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悪役令嬢、断罪されたので男になりました!?   作者: 雨水卯月


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50/62

幕間

西の塔で聖女を見つけた時、ルドは一瞬攻撃を躊躇(ためら)った。

その逡巡がなければ、確実に聖女を倒せていたはずだった。


聖女は弱り、ほとんど魔力も使えない状態で、アギトは油断していた。

ルドがあの状態の聖女に劣るはずもないと。


あの躊躇(ためら)いが何だったのか、アギトには分からないまま

ルドはその場に倒れた。


ルドに駆け寄ると、息をしていない。心臓が止まっている。

聖女がフラフラと塔を出て行くのを目の端で捕えが

この状態のルドを置いていけるはずもなかった。


必死に蘇生を試みる。


戻れ――戻ってこい、ルド


アギトは声の限り、ルドを呼び続けた。

心音が戻り、呼吸が戻っても、ルドは目を覚まさなかった。

アギトは後悔に苛まれながらも献身的にルドの看病をする。


お願いだ――目を覚ましてくれ


その願いが聞き届けられたのは、3日後の事だった。

ルドの中から、悪魔の気配が消える。

呪術で留めていた悪魔の浸食が綺麗に消えていた。


(何が起こった?)


その時、ルドの瞼が微かに動く。

そして次に眉を顰めた。


苦しいのだろうか、痛いのだろうか


アギトはルドのさらりとした前髪をかき分け、額に触れる。

ルドの表情が少しだけ緩む。


ほっと息を吐き、ルドの手を握る。

今度は力強く握り返され、アギトは目を見開く。


「ルド…ルド…」


握り返された手をそっと包み込み、アギトは何度も名前を呼んだ。

何故か「クソ悪魔!!」とルドが叫びながら、飛び起きた。


「……あれ?」

「ルドっ!」


アギトが飛びつくように抱きつき、ルドの身体をぎゅうと抱きしめた。


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