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■辺境森の虎人 編

名前 :


基本スペック : 黒髪黒目、日本人、性別オス。(他非公開)


称号 : ラーメン屋店主(屋台)

    異世界放浪者(自動)

    不思議ラーメン製作者(自動)



--------------------

俺は素敵なラーメン屋さん

--------------------




「へい、らっしぇ~い」


「……屋台? 何故このような辺境の森の中に……」


「お客さん、ラーメンはじめてかい? ラーメン初体験割引っつうのがあるけど、どうする?」


「初体験、割引?」


「おうよ。最近ラーメンどころか箸すらはじめてっつう外人さんのお客さんが多いんでね。そういうお客さんにゃあ、初回は半額にしてんのさ」


「ほう。確かにラーメンも箸も聞いたことはない。それにしても半額とは……親切なことだな」


「んなこたねぇよ! また食いに来てくれる長い付き合いになるように、ってな下心ありありなサービスだって」


「なるほどな。ならば、ラーメンとやら、その初回割引を使って一つもらおうか」


「はいよ。ところでお客さん、その頭についてる耳は本物かい?」


「耳? ……勿論だろう。なんとも不愉快なことを聞く御仁だ。見てわかろうが、俺は虎族 ゆかりの獣人だ。人間のものとは確かに形は異なりはするが本物に決まっているだろう」


「いやあ、アンタ世間知らずだなあ。獣耳なんざ、最近はファッションで着けてる人間がいるくらいだぞ」


「なんと!? ファッションで!? そんな馬鹿な……。獣人といえば人間にとって排除すべき対象とされてきたというのに……」


「そうなのか? ああ、でもま、アンタみてぇな見るからに武人ってぇ男がつけてんのは……、あ、いや、いたな、客で。今流行の、萌えってぇやつだな」


「……ふむ。その萌えとやらがよくわからんが、なにがしかの合言葉なのだな」


「合言葉……まあ、そんなもんだな」


「しかし、何故突然耳を確認した? 人間族の料理は獣人には出せない、と?」


「んな殺気立つなって。誰だろうが、うちのラーメン美味しく食ってくれる客なら邪険にゃしねぇよ。俺が言いたいのは……」


「なんだと言うのだ」


「うちのラーメンは熱々なんだが……アンタ、大丈夫か?」


「……。……と」


「と?」


「取り皿を一枚いただこう」


「やっぱ、猫舌だったか……」


「いや、猫族ではなく、虎……」


「熱いのダメなんだろ?」


「……少し冷ませば、食べられる」


「伸びるっつうの! ほら、取り皿と、しょうゆラーメン一丁おまちぃ! ……と、フォークな」


「……あづっ!!!」


「取り皿意味無ぇえ!! ちくしょう、この



  『親切なラーメン屋さん』



の名が廃る! 次回はつけ麺用意したらぁ!!」


「それは、熱くないのか……?」


「熱く……ないこともない! が、たぶん大丈夫だ!」


「……あづい……。しかし、止まらん……」




end


------------



辺境森の虎族獣人:

種:獣人(平行世界:オスマ(カオカ国)産。オス。年齢:40)

称号:

 猫舌(重度)

 虎族の戦士

 箸の修行者

 逃亡者


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蛇足)

メンマ好きの王様の世界とは違う世界です

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