■ 森の中の金色魔女 編
名前 :
基本スペック : 黒髪黒目、日本人、性別オス。(他非公開)
称号 : ラーメン屋店主(屋台)
異世界放浪者(自動)
不思議ラーメン製作者(自動)
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俺は素敵なラーメン屋さん
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「おーい。来たぞーぃ。いつものでいいかー?」
「あらまあ、時間通りですわね。お待ちしておりましたのよ。 今降りますわー」
「気をつけろよ! あぁ……いつみても危なっかしいな。なあ、その高さの塔の上から縄梯子で降りてくるの、止めねぇか? ちゃんと階段使えよ」
「いやですわ、店主様ったら。あの階段は上からも下からも入り口が塞がれておりますし、もう数百年も前から使われておりませんのよ。入り口を開けたとしても老朽化が進んでいて、きっと危ないに決まっておりますわ」
「いやいや、風に煽られる縄梯子のほうが危ねぇっての。ドレスの裾をばっさばさひるがえして、高い塔の窓から颯爽と縄梯子で降りてくる女ってのは、なんていうか、見てる側からすりゃ酷いホラーなんだぞ」
「外敵が入って来難い作りで気に入っておりますのに。それに、以前言われました通り、風に煽られぬよう髪はきちんと三つ編みにしてくくっておりますわよ! ラーメンを食べるのが楽になるように、という準備でもありますけれど……」
「塔に入る唯一の入り口がてっぺんの窓とか、そりゃ空飛ぶ敵以外は入れんわな。でも、住み難いことには変わりはない。塔の天辺まで行けるにゃ行けるが、屋台が入らねぇからなぁ」
「あら、店主様は空でも飛べるの?」
「飛べるわけない。……よし、出来たぞ。塩ラーメン野菜大盛り豚角煮乗せ、おまちぃ!」
「まぁああああ!!!! なんて芳しい!!! うれしいわぁ! この香りだけで『うーまーいーぞー!!』と叫びたくなりますわね! まぁまぁ! 角煮の照りも美しいわ!! さっそくいただきますわね!」
「おぅ、食え食え! ここまで喜んでもらえるなら、来た甲斐があるってもんだな。……それはそうと、あんたのそばにいつもいる、あのクマのぬいぐるみのおっさんはどうしたんだ?」
「ああ、彼ね。彼なら、わたくしの魔法薬に使う薬草と水をとりに行ってもらっているのです。お会いになりたかったかしら?」
「まあ、その後の様子も知りたかったしな。あの呪いのこともあるし」
「うふふふふ。わたくしが彼にかけた『呪い』がそう簡単に解けるわけがなくってよ。とはいえ、店主様のラーメンを食していたならすぐに戻れていたかもしれませんけれどね。我ながら、何物も食すことのできないぬいぐるみへと変じさせたのは最良であったと思っておりますわ」
「実験に失敗して倒れたあんたを助けるために、どこにいるかもわからん俺を探しに走り回ったのはアイツなのになぁ。不憫すぎる……」
「……あの時のことはとっても感謝しておりますのよ。店主様にも、……もちろん、彼にも。ですから、彼には月の出る夜は元に戻れるようにと、『限定的に』呪いを緩めてあげましたのよ。なんて親切な魔女なのかしら、わたくしったら!! といっても、あのみっともない姿からきちんと戻れる日など、来はしないのですけれどね」
「ほほぅ。……この世界じゃ月が出ない夜は無いよな」
「ごふっ! げふっ!! め、麺が鼻に……! な、何が言いたいのかしら……!?」
「天下の『冥界の金色魔女』も、あれだけつくされりゃぁ、ほだされるってもんだよな」
「わ、わたくしは別に他意などありませんわ! そ、そう! クマのぬいぐるみの姿では、実験を手伝えないことも多くて! だから仕方なく!」
「角煮もっと食うか?」
「いただきますわ!! ……ではなくて、店主さまっ!」
「いつか二人で並んでラーメン食ってくれりゃぁ、俺はうれしいけどな」
「……よ、夜に来てくださればよろしいのに」
「いやぁ、俺ってば
『空気の読める独り身のラーメン屋さん』
だからなぁ。
イチャイチャしてるところに突っ込んでったら気まずいだろ。……何よりも俺が!!!」
「イチャイチャなどしておりませんわ!!! なぜわたくしが彼となど!!!」
「餃子食うか?」
「いただきますわ!!!!」
「それにしても、ぬいぐるみのおっさんのペンダントの中身の姿絵。あれ、誰が描いたんだ? なんか、美化っていうか、キラキラっていうか、少女漫画チックっていうか……」
「ああ、あれは、彼がわたくしの肖像画として描いてくれたものですわ。わたくしにそっくりでしたでしょう?」
「……若作りしてんだな、アイツの前では」
「……店主様、その鍋の中に魔法薬ぶっこみますわよ……!?!?」
「ごめんなさい!!!」
end
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若作り森の金色魔女:
種:悪魔族(平行世界:ルナ産。メス。年齢:不詳)
称号:
森の金髪魔女さん(若作り)
ツンデレ(発病)
塩ラーメン好き(教官)
豚の角煮好き(信者)
冥界の金色魔女(他称)
ものぐさ(年季入ってる)
ぬいぐるみ好き(こっそり)
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蛇足)例のクマのぬいぐるみ続編(?)
呪ってくださった相手にラブなクマのおっさんでした。