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ミックスジュース  作者: 天笠唐衣


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第5話 妻の狼煙(のろし)

 次の日の夜。

 優斗が大地と風呂に入っている時に、絵里は優斗のスマホのロックを解除する。


 ラインで、《みさ》《なな》それぞれにこうメッセージを送った。

 『操作を間違えて電話番号が消えてしまったから、また教えてくれない?』

 二人にメッセージを送る。何度も打ち間違える。

 (慌てるな! 私)

 

 優斗が風呂から出てこないことを祈る。

 ――五分経っただろうか? いやもっと……?

 (早く返してきて――) 

 

 しばらくすると、二人から電話番号が送られてきた。

 絵里は急いで電話番号をメモした。 

 すぐに『ありがとう』と、二人に送った。

 

 風呂の方へ行くと、二人の声が聞こえる。体を洗っているところだ。

 

 しばらく待つ。

 絵里は、風呂の声を聞きながら落ち着かなかった。

 (早く――風呂から出てきちゃう)

 

「ちゃんと温まれ」

 優斗の声が聞こえる。もう体は洗ったようだ。

 (やばい――。出てくる)

 

 二人からまたメッセージが返ってくる。

 『どうしたの?』『今何してるの?』

 

 焦ってボタンを押し間違えたが、そのメッセージを含め、やり取りを全て削除した。


 優斗が風呂から出てきた。間一髪、スマホを元の場所に置いた。

 

「すぐ美桜と入っちゃえば?」

「うん」

 絵里はバスタオルで大地の体を拭きながら返事をした。

 服を着させて、美桜のオムツの処理など風呂の支度をしながら、横目で優斗がスマホを手にしたのを確認した。


 特に気付いてないようでホッとした。

 絵里は、美桜を風呂に入れた後、いつものように子供を寝かしつけた。


 リビングに行き、冷たいソフトドリンクを飲んでいると、優斗がスマホを見ながら聞いてきた。

 

「さっきスマホ触った?」

 絵里はドキッとする。

「触らないよ? 何で?」

「最後に開いてたアプリと違った気がして」

「そんなん知らないよ。忘れてんじゃないの? それかウイルス?」

「怖っ」

 優斗はそれ以上深く言わなかった。

 

「寝るわ」

「おやすみ。お弁当の準備してから寝る」

「いつもありがとう」

 優斗はおやすみのキスをして寝室に行った。


 絵里はキッチンに行き明日のおかずを作りながら、次の計画を頭の中で練っていた。


 ◇


 次の日のお昼。

 

 美桜をおもちゃで遊ばせておきながら、《みさ》の電話番号にかけた。

 スマホを持つ手に力が入る。

「もしもし……」

「佐藤といいますが、《みさ》さんのお電話ですか?」

「どなたですか?」 

「佐藤優斗の妻です」

「えっ!?」

「いつも夫がお世話になってるみたいで……。今少しお時間いいですか?」

「ちょっとまって――」

 美咲はかなり慌てていた。移動しているような雰囲気がした。

「かけ直します」

 美咲はそう言って、電話を切った。

 

 絵里は、スマホをしばらく見つめていた。

 美桜が何か感じたのか、泣き出した。

「あーん!」

 右手でスマホを握りしめながら、美桜を抱っこしてあやしていた。

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