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■塩好き宇宙人 編

名前 :


基本スペック : 黒髪黒目、日本人、性別オス。(他非公開)


称号 : ラーメン屋店主(屋台)

    異世界放浪者(自動)

    不思議ラーメン製作者(自動)



--------------------

俺は素敵なラーメン屋さん

--------------------








「お、はじめてのお客さんだな、らっしゃーい」


「ここって、なんの屋台?」


「美味しいラーメン屋さんだよ」


「ラーメン! 地球っていう星の小さな島で食べたよ! そういえば、店主のような容姿の人間ばかりの集落だったかなぁ」


「おぉ、そりゃたぶん、日本だなぁ」


「ああ、そうそう! 確か昔はそう呼ばれていたとか。それにしても、地球のアンテナショップのある銀河系ならともかく、こんな辺境の開発中の星でラーメン屋台があるなんて、なんだかすごいねぇ」


「お客様がいるならどこにでも行くからな。さて、お客さんラーメン、食っていくかい? アンタのそのたこみたいな体型じゃ、フォークの方がいいか」


「地球でもフォークとレンゲで食べたんだよ! 美味しかったなぁ……懐かしいなぁ。よし、食べて……いや、やっぱり……やめようかな……」


「ん? どうした? なんか気にいらねぇことでもあったか?」


「いや、この店が、ってわけじゃないんだよ。……実は、話せば長いんだけれど……その地球で食べたラーメンは、塩ラーメンだったんだ」


「ほぉ」


「地球の人が食べさせてくれたんだけれどね。袋から硬くなった麺と、個別包装された袋からスープの元を出して、湯で煮るだけの簡単なラーメンだったんだ」


「そりゃあれだな。インスタントラーメンだな。しかも、袋ラーメン。どこのメーカーだろうなぁ……」


「食べてみたら、……すっごく、すっごく!! 美味しかったんだ!!」


「ああ、わかるわかる。袋ラーメンだったら塩ラーメンが一番好きだなぁ、俺も」


「で、塩味ってすごく美味しいんだ! って思って、地球を出た後も塩のスープのものをいろいろ食べてみたんだ。地球以外にも塩を調味料に使っている種がいるからね」


「へぇ~!」


「でも、ダメだったんだ!」


「……うん?」


「あの、地球で食べた袋に入った塩ラーメンを超える塩スープの食べ物には、出会えなかったんだ!!!」


「あー……。うん、それ、なんか、故郷のダチが言ってたのに似てんな。塩ラーメンで袋ラーメン以上に美味しい店を見つけんのは難しいとかなんとか。個人の嗜好の問題なんだろうがなぁ……」


「だから、またがっかりするのも悲しいし、せっかくだけど……あぁ、でも、すごく美味しい成分を感じるよ……食べたい……いや、だけど……!」


「美味しい成分……? あぁ、匂いがそういう感じになるのか、もしかして。まあ、そういうことなら、俺が一杯奢るよ。美味かったらまた寄ってくれりゃいいからよ」


「え!? でも、そんな……こんな何もないところで屋台引いているんだから、経済的に厳しいんでしょう?」


「いや、全然。 結構金払いのいい客もいるしな。気にせず食ってけよ!」


「それじゃあ、……し、塩ラーメン、一つ!」


「あいよー! ま、座って待って……つっても、椅子ちいせえな、アンタが座ろうとすっと」


「あ、いいよいいよ、このままで。ぼく達の種って、この状態が一番楽なんだ。10本の足で身体の重さ支えてるし、二足歩行の種と違って無理な体勢ってわけでもないからね」


「やっぱ、世界は広いなぁ。とか言ってる間に、はいよ、塩ラーメンいっちょーぅ。おまちぃ!」


「わぁ……! すごい、スープがキラキラしてる! 麺もキラキラしてるよ! 袋のラーメンとは違うんだねぇ……! 透き通ってる!!!」


「まぁなぁ。ささ、ずずっといってみてくれ」


「うん、じゃあ、……」


「どうだ?」


「……これは!!!」


「ど、どうした? なんか、体から湯気っぽいものが出てっけど……不味かったのか……?」


「これは、塩スープなんて簡単に呼んでいいものじゃない……!」


「……は?」


「これは……、これはっ!!! ……『お塩様』だよぉおおおお!!!!」


「おぉ……? そんな名前の神様が日本にいたような……ああ、ちがった、ありゃ おしら様だったっけか」


「美味しい! 美味しい!! 美味しいー!! うまみが濃厚! あっさりっていうか味気ない塩スープばかりだったから、なおさら、この深い味わい成分がすばらしく感じるよ! 塩って、ここまで深いんだ……!」


「喜んでんだろうなーってのはわかるんだけどよ、アンタ、なんか紫色の液体が滲み出て……いや、まあ、いいか。白い身体に紫って、めっちゃ えるなぁ……」


「おいしーぃ!!! 毎日食事しなくてもいいんだけど、毎日食べたい!! ねえねえ、うちの船団の料理人にならない!?」


「いやぁ、これでも俺、


  『超人気者なラーメン屋さん』


だからなぁ。一所ひとところにゃぁ、とどまれねぇんだわ」


「大丈夫! 僕の船団、宇宙に類を見ない程に色んなところに行ってるから、どんなところにも連れてったげるし!」


「いや、自分で行けっから。ああ、でも、年食ったらまた誘ってくれや」


「えー。今がいいのにー!」


「アンタの身体からでてる紫の液体が、……なんか甘い匂いしてんだけど、それ、何なんだ……?」





end


-------------


塩ラーメン信者宇宙人(色白タコ型):

種:地球外生命体(平行世界:名称不明世界(パシヴァ銀河系ウェル星)産。年齢:不明)

称号:

 ロウェール船団団長

 お塩様信者

 地球マニア(中級者)

 パシヴァ銀河の撃墜王


--------------------------------------

蛇足)

袋ラーメン塩味うまうま。

あ、他の味も好きですよ。

お塩様の「お」を、「御」にすると、ちょっと前話題になった人のようですね。


種が地球外生命体なのは、一応店主が地球人だから。(べ、べつに、どう書けばしっくりくるのかわからなかったからじゃないんだからねっ!)

ただし、店主の生まれた世界とは違う世界です。


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