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悪役令嬢、断罪されたので男になりました!?   作者: 雨水卯月


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24/62

10-1.悪役令嬢、救出劇に身を投じる

「……あのエルフ、捕まったようだぞ」


アギトが面倒そうに言った。


「え!?セシル様が…?」


セシルの名前を出した途端、アギトは眉をしかめ、渋々といった感じに頷く。


「どういうこと!?ちゃんと説明して!」


ルドはアギトの服を掴んで、体を揺すった。



***


「精霊?」


ルドはきょとんとして、アギトの言葉を繰り返す。


呪術師(まじないし)は精霊を使役する。精霊には陰と陽があって…」


「っと、これは今関係ないか」とアギトがつぶやく。


「ともかく、精霊にエルフを守るようにつけていた。そいつが戻ってきた」

「守ってないじゃん!?」

「精霊は報酬以上のことはしない」


「今回の報酬に見合った働きは、“守ったが敵に敵わなかった、と俺に報告する“、までだっただけだ。」

「ふうん?悪魔の契約と一緒だね」

「悪魔も精霊だ」

「え!?そうなの!?」


ルドはぴょんと飛び上がった。「じゃあ、オレも呪術師に…!?」と期待を膨らませる。しかし、「呪術が見えないお前には無理だ」とアギトに断じられ現実に引き戻される。


「セシル様がどこで、誰に掴まったかは分かる?」

「青の王国の騎士団に捕えられ、王城の地下に投獄されている。」


(青の王国は神聖国と友好国だったはず…もしかしてもう聖女に支配されている…?)


そこまで考えて、背筋がぞくりと冷えた。

嫌な想像を振り払うように、首を小さく降る。


「…解放は無理だが、新たに精霊を送って見張らせるくらいなら出来る」

「本当!?」


ルドは暗かった顔がぱっと輝く。

よかった――アギトは少なくとも、セシルを仲間だと思ってくれている。


しかし期待は、簡単に裏切られた。


「なんでっ!」

「効率の話だ。白の王国へ行くのが先だろう」

「セシル様が心配じゃないのっ!?」

「…」

「アギトっ!!」


一刻も早くセシルを救出したいルドと、効率優先で白の王国を目指すアギト――議論は平行線のまま、時間だけが虚しく過ぎていく。


「青の王国がどう動くか分からないんだから、セシル様の救出が先!人命第一!!」

「人命というなら、青の王国より、白の王国の方がはるかに脅威だ。」

「…アギトはっ…セシル様のことが嫌いだから、そう言ってるだけじゃないのっ!」


ルドは涙を溜めて、アギトを見つめる。

アギトは眉を寄せるだけで、答えない。


「…もういいっ!オレ一人で助けに行く」

「ルドっ…!」


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