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とある兵士と少女達の長い夜4

 第17話です。


 夜が長すぎる!!


 誤字及び改行の修正を行っております。



 徐栄達と合流したジェフは、現在の状況を確認する事にした。


「まあ、良いか。でだ、徐栄。お前何してるんだ? 待機を言ってたと思うんだが?」


 ジェフにそう聞かれた徐栄は、真剣な表情になり答える。


「トルーマン殿のご命令を果たすべく、待機しようと思ったのですが、合流の合図が何なのか分からなかった為、トルーマン殿のご命令に背く事になるのは重々承知の上で、商人共の野営地に近づき様子を探ると、トルーマン殿はその場に居られませんでした。直ぐ近くに、奴隷達の捕らえられた天幕もありましたので、救助を優先してしまいました。申し訳ありません」


 そう言って、深く頭を下げる徐栄に、ジェフは内心でため息をつきながら話し出す。


「まあ、命令違反は以ての外ってとこだが、俺達は軍隊じゃねぇからな。本当だったら、俺が行くまで待ってて欲しかったから何も言わなかったんだが、確かに合流の合図があるのか無いのかは、言っとくべきだったな」


 わりぃな、と逆に謝られた徐栄は、慌ててしまった。

 それを見ていた沙摩柯が、纏めている荷物を指差してジェフに聞く。


「…とりあえず、荷物何処に持ってく? 話は後でも出来る」


 沙摩柯に突っ込みを受けた徐栄が正気に戻り、荷物を自分達の仲間の場所まで持って行く事を沙摩柯に話すと徐栄は、ジェフに頭を下げて作業に戻る。


「…他の奴隷達は、徐栄の仲間のとこに移動した、はず」


 ジェフが、徐栄に聞こうと思っていたもう一つの案件は、沙摩柯が答えた為、ジェフは肩をすくめつつ、徐栄達と共に荷物を纏め始めるのだった。


 ジェフと徐栄、沙摩柯の3人は荷物を5つ程に分け、ジェフが焚き火の火を消していると、徐栄と沙摩柯が荷物を2つずつ持って移動し始めた為、ジェフが呆れながら呼び止める。


「お~い、相変わらず出鱈目な連中だな。荷物、重いだろう? 俺が持ってくから置いてけ」


 ジェフがそう言うが、徐栄がジェフの方へ向き直ると首を振って返事をする。


「トルーマン殿こそ、戦い終えてお疲れのはずです。この様な雑事は、私達にお任せを!」


 そう言う徐栄に、沙摩柯も肩を竦めながら頷く。


「…暫く世話になる。これ位は、ね」


 そう言うとサッサと移動し始めた為、ジェフは大袈裟にため息をついた後、焚き火の残り火で作った松明を片手に徐栄と沙摩柯の前を歩いて、夜道を照らすのだった。


 ジェフ達が、自分達の野営地跡近くに移動すると、更に奥へ進んだ所に光、焚き火の火が見えた為に、そちらへ移動するとまたもやジェフはガックリしながらため息をついた。


「あ、オジさん!! お帰りなさい!!」


 徐晃が、待ってましたとばかりにジェフに挨拶をすると、一斉に挨拶をする少女達と、見知らぬ男に脅える少女達の2つのグループが出来ていたのだ。

 そう『2つ』出来ていたのだった。


「まさかとは思うんだが、奴隷は…」


 驚きに近い目をしたジェフが、ギシギシと音が聞こえそうな程に、ゆっくりと徐栄の方へ向き聞くと、ジェフにとってまた聞きたくない話を耳にした。


「はい、彼女達全員が奴隷だった者達です。と、トルーマン殿!? ど、どうかなさいましたか!?」


 ジェフは小声でMon Dieuと呟き天を仰ぎ、徐栄はまたしても慌てふためくのだった。


 気を取り直したジェフは、徐栄に荷物を運ばせ李儒に荷物の再整理を頼むと、沙摩柯に向き直って現在の調子や痛みがあるかなどを聞いてみた。


「…特に問題は無い、かな。どうしてそんな事聞くの?」


 不思議そうな顔をする沙摩柯に、ジェフはおどけながら答える。


「せっかく助かったのに、怪我が病気で死んじゃつまんねぇだろ? それだけさ」


 ジェフがそう言うと、沙摩柯は、そう、と一言言って黙ってしまった為(その代わりに物凄く凝視されているが)、とりあえず他の少女達になるべく脅えられないように、姿勢を低くしながら、少女達の問診と直診をし必要なら傷薬や痛み止めなどを処方する。


(医学の専門知識をもう少し仕入れておくんだったな。後悔先に立たずとは、よく言ったもんだ)


 少女達に治療を施していると、ジェフは背後に今まで感じた事の無い気配を感じ、直ぐさま振り向くと汚れて見える布を顔に巻きつけた少女が、ぺたんと尻餅をついていた。


「あ、あぁー!?」


 少女と目が合った瞬間、少女が叫び出す。

 恐慌状態に陥ったのかと、ジェフは内心で舌打ちをしつつ、量的にも相手の為にも余り使いたくなかった鎮静剤を飲ませようとするが、少女が大暴れしだしたので、仕方なく気絶させる為に当て身を食らわせると、少女は大人しくなったが…


「てめぇ!! 何しやがる!!」


 後ろから、目つきの悪い少女が突っ込んで来る。

 それを見たジェフは、呆れながら横にステップを踏んで少女を回避すると、突っ込んできた少女がそのまま地面に倒れ込む。


「やれやれ、元気なこった」


 左手で頭を掻きながら、右手は腰に置いて立っているジェフを、倒れ込んだ少女が怒りの表情で睨みつけていると、何時の間にか現れた沙摩柯が、少女の横に立つと痛々しい音が聞こえそうな勢いで、少女の頭頂部に拳を振り下ろしていた。


「~っ!? いって~、沙摩柯!! 何すんだ~っ!?」


 有無を言わさず、沙摩柯は再び拳を少女に叩き込み悶絶させると、ジェフに向き直った。


「…悪い。トルーマン、大丈夫?」


 沙摩柯の言葉に、何てことねぇよと言いながら、右手を左右に振るジェフを見た沙摩柯は頷くと、少女に向き直る。


「…何平、私達や月英の命の恩人に何してる」


 何平と言われた少女が、ジェフに指を差しながら沙摩柯に食ってかかる。


「だってよぅ!! こいつ、月英を傷つけやがったんだぞ!!」


 そう言う何平に三度拳を振り下ろした沙摩柯は、大人しくなった何平の頭を掴んで、月英と呼ばれた布で顔を隠した少女の下へ引きずり出す。


「…もし、トルーマンが何もしなかったら、月英は死んでた」


 な、何を、と言う何平に沙摩柯は舌を出して、舌に指を差した後、話を続ける。


「…あの状態が続けば、舌を勢いで噛んでた。だから、トルーマンは気絶させた。判る?」


 沙摩柯の言葉を理解できたのか、何平は震えているが、何も言おうとしなかった為、四度拳を振り上げた沙摩柯の腕をジェフは掴んで止める。


「…どうして止める?」


 首を傾げる沙摩柯に、ジェフは首を振った後、沙摩柯に言う。


「腹減ったから、何か食わねぇか? 俺ぁ腹減ってなぁ」


 そう言おうと、ジェフは月英を指指すと、何平を脇に抱えると暴れる何平と共に焚き火の下に移動していった。


「…甘い奴」


 沙摩柯はそう言うとクスリと笑みを浮かべ、月英を抱えて焚き火の下へ移動するのだった。



 新キャラ紹介話、如何でしたか?


 沙摩柯が誰かに似てる気がする…


 まあ、良いかな…(-_-;)



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