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悪役令嬢、断罪されたので男になりました!?   作者: 雨水卯月


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10/62

6-1.悪役令嬢、告白される

最後の病痕が剥がれた。


「な、治ったー!!」


ルドは跳ねるように立ち上がった。赤みを帯びた新しい皮膚が、かすかに息をしている。


「よく頑張ったな」


アギトの声は低く、けれど驚くほど柔らかかった。

その大きな手がルドの頭を撫でると、胸の奥で何かがじんと熱くなる。


(……やっぱり、この人……)


「ルド、顔が赤いな。熱か?」

「ち、違う!なんでもない!」

「こっちへ来い」


アギトに抱き込まれる。一か月でアギトとの距離の近さになれたルドでさえ、「近っ」と口に出してしまう程の距離。アギトは何事か唱えると、ルドの体をキラキラと光が覆う。


「え?今の魔法?」

「サムターンの風を跳ね返す術だ。」

「黒土で魔法は使えないはず…、アギトって何者?」

「俺は呪術師(まじないし)だ。……軽蔑するか?」

「軽蔑…?しようにも、呪術師(まじないし)って何か知らないし。」


(ん…?なんかこのやり取り…あ!あああああ!思い出した!!)


その時ルドの脳内に光が灯った。


(そうだ、そうだよ!なんで忘れてたの??)


「アギト・クロエ!?」

「そうだ」

「黒土で一番の呪術師(じゅじゅつし)って言われている黒衣のクロエ!?」

「そうだな」


(やっぱり、“Colors(カラーズ)”の最後の隠しキャラ!呪術師のアギト・クロエ!)


黒(隠しルート) ― アギト・クロエ

 黒土に現れる謎の青年、呪術師。神秘的な黒髪・漆黒の瞳を持つ、大人向け妖艶キャラ。

 攻略難易度:★★★★★


ルドは、はあああー…、と深いため息を吐く。

初対面であんなに懐かしいと思った理由が、まさかゲームの攻略対象だったからだなんて。


(そりゃ、推しだったけど…。あんなドラマチックな出会い方しといて…運命とかじゃなく、ただのゲームの記憶かよ…自分史上最高にガッカリだよ!!)


ルドは地面に手をついて、今までの行いを振り返った。


(ってか、恥ずかしい!めちゃくちゃ恥ずかしいぃ……!!てっきり運命的なつながりがあるのかと思っちゃったじゃん!!)


「あ、あの色々ごめん。」


顔を真っ赤にして項垂れるルドを、アギトは怪訝そうに見下ろした。


「オレ、なんか勘違いしてて…アギトとオレが何か…その見えない繋がりみたいなものがあるのかと。ただのぐうぜ…」

「ルドも感じたのか。俺もあの日、何か掻き立てられるように黒土に出た。いつもなら素通りしているような場所をわざわざ通ったのも、何かの導きだったのかもしれん。」

「そ、そうかなぁ…?」


ルドは引き攣った笑いでアギトに答える。まだ恥ずかしい。


「それに呪術師(まじないし)を蔑むでもなく、受け入れてくれた。」


アギトはルドのさらりとした前髪を摘まんで、顔を覗き込む。優しい黒い瞳とかち合って、また赤くなってしまう。


「ルドが嫌でないなら、この先の呪術師の集落へ行こうと思う。そろそろ食料が心もとない。」

「あ!うん、もちろん!そうだよね、任せっきりにしてごめん。」


ルドが持たされた旅の食事や水は早々に尽きた。元々魔法が使えなければ非力な身だ。魔道具も黒土では意味をなさないため、多くをもって来られなかった。路銀も心もとない。


病身とは言え、アギトに甘えすぎていた。ルドはぎゅっとリュックの口を絞るとともに、自分の気をもう一度引き締めた。


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