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悪役令嬢、断罪されたので男になりました!?   作者: 雨水卯月


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41/62

14-3.悪役令嬢、ディスる

兄の執務室にはひっきりなしに王宮からの使者が訪れていた。

ルドは兄の手伝いをしながら、疑問を投げかける。


「兄さま、聖女はとっくに国外へ逃げていますよ。

今更、貴族の家宅捜索など意味はないのでは?」

「意味はある。叩けばホコリが出るようなやつらばかりだ。これを機に勢力を削いでおく」

「そして、何故殿下がこちらにいらっしゃるのでしょう?」

「王宮は聖女の騒動で機能しておらぬ。こちらの方が、執務は捗る」


ルドの疑問に答えたのは、アレクシス殿下だった。

あの日から、何故か殿下は兄の執務室に入り浸っている。


「まあ、いいんじゃないか。決裁が取りやすくて助かるし」


兄は涼しい顔で頷く。


(色々あるじゃん!?権威とか、体裁とか、セキュリティとか!!)


ルドの脳内ツッコミが虚しく木霊した。

しかし、「じゃあ、お前がやれ」と言われかねないので、ルドは沈黙を貫いた。


「聖女はどこに逃げたと思う?」

「青の王国かと。」


アレクシスに問われ、ルドは正直に答える。


「いつ捕まるか分からないこの国に居る理由はありません。赤の王国は聖女への宣戦布告を明言していますし、緑の神聖国も白の王国も入国者へは門戸を固く閉ざしています。聖女は今サムターンの呪いにかかっています。呪いを癒すことを最優先して、安全圏である青の王国へ隠れると考えるのが妥当でしょう」


聖女の背後に呪術師が居るのであれば、

サムターンの呪いで倒せるとは思わない方が良い。


「ふん、忌々しい。」

「あの…いまだに信じられないのですが、本当に聖女の魅了にかかっていないのですか?」

「あんなもの、かかる方がおかしいのだ」

「それ、赤の王国で言わないでくださいね」


(ヴァレンタイン騎士団長がぼっこぼこに凹むから)


「そなたこそ、猫かぶりはもういいのか?」

「あれは令嬢らしくしていただけで、猫かぶりではありません!」

「いや、あれは立派な猫かぶりだっただろ?」


兄が余計な口を挟む。ルドがギロッと睨むと首を竦めて黙った。


「そちらの方が良い」

「殿下に良いか悪いか判断していただかなくとも結構です」

「性別も、この際どちらでもよい気がしてきた」


アレクシスの真剣な眼差しに、ルドはぞわっと鳥肌を立てる。


「いやっ、そこは気にしろよっ!」


ルドが必死に突っ込んでも、兄はペンを走らせ続け、アレクシスは意味深に微笑む。

この部屋で正常な神経を保っているのは、ルドただ一人だった。


(アギトっ…なんでこんな時に限って居ないの!)


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