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プロローグ 

これから少しずつ書いていきたいです。

頑張ります。

「許さない、アンタを絶対に許さない!!

何が最強だ、何が希望だ!!嘘つきめ!!」


荒れ果て燃え盛る森に怒りと憎悪に塗れた声が響き渡った。


故郷を焼かれ、家族と友を亡くした青年の水色の瞳は黒を纏う男を睨んでいた。


その目を向けられた男は何も言わずに俯き微かな声で


『すまない……』


たったそれだけを口にした。

青年の目は血でも溢れ出しそうに血走り拳を握りしめていた。


「それだけ?それだけか!?

故郷を焼かれ、友も失い、家族を奪われた俺に…

掛ける言葉が、それだけか!!!

来るって言ったよな?助けに来ると!なのに…

アンタは来なかった!来なかったんだ!!!」


青年は膝を地につき絶望した様に蹲った。

自身の力不足と、信じていた者に裏切られた事実に…

灰にまみれた土を掴み握りしめた。


「は、はは。結局はアンタも部族民である俺達を見下してたわけだ。同じ大陸の…仲間だと言ったのは嘘だったわけだ。

騙されたよ、アンタも結局王国の人間てわけだ!それなのに、俺はそうとも知らずに…

あは、あははははは!!」


顔を空へ向けた、黒煙が流れる空を流れる涙を拭いもせずに枯れる喉も気にせずに。


その様を見ていた男はこれ以上、見ていられないとでも言うように背を向けた。


『すまなかった、本当に、すまなかった…』



この日、大陸からとある部族が消えた。

多くの戦で勇敢に戦った彼等は…この日を境に姿を消した。


・・・一人の青年を残して。




——あれから3年…



浅い眠りの中、どこからか声が聞こえた。

鳥の鳴き声と目蓋の上からでも明るさに朝が来たのだと知る。


「—…!もう!そろそろ起きてください!」


勢いよく布団が引っ剥がされ眉間にシワが寄る

寝ぼけ眼のまま声のする方に目を向けた。


「ああ?なんだ、ジャンか…」


よく見知った茶髪の男がいた、声の主はコイツか。

もう一眠りしようと布団を上げようとした手を抑え込まれ近くで叫ばれる。


「ジャンか…じゃ、無いんですよ!

今日からですよ!早く支度してください!

アッシュさん!」


げんなりした顔で見上げ気にせずもう一度布団を上げようとした。


「俺は行くなんて言ってない…」


ベッドに脚をかけ乗り上げまま布団を掴かんできた。

睨みつけるとジャンは茶色の目を燃やしながら眉を寄せた。


「何いってんですか!

仕方ないでしょう?……王命ですよ、王・命!」


布団の取り合いを子どものように繰り広げたあと面倒になりパッと手を離すとジャンは転げ落ちて行った。


「うっわぁっ!?」


間抜けに転ぶジャンを横目で見て鼻で笑いながら支度をし始めた。



 一週間前、俺は王城に喚び出された。

懐かしさすら感じるこの白亜の城は、正義を語る純白と落ちることのない不朽の王国の象徴だと誰かが言っていた。


・・・あの日から騎士団には顔を出していない。

冒険者ギルドで小金を稼ぎふらふらと過ごしていたのでそれを咎められるのだと思っていた。


そろそろ何かしらの罰でも受けた上で騎士団から追い出されるだろうと思っていた。


扉をくぐり大広間に入ると一斉に重鎮達がこちらを見ていた。


その中央の玉座からこちらを見下ろす目は以前と変わらない様に見える。

臣下を見る目…いや、俺に対しては…

まるで放蕩息子を見るような目でいつも見ていた。


長く後ろに流された白髪に、全てを見透かすような緑の目。

長く、戦場には出ていないと言うのに鍛えられているのが遠目でも分かるほどだった。


その王がどんな罰を言い渡すのかと特に気負うこともなく待っていると

命じられたのは王都のお上品な貴族の坊っちゃん達が通う学校に臨時講師として送り込まれることだった。


「臨時…講師……俺が?

ハッ、部族民の出である俺にか?

言うことなんて聞かないだろ。アンタら貴族様は

特にガキのおもりだって?無理だ。」


鼻にかけて嗤いながら大広間を規律正しく埋める重鎮達を見回した。


その中に青筋を浮かべた男がこちらを睨み声を上げた


「貴様!王の御前だぞ!なんたる、口の聞き方……」


いけ好かないヒゲを生やした男が怒鳴り声を上げている途中で王が袖を振り制止した。


男は恨みがましくこちらを睨みながら押し黙った。


「よい、……故郷の事があろう…

そう、思われても仕方もあるまい…

しかし、今や彼らを知る者はお前だけとなった。

アッシュよ…彼等にお前の受け継いだ技術や伝統を教えてやってはくれまいか…」


嘲るように笑ってやった


「は、ははは!伝統?、技術?

ふ、ははは!俺の故郷を見捨てた奴らにか?


………ふざけるなよ」


玉座に座る王に向け殺気を放ちながら見上げた。

もういいか、自暴自棄になって今ここでコイツらを殺してやってもいい。


———俺にはそれができる。


握った拳を広げ指の関節に力を込めた所でずっと黙ってこちらを見ていた男、騎士団長ジルベスターが口を開いた。


「アッシュ…やめるんだ」


殺気を向ける相手をかえた

血が出そうなほど血走る目で睨みつける。


「黙れ、アンタの命令はもう聞かない。

騎士団は辞める、冒険者に戻って…

いつか必ずアンタとあのクソ野郎共に復讐してやる……」


「辞めよ。アッシュ、お前を拾い特例でお前を補佐として傍に置いていたのは誰だ…ジルベスターだろう。


お前の面倒をよく見ていたと聞いたが…

お前の村を焼いたのは誰だ?隣国の野蛮人どもだ。

ジルベスターでは無いだろう……」


諭すように低く重い声で放った言葉に更に怒りが募る。


そうだ、分かっている…だが、来なかった。

信じていた、仲間だと…なのに来なかったんだ。


どうやって、恨まずにいられる?


「………チッ」


小さく舌打ちをこぼし背を向けた。


「…アッシュ。任せたぞ」


勝手に去る俺を罰するでもなくそれだけ言って王は勝手に学園への講師の任務を告げた。


…後日、本当に任命状が届いた時は思わず破りそうになったがご丁寧に、王命として出されたものだった。


と、まぁ無理やりこの任務という名の強制労働を受けざるを得なくなったわけだが……


どういう訳かジャンまでを補佐として送りつけてきやがった。


何が補佐だ…監視の間違いだろうが。


悶々と怒りをつのらせていると先頭を歩いていたジャンが駆け寄り腕を引いて走り出した。

振り回されるように腕を引かれたが、楽だったので特に抵抗もしなかった。


「アッシュさん、急ぎますよ!!

初日から遅刻だなんて、騎士団員としてはあり得ないですよぉ!!」


コイツは昔から世話焼きだ。

俺の方が年下なのにいつも敬語で話しかけてきた。


 当時、団員に入ったばかりの見習いの頃、まだガキだった俺が団長のそばにいるのが気に食わなかった奴らによく、ボコられていた。


部族民の出来損ないだと嘲笑われていた俺に気にせず同期として接したのはアイツだけだった。


「そんなに急がなくてもいいだろ。

俺は元々行くつもりなんてなかったんだからな」


どうでもいい昔の事を暇つぶしにふと思い出していた。


全速で走るジャンの前から知らない男が駆け寄ってきた。


その後ろには城ほどではないがデカい青と白の建物が見えた。

どうやら学園についたらしい。


 「あぁ!良かった…お待ちしておりましたよ

アッシュさん…ジャンさん、もう来られないのかと…」


焦げ茶色の髪は乱れこめかみをハンカチで拭っていた。どうやら校門でずっと待っていたらしい。


ちょび髭を弄りながら細い目尻を下げた


「いやぁ〜、良かった…

生徒達に通達してから皆、興味津々で…

来られなかったら、私が生徒達に睨まれるところでしたよ…あははは」


ハンカチで汗を拭いながら苦笑を浮かべる男に

ジャンが腰をおって頭を下げた。


「あっははは、すみません。

少し支度に時間がかかってしまって…」


二人のやり取りを横目に僅かに感じた気配の方に目を向けた。


あの二人の後ろで数人の陰が動いたのが見えた。


「それで?その生徒ってのは…アイツらか?」


顎でシャクるように言うと隠れていた生徒らしい者達が姿を現した。


「流石に…気づかれましたか……」


どうやら、上手く隠れていたつもりらしい。

コイツらの歳の頃には洗浄を駆け回っていた

気配を気取るのは寝ていてもできる…馬鹿にされているのか?


「それにしても…この方があの、補佐殿なのですか?

その、イメージと違いますね……」


青髪のガキが訝しげに見ている。

その後ろから金髪のガキが嘲笑った。


「はっ…何だ…補佐のアッシュ殿か…

騎士団の主力の方だと聞いていたからアスター殿だと期待していたのに…残念……おっと、失礼しました。


騎士団長の雑用係殿…」


そばまで近寄り俺の顔を見るなり鼻を鳴らす生意気なクソガキに舌打ちをこぼした。


「・・・やめろよ!わざわざ来てくださった先生だぞ!現役の騎士に教えてもらえる機会なんだぞ!」


小声で金髪を嗜めるのは紫髪のガキだった。

その後ろから見ている黒髪のやつは何も言わなかった。


「あわわわ、アッシュさん…落ち着いて!

駄目ですよ…ヒッヒッフーですよ!はい、ヒッヒッフー!」


青筋を浮かべる俺の横に慌てて駆け寄ってきたジャンは意味の分からない呼吸法を口で言いながら背をバシバシ叩いてきた。


別に、俺だって大人だ。

ガキの言葉一つで手を上げたりしない。


「ふっ…言い返せませんか?そうでしょうね。

事実でしょう?流石、貧困の村…戦闘狂いの蛮族。

レイヴスの出身は血の気が多い!


あれだけ武力を誇示して、最強民族だの言っていたくせに隣国に敗れたじゃくし……………ドガッ!


 金髪のガキの頭を地面に埋めてやった。


「……もっぺん言ってみろ…殺す」


・・こうして、俺の講師生活が始まったのだった。

最後まで読んでくださってありがとうございました。


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