■泣き虫返上？男子高校生と魔王社長 編
名前 ：
基本スペック ： 黒髪黒目、日本人、性別オス。（他非公開）
称号 ： ラーメン屋店主（屋台）
異世界放浪者（自動）
不思議ラーメン製作者（自動）
--------------------
俺は素敵なラーメン屋さん
--------------------
「あぁー！ ラーメン屋さんだぁー！！ おにーさん！ おひさしぶりっす！！」
「おーぅ、久しぶりじゃねぇか。その後どうよ？ 泣き虫高校生」
「な、泣き虫とかそんなデカイ声で言わないでほしいっす！」
「しゃーねぇべ。餃子食いながら号泣してたのは忘れられない光景だったんだからなぁ」
「ひぃー！ 勇者になった事に並ぶほどの黒歴史！！ 恥ずかしすぎる！」
「今日はどうする？ 食ってくんだろ？」
「あぁー……。そうしたいのは山々なんっすけど、無理、かなぁ……」
「無理？ そりゃまたなんでだ？」
「や、今、ちょーど魔王倒したところだったんっすけど。真の黒幕は別にいて、とか、そういう山場なんで……」
「……そりゃ、あれだな。なんつーか、スマン」
「今まで不眠不休でここまで来たんで、ホント食いたいんすよ！ ほんとに！ 切実に！ しかも、最後の食事が携帯食で味気もない干し肉と水とか、もう……働きたくない！ って思っちゃうような粗食だったもんで……」
「そりゃ大変だったなぁ。なんつーか、ボロボロになってっし……。うん、やっぱ、お前食ってけ、ラーメン。学割しちゃるから」
「え！？ 学割とかあるんっすか！？ ……じゃなくて、え？ 今の話聞いて食えってまさか言われるとは……。しかも、今まさに、大魔王との決戦の地へ赴こうとしてるこの雰囲気の中で……？ ……さすが空気の読めないラーメン屋さん……パネェっすね！」
「お前……割り引きしねぇぞ！？ まあ、なんつーか、ここが魔王城ってのはわかってる。前に来たことあるしな。たぶん、もそっと前の魔王の代のときだと思うんだが」
「は……？」
「ん？」
「え？ 意味がわからない！！ 魔王城に何の用があって来たんっすか！！！ どうせ屋台で来たんでしょうけど！！」
「もちろん、ラーメン売りにだけど。それ以外俺がここに来る用なんかあるわけねーだろ。勇者じゃあるまいし」
「やっぱそうだったぁあああ！！ ていうか、魔王城に！？」
「魔王城に」
「なんで！？ 誰がラーメン食ってたって言うんすかぁあ！？」
「誰って……魔王が。いやぁ、アイツ、しょうゆラーメン（麺柔らかめ）が好きでなぁ。よく来てたんだけど、最近会わねぇなぁって思ってたんだよなぁ。そこでボロボロになってプルプル震えてる魔王さんは知らねぇヒトだから、……たぶん先代とかじゃねぇかな」
「ぇええええ！？」
「ちなみに、先代の魔王って、どうなったか知ってるか？ 久しぶりにしょうゆラーメン食わしてやりてぇんだけど」
「……知ってる？」
「勇者よ、何故、余に振る……！？」
「や、魔王のことは魔王に聞いた方がいいかなって……」
「……その者が言うことが事実かはわからぬぞ。何しろ、余が魔王となったのは500年は昔の話だ。その者、どう見ても短命な人間であろう。先代と出会えるはずがない」
「……お兄さん！？ どういうことなんっすか！？ わけわかんないっす……！！」
「そうかぁ？ 俺はただ、ラーメン食いたいっていうお客さんのところに向かって屋台引いてるだけなんだけどなぁ」
「だけ……？」
「あ、もしかしてよ、真の黒幕って、先代のその魔王だったりすんじゃねぇの？ しょうゆラーメン（麺柔らかめ）好きな、味つき玉子入ってないと半泣きになる、アイツだったりしたら笑えるな！！ はははは！！」
「味つき玉子好きなんですね、先代の魔王って……。オレもしょうゆラーメン好きっすよ！」
「！？ 人間、何故それを……！？ ……いや、味つき玉子の話ではなく、大魔王様のことだが……」
「んだよ、ビンゴかよ。なんつーか、今までバリバリ働いてた社長が、後継者が育ったからっつって社長の座を譲って会長職につく、みたいなノリで言ってみただけなんだけどな」
「ああ、社長と会長の関係っすね。頭上がらなさそうですねぇ。身内とかだったら更に」
「……そうだ。大魔王様は、余の、父だ。何故そこまでの情報が貴様ら人間に筒抜けになっているのだ！？」
「いや、まあ、普通に考えればそうかなっていうだけっすけど。てか、そっかぁ……。ある意味、魔王も中間管理職に近い感じ？ あ、でもそれじゃ社長っていうのもアレかなぁ。専務くらい？ でも、魔王なのに専務って言うのもかわいそうだし、やっぱ社長かな」
「あー、もう、めんどくせぇ！ ほら、しょうゆラーメン作ってやっから、とりあえず食え食え！ 話はそれからだ！」
「あ、味つき玉子も乗せてほしいっす！ 話聞いてたらスッゲー食べたくなった！ わー！ 久しぶりだなー、ラーメン！！！ ラーメン！ ラーメン！」
「魔王社長も食うか？ コイツと同じでいいよな」
「なんなのだ！？ 『まおうしゃちょう』とは、一体どういう意味なのだ！？ おい、勇者、何をのんきに食っている！？」
「あれ？ おにーさん、なんか傷が消えたんっすけど、これってラーメン効果っすか？」
「そゆことー。まあまあ、魔王社長もほら、食えって。そんなボロボロじゃ話もできねぇだろ」
「は！？ 何を言っておるのだ、貴様らは！？」
「せっかく頑張って倒したけど、まあ、ラーメン好きな大魔王会長とならなんとなく話しは通じそうだし、回復しちゃってくださいよ。マジうまいんっすよ、これ！ 餃子も貰っていいっすか？」
「は！？ なんなのだ！？ ぎょーざ！？ だいまおうかいちょう！？」
「はいはい。いいからいいから。食え食え！ 麺がのびるだろ！ 無理してコイツみたいに箸使わんで、フォークでいいからな。ちなみに、先代はパーフェクトに箸を使いこなしていたけどな！」
「大魔王会長すげぇー！ 早く会ってみたいなー！」
「そんなワクワクした顔で大魔王様に会いたいなどと、勇者が言うなーーー！！」
「さてさて。んじゃ、俺も泣き虫くんについていって、久しぶりに会ってみっかぁ。
俺は常連さんを大事にする
『誠実な素敵ラーメン屋さん』
だからな！」
「やっぱここの餃子うめー！！！」
「……う、うまい、だと……！！？ こ、こんなものが、こんなものが……！！ はふはふ！！」
end
------------
泣き虫男子高校生：
種：人間（平行世界：地球（日本国）産。オス。年齢：１７）
称号：
猫舌（軽度）
異世界トリッパー（帰還可）
箸マスター
男子高校生
泣き虫高校生（返上）
勇者（魔王討伐：済 大魔王討伐：？）
餃子大使
味つき玉子好き（軽度）
魔王社長：
種：魔人（平行世界：ウォレイ産。オス。年齢：数えていない）
称号：
魔王（敗者）
魔王社長（会社のダメージ（中））
箸修行者
ツンデレ（軽度）
しょうゆラーメン好き（LOVE）
人間文化研究者（食品）
餃子大使
味つき玉子信者
--------------------------------------
蛇足）
泣き虫男子高校生、勇者として魔王城にて魔王との決戦直後。
お互いボロボロだけど、一応勇者勝利。
大魔王様はまた、次回ー☆
そういえば、勇者君の仲間は魔王城にはつれてきてません、っていう設定です。いいわすれて（言わせ忘れて）ました・・・・・。
