第2話 甘い秘密
佐藤優斗は、吉田美咲にラインを送った。
『今日会えそう?』
『大丈夫よ。何号室?』
『174ね。いつものところだよ』
『オッケー』
美咲は、周りを確認してからホテルに入った。
――174。
ドアをノックすると、優斗がドアを開けて顔を出す。
「やあ」
「久しぶり」
美咲は少し低いトーンで返す。
(少し言い方に棘あったかも……)
「しばらく会えなかったね……ごめん。今日も研究室で実験が長引いちゃってさ。模試の採点もやらなきゃいけないし、ほんと時間がないんだ」
美咲はコートを脱ぎ、椅子に足を組んで座る。バッグからタバコを取り出し、火をつけた。
「……まあ、わかってる」
煙を吐きながら、美咲は呟いた。
「ありがとう。美咲は理解してくれる人で助かるよ」
「医大生は大変だもんねえ。これからたくさん勉強しないといけないしね」
「そうなんだよ」
そう言いながら、優斗は美咲の隣に座る。
「この前さ、旦那の持病で毎月病院行ってるんだけど、今月から先生が変わったのね。先生イケメンでさ。優斗に似てた」
「はは。ありがとうって言うべきなのかな?」
美咲の腰に手を回した。
美咲がタバコの火をもみ消していると、優斗が首にキスをする。
「……ずっと会いたかったんだからね」
美咲は少し怒った顔をする。
「怒った顔も可愛いよ」
「もう……」
二人は熱いキスを交わし、そのままお互い服を脱ぎながらベッドに行った。
◇
「優斗……好き」
「俺も好きだよ」
美咲が上から優斗にキスをする。
「私……旦那と別れたい……」
美咲がぼそっと呟いた。
「どうして?」
「もう私のこと家政婦としか見てない。愛はないよ」
そう言って美咲はベッドに体を投げた。
「そうか……」
「優斗……結婚しよ」
美咲は笑顔で言った。
「そうだね……結婚しよう」
優斗はそう言って、美咲を抱きしめた。
美咲は、薄暗い白い天井を見ながら優斗を強く抱きしめた。
(本当に思ってくれてるんだろうか……?)
優斗の頭の片隅では、二人の女性の顔が浮かんだ。
(本当にそう言っていいのか?――)
優斗のスマホが光って震えた。優斗は確認せずに美咲にキスした。




