■ 国を追われた前向きお姫様 編
名前 :
基本スペック : 黒髪黒目、日本人、性別オス。(他非公開)
称号 : ラーメン屋店主(屋台)
異世界放浪者(自動)
不思議ラーメン製作者(自動)
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俺は素敵なラーメン屋さん
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「これは……いったい何なんですの? こんな森の奥深く……小屋、に人? 魔物の類では……ない、の、かしら」
「へいらっしゃーい! 黒髪美人のお嬢さん、一人かい? 好きなとこに掛けてくれよ。高そうでやたら裾まわりがかさばるドレスだなぁ。ちと座りにくいか……」
「いえ、そんなことはございませんわ。森を歩き続けてクタクタでしたの。申し訳ないけれどお邪魔させていただくわ。あら……なんだか、いい香りね。嗅いだことのない、けれど、食欲をそそる、香ばしくて、塩気の中に甘みのある……」
「お、気になるかい? 今ちょうどチャーシュー仕込んでたんだ。醤油のいい匂いがするだろ」
「ちゃーしゅー? しょうゆ……」
「味見してみるかい?」
「え!? でも、ご商売の大切な品なのではなくて? いただくわけには……」
「そんなに気にするほどいいところ食わしてやるわけじゃなし。ほら、端の方をちょっとだけさ」
「……しょうゆは、ソースの名前なのね。チャーシューがこの肉料理の名前、なのかしら」
「はいよ、フォークと、水も。醤油だけじゃなく色々入ってるから、口に合わなかったら言ってくれていいぞ!」
「では……、ん! あら、あらあら!! なんて美味しいのかしら!! しょっぱくて、お肉の甘みがあって、でもそれだけじゃない、脂身のまろやかさと……、いいえ、わたくしは、そんなことが言いたいんじゃないわ。美味しい、これは、とても、美味しいしょうゆのチャーシューですわ……!!」
「お、おぉ、そりゃよかった! って、お嬢さん、なんで泣いてんだ!? 喉に詰まりでもしたか!?」
「いいえ、いいえ! 違いますわ!! わたくし、王位を狙う身内に陥れられ国を追われ、彷徨い歩いて、もう『おしまい』だと思いましたの。でも、ご親切にも見も知らぬ女を休ませてくださり、大切なチャーシューを食べさせてくださり、わたくし、『おしまい』とはいったい何だろうと……」
「お嬢さん、どっかの国のお姫様かい?」
「今は違いますわ。先程まで、悲嘆にくれて、何かを恨んだ気持ちまでありましたの。でも、今はわたくし、とってもすがすがしい気分! 店主さまと、チャーシューのおかげね。考えてみれば、毒を盛られたり、暗殺の心配をしなくていいなんて、なんて自由なのでしょう」
「ど、毒……暗殺……お姫様って、こう、ふわふわしてたり、おほほほほ! みたいな感じなんじゃないのか……? こわっ! 権力怖っ!!」
「あの、店主さま。不躾で申し訳ないのですが、こちらの屋台は、人手は足りておりまして?」
「ああ、俺一人で十分だなぁ」
「そうですわよね。初めてお会いした店主さまを頼って申し訳ないのですけれど、わたくしを雇ってくださるような方にお心当たりはございませんか?」
「なかなかアグレッシブなお姫様だな! そういう前向きなヤツは嫌いじゃないぞ。うーん……そうだなぁ……、あぁ、ちょうどいいやつらがいたわ! この森をもう少し入っていくとな、大きな作業場があるんだ。確か、石を掘ってるんだったかな?」
「作業場、ですか」
「そーそー。で、そこで働いてるやつらに昼ちょいと過ぎにラーメン届ける予定なんだけどな、家事やらなんやらの手伝いを雇おうかって話しをしてたんだ。ついこのあいだの話だからな。まだ雇っていないようなら頼んでみるかい?」
「まぁ! ぜひ! ぜひに!!」
「そうと決まりゃぁ、お姫様、手伝ってくれよ」
「よ、よろしいんですの!?」
「ああ!もちろん!なんてったって俺は、
『良い子の涙には弱いラーメン屋さん』
だからな!
頑張る子は応援するぞ!」
「お姫様、なかなか手際いいな」
「わたくし、薬師の免許を持っておりますの。こういった調合に似た作業はとっても好きですわ。店主さまの調合の割り合いも、完璧にマスターいたしました!」
「そりゃすげぇ! 相手の好みや材料の状態、天候なんかによっても応用できるようになれば一人前よ!」
「わかりました! 頑張ってみますわ! さ、出来ました。ええと、チャーハン7人分!」
「こっちもラーメン7人前完了だ。よし、じゃあ、行くか!」
「はい! どんな方たちなんでしょう……」
「安心しな! 優しい陽気なヤツラさ!」
end
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国を追われた前向きお姫様:
種:人間(平行世界:マストラ(黒国)産。メス。年齢:15)
称号:
黒国第1王女(元)
チャーシュー好き(研究者)
料理人(研究者)
薬師( マスター級)
味噌ラーメン好き(味噌から作るレベル)
求職者(切実)
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蛇足)
お姫様は白い肌に黒髪がよく映える美人さん。




