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第3曲『家族』

それにしても何だったのか…あの夢は。

随分おかしな夢だった気がする。

ユウは今さっき見た夢を思い出そうとした。

しかし、曖昧にしか思い出せない。

『そうだ…、確か車に乗ってたような…』

結局、ユウの思考はそこで止まってしまった。

教師の

「起立!」

の号令で周りが騒がしくなったからだ。

これで今日の授業は終わりである。

ユウは、一緒に帰ると言っている女の子をすりぬけ、友人の“勉強会”も上手く躱してバイト先に向った。

ちなみにこの勉強会、名前ばかりで専ら集まって飲み会を開くだけらしい。


バイト先のガソリンスタンドでの仕事を終えて、家路に着いたのは既に11時をまわっていた。

その帰り道、ユウは不思議なものを目にする。

いつも通り過ぎる普通の空き地、しかし、今日は何故か明るい。光り輝いていると言ったほうが正しいかもしれない。『珍しい、花火か?』ユウは訝しがりながらも、その時は特に気に止めずに通り過ぎた。



花火にしては光が大きかった事、人の気配はおろか、通常聞こえるはずの花火の音すらしていなかった事に気が付いたのは、家に帰ってからだった…。

「ただいま…」

ユウは呟いた。

ユウは一人暮し、

「おかえり」

と言ってくれる人は誰も居ない。

家族は小さい時に事故で死んでしまった“らしい”

と言うのも、ユウが家族について何一つ覚えて居ないからだ。

必死になって思い出そうとしてみるのだが、何故か激しい頭痛がして、思い出せない。

家族に関する記録…

写真や日記なんかも、全く残っていない。


結局、生活して行くためにはひとまず両親の事は置いて、働くしかない。


ユウは、家族が欲しかった。

ゆっくりとくつろげる居心地の良い居場所が…。

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