近くの村に寄るつもりだったので、街道から大きく外れることも出来ない。

 ギリギリの進路を取るしかなかったのに賊に襲われては、何の為に街道から外れたのかわからなかった。


(無理かも知れないが、精々この子達の分まで暴れ回るしかないな…!!)


 そう徐栄が覚悟を決めた時、弓を持った賊が徐栄と対峙している男に話し掛けた。


「と、頭領! 北の方から妙な奴が馬で突っ込んできやす!!」


「あぁっ!! 人数は?」


「…多分1人でさぁ!」


 頭領と言われた男は、顎髭を一撫ですると弓を持った男達に指示を出す。


「誰かは知らねぇが今は仕事中だ、お前らサッサとヤッちまえ」


 頭領の言葉に「ヘイ」と答えた男達は、すぐさま馬の走ってくる方向へ向かって行くのを徐栄は横目で見送りつつ小さく溜め息をついた。


(馬に乗った妙な奴? まさかな、だが助かった。賊とはいえ弓兵が3人も居ては、動けなかったからな)


 弓兵が妙な奴の下へと走っていった為、弓兵達が帰ってくるまでに頭領を、と徐栄が考え集中した瞬間、甲高い音が平原に響き渡った。


 〇


 ジェフが馬を走らせ北の小高い丘の上まで移動すると、インカムから男の声が聞こえた。


『トルーマン、そろそろ通信を止めるぞ』

「ああ、助かったぜ。所でよぉ、馬のスタミナがあり得ないくらいあるんだが、どうなってんだ?」


 相手が一瞬無言になったが、インカムから再び声がする。


『ああ、すまん。言い忘れていた。あの女共を救出するまでの間だけ、馬の体力を気にしなくて良いようにしている。これが終われば元に戻る』


 なる程ねぇ~、とジェフが答えるとインカムから声が聞こえた。


『俺が言うのも何だが武運を祈る』

「そりゃあ、あの嬢ちゃん達に言ってくれ。じゃあな」


 ああ、と一言聞こえた後、インカムからブツッと音声が切れる音が聞こえた瞬間、ジェフは馬を走らせ丘を一目散に下っていく。

 なるべく派手に動けば相手に見つけて貰えると思った為だが、上手い具合に乗ってくれたらしく、弓を持った男達が走ってきた。


「来てくれてありがとさん。まあ、大した持て成しも出来ないがなぁ」


 そう言うとジェフは馬を止め、賊から見て馬を横に向けさせる。

 そして、今回の為に用意した得物「PGM3_8」を構え、走って此方へ向かってくる3人の中央に居る男に照準を合わせ、深呼吸をし呼吸を止めて引き金を引くと、甲高い銃声と共に狙われた男が後方へ飛んだ。

 銃声に怯んだのか、横に居た男が飛んだ事を理解できなかったのか、向かってきていた男達が立ち止まると、排莢を終了し手早く再装填が完了したジェフの得物が再び火を噴く。

 立ち止まった賊を難なく撃ち抜き、ジェフはボルトハンドルを起こして引き排莢しつつ、スコープから目を離し瞬時に周りを確認すると腕は何時もの様に装填を完了していた。


(やっぱ、使い慣れてるSR(スナイパーライフル)は良いよなぁ。サプレッサーも今は使わなくて良いみたいだし、気が楽だわ)


 貂蝉から一時的に言われた事を考えながら周りをサッと確認したが、他の賊は目の前の相手に釘付けだったので、残った1人を片付けるべく照準を合わせ狙撃するが、ジェフの弾道予測より遥かにズレてしまった。


(あら? まぁしゃーないわなぁ、未知の武器で味方があっさりじゃあ兵隊でも動揺すらぁな)


 どうやら残った賊が生き残れたのは、足が竦んでその場にへたり込んだからだった。

 当然の如く再装填を完了した「PGM3_8」でへたり込んだ男にトドメを刺すと、ジェフは再び手綱を握りながら馬に語りかける。


「もうちょい頑張ってくれよ、後はあのちっこい奴んとこに行ってくれりゃ良いんでな」


 言葉の意味を知ってか知らずか、一鳴きした馬が駆け出した。

 馬が優秀なのかジェフの腕が良いのか、馬はあっという間にトップスピードに乗り少女達に近づいて行く。


 其処では、徐晃が賊4人と見合っていた。

 ジェフが見た時点で、肩で息をついている徐晃に襲いかかろうとした賊達が、蹄の音で此方に向き直っていたが、目と鼻の先と言っても良いくらいジェフの接近を許してしまった為、賊達は慌てふためいた。


(…悉く良いように流れが動きすぎだねぇ。忌々しいが、まあ利用させてもらうか)


 そう思いながら、ジェフは馬を賊に向けて走らせつつ、先ずは肩に掛けていたSRを一番近場で慌てている男に向かって投げつける。

 これから接近戦主体になるため、7キロ以上するSRをジェフ自身使いたくなかった。

 そして、SRを近中距離で使おうモノなら賊を貫通して少女達にも当たりかねない為、狙撃終了後は重量のある投擲物として投げつけるつもりだったのだ。

 馬の最高時速+7キロ以上の得物が胸に当たった賊は、痙攣しながら動けなくなるのだった。

 その光景を見ることなくジェフは馬の鞍の上に中腰で立つと、同時に目を付けていた残りの賊の1人に向かって飛びかかる。

 腕をクロスさせて相手の胸辺りに照準を定めた所謂ダイビングクロスボディアタックを、自身の乗っていた馬の速度を利用して行う。

 直撃した賊にはたまったものでは当然ない為、賊の首辺りから何かがへし折れる音をジェフは聞いていた。

 賊の首をへし折り着地を決めたジェフは、考えながら付近に居る残りの賊を確認する。


(ふぅ、超怖ぇな。二度としたくねぇ)


 内心冷や汗をかきながら溜め息をついていると、徐晃に迫っていた残りの賊の1人は、哀れにもジェフの手を離れた馬にぶつかり馬はその勢いのまま走り去って行った。

 徐晃を囲んでいた最後の1人は徐晃と対峙していたのだが…


「はぁぁぁっ!!」


 気合一閃、徐晃の剣が賊の体を切り裂き賊は叫び声を上げて地に伏した。

 それを眺めながらジェフは、SRが直撃した男を確認し腰のヒップホルダーからもう一つの得物「M_73」を引き抜きトドメを刺していた。


 辺りを見渡し徐晃の近くに賊が居ない事を確認したジェフは、そのまま徐晃の近くへ移動すると、徐晃はジェフをビクビクしながら見上げていた。


(徐晃がビクついてんな? ああ、そういや顔隠してたか)


 賊達を逃がすつもりは無かったが、逃がしてしまった時の為にジェフは目元と口元だけが開いたフェイスマスクを付けているのを徐晃に怯えられるまで、すっかり忘れていたようだ。

 流石にフェイスマスクを取っている時間がない為、ジェフは徐晃に声を掛ける。


「徐晃、次は何平んところだ。行くぜ!!」


 そう言うと聞き覚えのある声だと気付いたのか、徐晃の顔から怯えが消え、満面の笑みを浮かべながら返事をした。


「うん、おじさん!!」


 徐晃の元気のいい返事を聞き、ジェフと徐晃は、何平の下へ走り出した。

 それを見た賊達は、慌てて逃げようとしたが、その内の後ろを不用意に向いた賊が、何平に斬られて倒れ込んだ。


(やるねぇ。ガキだガキだと思っちゃいかんかもな、って徐晃の奴速すぎる!!)


 遠目で何平の働きを見ていたジェフだったが、横を見ると最初は徐晃の隣を併走していたが、直ぐに徐晃の速度に追いつけなくなってしまった。


(体力だけじゃなく速度もかよ!? 加速力がハンパじゃねぇぞ!! 化けモンが多すぎんぜ…)


 この世界に来て何度目か判らない位の溜め息と共に、徐晃が何平の下まで辿り着き、また1人賊を斬り捨てていた。

 流石にこのまま何もしない訳には、プライド的にいかないジェフは走りながら右手に握っている「M_73」を構えつつ近くにいる賊を照準で捉え引き金を引いた。


 弾丸が腹部に直撃した賊は悶えていたが、直ぐにジェフが賊の下に辿り着きトドメの弾丸を叩き込む。


 残りの1人は、徐晃と何平に囲まれヤケになって暴れようとしたが、子供とはいえ4人の賊を1人で押さえていた2人に勝てるわけもなく、あっという間に斬られていた。


(何だろうな、あっさり過ぎて笑えねぇ)


 賊とはいえ、一角が崩れた途端に少女に瞬殺される賊達を前に、ジェフはゲンナリしそうになったが、まだ戦闘中だと気合いを入れ直して沙摩柯の方へ向き直る。

 すると沙摩柯は集団からかなり離れた場所で賊4人を釣り出していた。


(あいつ、手慣れてんなぁ。お嬢ちゃん達を巻き込まないようにしつつ暴れられる所まで釣り出したか)


 その手腕に感心していたが、同時に援護が直ぐに出来ない場所まで移動していた沙摩柯と、賊のリーダーと戦っている徐栄のどちらに手を貸すか考えようとした直後、妙に穏やかな声に呼び止められた。


「お、おじさま~…これお~…」


 ジェフが声のした方を向くと、肩で息をついている少女が賊に投げつけて役目を終えていた「PGM3_8」を両手で重そうに抱えながらジェフの下に来ていた。


「お前さんは、あんとき徐晃についていかせた…」


 其処まで言うと額に汗を光らせた少女が照れながら、はい、と得物を渡そうと持ち上げようとしたが、重くて持ち上がらないようだった。


「ありがとよ」


 そう言ってジェフは少女の頭を撫でながら「PGM3_8」を受け取ると少女は、照れ臭そうに頬を掻いていた。

 そうこうしている内に、徐晃と何平は沙摩柯の下に向かっていた為、ジェフは「PGM3_8」の安全装置を外しながら片膝をついて、沙摩柯達を襲う賊の1人に照準を合わせると、深呼吸の後、得物の引き金を引くと銃声の数瞬後、狙われた賊が吹き飛びながら絶命した。


 ジェフが賊の1人を狙撃すると、突然1人減った事により賊達が浮き足立ってしまう。

 そんな隙を、長年1人旅をしていた沙摩柯が見過ごすはずもなく、近場に居た相手を切り捨てて残りの相手に目を向けると、徐晃と何平2人の剣が賊を切り裂く。

 沙摩柯の戦っていた場所への援護狙撃後、徐晃と何平がチラリとスコープに映ったのでジェフは照準を外し息をついた。


「…ふぅ、大体片付いたな」


 ジェフの隣でくっつくでもなく側にいる得物を持ってきてくれた少女の頭を一撫でし、ジェフは得物を構えて徐栄の方へスコープを向ける。


 其処では徐栄と賊の頭が一進一退の攻防を続けていたが、徐々に徐栄が頭を押してきたようだった。


(あのオッサンも可哀想になぁ。パワーもスピードも徐栄が上みたいだ。武器の差で今何とかしてるが、何処まで保つかねぇ)


 そんな事を考えながらスコープを覗いていると、近くに気配を感じたが、見知った気配だったのでスコープから目を離さずにいると、相手から声をかけてきた。


「…トルーマン、何で此処に?」


 小首を傾げる沙摩柯に、ジェフは言葉だけで答えた。


「まあ、なんつぅか。仕事だよ」


 少なくとも完全な嘘では無い理由を言うと、沙摩柯は、ふ~んと、一言呟いてジェフの耳元へ唇を近付ける。


「…トルーマン、徐栄と賊の戦いに手を貸しちゃダメ」

「ああ、わぁってるって。お嬢ちゃん達の隊長さんの面目を潰すようなマネはしねぇよ。だが、もしもっつう事もある。ソイツが起こったら俺は引き金を引くぜ?」


 そうスコープ越しにジェフが言うと、沙摩柯も一言、「ん」と言い返しながらジェフから少し離れた。

 沙摩柯がジェフから離れた瞬間、徐栄が賊の頭の首に槍を突き立てる。


「おぉ~、決めやがったか」


 スコープから漸く目を離し、うんうんと頷きながらジェフは周囲を警戒しながらも立ち上がり、徐栄の下へゆっくりと歩いていくのだった。


 まさか1話書き終えるのに、こんなに時間がかかるとは思いませんでした。


 仕事が年始から今にかけて忙しく商売繁盛は有り難いのですが、休みが少なくなっております。


 不定期な更新になっている為、この小説をお読み頂いている皆様には、大変申し訳ありませんが今後とも宜しくお願いいたします。



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