表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/36

とある兵士と管理人

 第25話です。


 とりあえず、気持ち長め&前半ギャグチックになっております。


 そして、後半は独自解釈が入っておりますので、お気をつけ下さい。



 徐栄達と別れたジェフは、洛陽の街をさまよっていた。

 徐栄や李儒に洛陽の話を聞いてはいたが、街の様子を自分の目で調べなければ、情報収集など出来ないとジェフは街を散策し、時には商人達から奪い取った銭を使いながら人々の様子を伺っていた。


(首都っつう割には、そこそこ繁栄しているとしかいえねぇな。聞いてる話より物の値段は上がってるみてぇだし、裏路地は…言わずもがな、治安は宜しくないらしいわ。少なくとも長居はしない方が良いらしいな)


 洛陽を自身の足で歩き回り、街の内情を観察して廻るジェフはそう結論づけた。

 そうと決まれば探索のメインである男の示した場所を探し出し、洛陽からサヨナラするだけ、だったのだが…

 何故かは分からなかったが、唯一の情報の場所を一般人に聞こうとしても、慌てて知らないと言われた後、そそくさと逃げられるのであった。

 それだけならまだしも、その話をしたジェフを見る周りの人間の目が、妙な物を見る目に変わっていた。


(何なんだ? 聞く度聞く度奇異なモンを見る目をしやがる…まさかっつうか、俺がこの国の人間じゃねぇことがバレてるってか?)


 そうだとするならマズいとジェフは、なるべく自然な態度を保ちつつ裏路地へと入っていく。

 実際バレた訳ではなく、聞いている場所に問題があるのだが、ジェフ本人が自身を異国人であると認識している事が念頭にあるため疑われていると思っていた。

 裏路地に入ったジェフは、とりあえず妙な物を見る視線から逃れることが出来たのだが、暫く戻れないと思った為、裏路地で情報を集めることにした。


(はぁ、しくったなぁ。まあ、クヨクヨしてたって始まらねぇからな。何処からだって構わねぇから情報収集するしかねぇんだよねぇ)


 表の大通りで失敗したと思ったジェフは、気を取り直して情報を集めることにしたのだった。


 治安が悪そうな裏路地の住民達から熱烈な歓迎を受けるかな? と思っていたジェフだったがそんな事は無く、情報を集めることに成功したのだったが、ジェフは若干不機嫌だった。


(あの野郎…一体何だってんだ!? てか、何で行っちゃならねぇんだ?)


 ジェフは裏路地の住民から、目的地の場所を聞く事が出来たのだが聞いた際、こんな事を言われていた。


「おい、兄ちゃん。辛いことが合ったのかも知れないが、例え何があったとしても彼処に行っちゃ駄目だ!! あんな所…あ、な、何でもねぇ。道筋だがな…」


 最初は何故か人生を心配され、何かと視線が合ったのか急に住民は脅えだし、場所を伝えるとそそくさと姿をくらますのだった。


(不安しか呼ばない事しやがって…あの徐晃でもこんな…事したな、商人とき)


 一瞬、一番ハラハラさせられた徐晃の事を思い出し、さっきの住民と比べたが、どっちもどっちだった為、二重で嫌な感情に凹むジェフであった。


 〇


 所変わって、徐栄達を待っている徐晃達の野営地では…


「ぶぁっくちゅん!!」


 徐晃が豪快なくしゃみをしていた。

 それを隣で見ていた満寵が、汚物を見るような目で徐晃を見つめながら言う。


「30点ね。面白くない上に前半汚らしいし、後半可愛さが出たのが減点よ?」

「何か批判された感じな上に、私ってくしゃみまで、採点されちゃうの?」


 満寵に冷たくされ、涙目の徐晃を見ていた何平が、何時ものキツい目つきを横線にして呟く。


「こいつら、ホントに仲良しなのか? 俺にはどうしてもそう見えないん…ってそうでもねえ上に、てめえもちょっと顔を赤らめてんじゃねえよ、徐晃!!」


 どう見ても微妙な関係の2人を、半分呆れつつ途中、明らかに危ない道を開きかけた徐晃を見つめながら何平は、ツッコミを入れるのだった。


 〇


 ジェフは、脅してきた? 住民の言う場所にたどり着いていた。

 しかし、ジェフはその場所の玄関と思われる場所で立ち尽くしていた。


「…なる程な。あのオッサンが人を病人扱いするわ。既に俺は、家に帰りたいしな」


 ジェフの目の前、玄関の上部に看板があり其処にはデカデカと『漢女天国』と記されている。

 が、看板の両脇に描かれている絵に、ジェフは嫌な予感しか湧かなかったのだ。


(なんで、ムキムキのオッサンがポージングした姿が描かれてるんだ? まあ、そう言う店なんだろうが、久しぶりに嫌すぎるなぁ)


 ジェフは諦め顔になりつつ店に入って行ったが、中はまだ営業していないらしくテーブルやカウンターの上に椅子が逆向きに置かれていた。

 人が居ないためジェフは慎重に周りの気配を探っている最中に、店内の奥の扉が開き中から人がでてきた。


「あらん。良い男ねん!? けど残念、まだ開店時間じゃないのよん。また、夜に来てくれたらサービスしちゃうわよん」


 そう言って相手は、ジェフに対して投げキッスとウインクのコンボを仕掛けてきたが、久しぶりのインパクトにジェフは驚愕していた。


(うはっ!? 看板と同じモンが登場したぞ!? サービス満点すぎるだろうが!! 今時スキンヘッドに三つ編みでハイレグ一丁って、既に完全体の変態じゃねえかよ!! 俺は住人達にあれと同族だと思われたのか!? 死ねる…うん? 待てよ、こいつ今何つった?)


 ジェフが混乱を抑えて思考していると、目の前の変態は目を見開いて吠える。


「んまぁ!! 誰が、人造○間を吸収して完全体になった究極の変態ですって!? そんな事言う悪い子は、天に変わってお仕置きしちゃうわよ!!」


 目の前の変態とジェフは店内でそれは見事な大立ち振る舞いをした為、建物内は壮絶な様相になっていた。

 具体的に言うと、ジェフに豪快なタックルをかまそうとしてきた変態に対してジェフは腰の「Vec_or K10」を変態に向かって放ったのにも関わらず、変態は見事に回避した上にジェフに対してウインクする余裕を見せつけられ、何時も冷静な筈のジェフが今回に限っては何故かブチギレて暴れ始めると、変態も大暴れしだし誰も制止するものが居ないため、建物内は当然の如く廃墟になっていた。


「トルーマンちゃん。流石にそろそろ止めにしないかしらん?」


 そう言われたジェフは、機嫌が悪そうに「あぁ?」と返事をしていたが、目の前の変態にまだ壊れていなかった椅子を差し出された事とサブマシンガンの弾が切れた事もあり、停戦に同意することにした。

 イラつきながらも警戒しつつ椅子に座るジェフを見ていた変態は、ジェフに話しかけてきた。


「変態を連打するとは良い度胸ね~、覚えてなさいよん。んんっ、それでトルーマンちゃん、多少はすっきりしたかしらん?」


 名字を言われたジェフは、訝しげながら変態に答えることにする。


「俺もまさか此処まで苛ついてたとは思わなかったわ。多少すっきりしたけどよ、何でテメェは俺の名前を知ってやがるんだ?」


 口調は大分軽くなったが、それでもまだ荒い口調のジェフに対して、変態は壊れていなかったテーブルをジェフの前に置くと、流れるような動作と言う名の筋肉達磨が女性の様な仕草でカウンターまで走っていき、何やら取り出した後、独特の音を立ててあるモノをジェフの前に置く。

 ジェフは一瞬目を見開いて驚いた後、そのモノを手に持って変態に話し掛けた。


「ひと暴れした後で、此処がBARである以上確かにこいつが出て来たら嬉しいっちゃ嬉しいけどよ…テメェ、ホントに何モンなんだ? っ!? キンキンかよ」


 変態に差し出されたモノ、キンキンに冷えた片手で持つ瓶ビールを前に、ジェフは不覚にも喉を鳴らす。

 その様子に、変態が苦笑しながらジェフに話しかける。


「毒なんて入っていないわよん。あなたに飲ませたって意味ないでしょ?」


 そう言って再びウインクをする変態に対して、ジェフは睨みながら答えを返した。


「毒より睡眠薬の方が怖いっつうの!! テメェはどう見てもそっち方面の変態だしなぁ。俺はそっちにゃ興味ねぇぞ。てか、毒なんぞ盛られたら普通に効くっつうの、人を化けモンみたいに言うんじゃねぇよ」


 警戒感全開のジェフに、変態はクネクネしながら答える。


「まあ、出会い頭って緊張するものだから仕方ないわねん。とりあえず自己紹介しておくわね? 私の名前は貂蝉よん。この世界では、管理人をやっているわ」


 自身の事をそう言う貂蝉に対して、それを聞いたジェフは目をつむる。


(やっぱそっち関連ですよね…あの身体能力を見ちまったから疑いようがねぇけど、関わりたくねぇよ…)


 ジェフにとっては、何時もの事と言うほどではないが、あの女に関わってから時折妙な事に巻き込まれるようになった。

 何時もならあの女が何処からともなく襲いかかってくるのだが、今回は毛並みが違い全くと言って良いほど、あの女の気配がなかった。

 ただ、武器のすり替えはあの女がやっているだろうと思っている。

 そんな中、自分から『そっち関係』だと言ってきた目の前の変態、貂蝉もあの女の知り合いか? とジェフは気合いを入れ直して警戒するのだった。

 そんなジェフの表情から警戒を読み取った貂蝉は、少し手の内を明かすことにした。


「安心してと言っても信用出来ないでしょうけど、私達はあの人と関係は一切無いわ。むしろ今、大変な迷惑を被っているわん」


 事態が分からないジェフにとっては相手の知っている事だけが手掛かりなので、黙って貂蝉の話を聞くことにした。


「私達が居るこの場所は…」


 ジェフはとりあえず質問する事無く貂蝉の言葉を要約する事に集中し始める。

 暫くジェフは話を聞いて多少事態を理解することが出来た為、貂蝉に質問がてら要点を話してみた。


「~とよ、この世界は古代中国のIFの話で、IFの内容は歴史上の人物が性転換したらっつう内容の世界。んで、徐栄達は歴史上の人物だっつうこったな? んで、この類の世界はゴマンとあるが、それを貂蝉や貂蝉の仲間が管理人として配置されたんだが、あの女にとんでもない妨害にあったと…」


 ジェフの話にため息をつきながら貂蝉が答えた。


「そう言う事よん。まあ、今回の妨害と言うか上の、あの方、う~ん、呼称し辛いわねん。あの方が、あなたで遊ぶ為にこの世界にあなたを放り込むっていう暴挙をしてしまったわ。この世界は主役が存在しない予備の世界だったんだけど、多分それで狙われたんだと思うわ。他の大多数の世界は、私達が目を光らせているから…」


 其処まで言うと貂蝉は話を切ってため息をつき、ジェフに続きを話す。


「厄介なのは、本来徐栄ちゃん達はこの世界に存在しない子達だって事なのよね」


 そう言われたジェフは、表面上は変わらなかったが内面では驚愕していた。


(おいおい、一体どういう意味だ? それだと貂蝉自身の説明と食い違うぞ? 此処は現実のコピーの筈なんだろうが、だったらあいつらが居るのは普通だろう? あいつらは『歴史上の人物』だっつう事を貂蝉が言ってるんだからな)


 訝しんでいると、何をジェフが言いたいのか悟った貂蝉が説明した。


「さっきの説明の中に一つだけ話していないことがあったわ。それは、この世界の登場人物が限定されているって事なのよねん。そして、その限定された人物の中にあの子達は入っていないのよ。荀イクちゃん以外は」


 混乱こそしていないがジェフは、あの場に確実に存在していると思っていた少女達が存在しないという事に驚愕していると、そのまま貂蝉は話を続けた。


「このままだと、ただでさえ決められた事から逸脱したこの世界が維持できなくなって、自然消滅してしまうわ。ホントにあの方は疫病神としか言えないわねん」


 再びため息をついて話を切る貂蝉だったが、急に真剣な眼差しになってジェフに話しかける。


「ただ、このまま黙って世界を消させるわけには行かないのよねん。この世界は、予備とは言え私達が管理する世界である事には変わりないもの。私達の沽券に関わるから、全力で消滅は阻止するんだけど、このままだととある問題が発生しちゃうわ。トルーマンちゃんが多分嫌がる類の、ね」


 そう言って貂蝉は黙りこみ、ジッとジェフの目を見つめだした。

 ジェフから見れば明らかに、乗ってこいと言わんばかりの態度だが、ジェフも変わらず気の無さそうな態度を強くするために、椅子にふんぞり返った。

 暫くの沈黙の後、折れたのか貂蝉が話の続きをしジェフが中身を理解した時、ジェフは表情を露わにして驚くのだった。


「このままだと徐栄ちゃん達は死ぬわ、あっさりとね。…其処でなんだけどトルーマンちゃん、あなたに一つ頼みたい事があるのよん」


 徐栄達の事で頭を打ったような衝撃を受けたジェフの動揺が覚めぬまま、貂蝉はジェフに頼み事をするのだった。



 今更ながら、新年あけましておめでとうございます。


 年末も三が日もそして今も、想像していたよりも動き続けてヘトヘトです。


 遅くなって申し訳ありませんでした。


 2人目の名前を明かした原作キャラは、今までご覧になって下さった方々の予想通りと思われる『貂蝉様』でした。

 …書いてる本人がまともな進行じゃないと思うくらいまともじゃないですね~。

 ルートごとの主役級3人が、二十話超えても普通に出ない話って他にあるんだろうか…


 などと思ってる作者ですが、読者の皆様も気長にお待ち下さいませ~。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ