Ⅳー3 氷の貴公子と麦藁王子
■一人の夜
レオンは、カトマールに出張中だ。この前、カトマール副大統領の一行がアカデメイアにやってきたという。ルナ大祭典の準備がさらなる段階に移り、レオンの業務も増えたらしい。
(仕事だもの、仕方ない……。でも、一カ月も会えないなんて……)
寂しくて仕方がない。毎日、朝晩、スマホでレオンの顔を見、声を聞くが、触れることはできない。できるだけ短期間で出張を切り上げようと、レオンは夜も要人と会い、さまざまな打ち合わせをしているらしい。
大学の授業はなんとかこなしているが、家ではミュージカルの準備が止まってしまった。毎夜、レオンの部屋でため息ばかり。
ツネさんが心配して、何度も階上を見上げる。キュロスが気づいて、ツネさんに声をかけた。どうやら、「困ったちゃん」彪吾はレオンがいないと魂が抜けた状態になるらしい。
(よし、とっておきのレオン秘話を教えてあげるか)
キュロスはレオンに連絡をとった。先日、イ・ジェシンから仕入れたネタを彪吾に話してよいかどうかを確認するためだ。レオンは一瞬迷ったようだが、こう言った。
「条件をつけてください。聞きたければきちんと食事を取れと」
キュロスは、レオンの部屋をノックした。中から、か細い声が聞こえた。
「だれ?」
「キュロスです。少しお話をしたいと思いまして」
彪吾がドアを開けた。まるで幽霊のように虚ろな表情だ。
「大丈夫ですか?」
キュロスはふらつく彪吾を思わず片手で支えた。
「うん……ありがとう」
レオンの部屋は整然としており、書架には多くの本が並んでいる。ただ、ソファの周りだけが妙に散らばっていた。彪吾はここで過ごしているのだろう。ムクリと銀色の毛並みが顔を上げた。銀狼だ。キュロスは一瞬ひるんだが、銀狼は何事もなかったようにまた顔を伏せた。
「この子はレオンの友だちなんだ。レオンがいない間、ボクの相手をしてくれてる」
キュロスは、持ってきた温かい卵粥と茶をテーブルに置いた。
「ツネさんからです。今日も夕食を抜いたのでしょう? 少しでも召し上がったほうがいいですよ」
「うん……ありがとう。でも、欲しくないんだ」
彪吾は大きなため息をついて、倒れ込むようにソファに座った。銀狼が顔を上げて、彪吾を見守っている。
「レオンさんが心配しますよ」
「うん……わかってる。でも、寂しくて……」
彪吾はレオンへの想いを隠さない。憂いに満ちた顔は、キュロスが見ても、ゾクッとするほど艶めかしい。レオンの方こそ、こんな彪吾が心配で仕方ないだろう。
「もしよろしければ、学生時代のレオンさんの話をお聞きになりますか?」
彪吾が飛び起きた。
「学生時代のレオン?」
「ええ。ある人から聞いた話です。話してくれた相手は、あまり好ましい人物ではありませんが……」
「ひょっとして、イ・ジェシン?」
キュロスは頷いた。彪吾はためらうように一瞬、首をかしげたが、すぐにまっすぐ顔を上げて、キュロスを見た。
「イ・ジェシンの話なら、多少の脚色はあっても、嘘はないはず。ねえ、聞かせて」
「一つ条件があります」
「なに?」
「きちんと食事をとってください」
彪吾は一瞬キョトンとして、アハッと笑った。
「レオンだろ?」
キュロスは返事をしなかったが、彪吾は続けた。
「きちんと食べているかって、レオンはいつもそればかり聞くんだ」
「おわかりなら、まず、粥を召し上がってください。全部食べ終えたら、お話します」
彪吾は粥を口にした。急いで食べるので、多少むせているが、粥なので喉を通りやすいのだろう。目に勢いが現れ始めた。
キュロスは最初に断りを入れた。
「イ・ジェシンの勝手な思い込みが随所に入っています。かなり不愉快でしょうが、我慢してください」
彪吾は頷いた。目で早くと催促し、手で銀狼の毛並みを撫でた。
キュロスは、ジェシンの話をできるだけ忠実に再現した。
■若き日のレオンーージェシンの回想
――レオンに初めて会った日?
忘れるもんか。ボクのレオン記念日だもの。
ボクがアカデメイアに入ったのは、祖母――バアサンの希望さ。本当はアカデメイアに行く気などなかった。どこか遠いところに留学して、過保護なバアサンからも離れたかった。だけど、金がない。資金源をつなぐには、バアサンに頼るしかないもんな。いまもだけどさ、あははは。
アカデメイアは、世界的に有名な超難関大学。だから、優秀な人間ぞろいだ。でもね、大半はエリートの金持ち子女。親の資金力のたまものさ。高等教育ってさ、格差をなくす切り札のはずなんだけど、実際には、格差を再生産する砦になってるよね。一流大学ほど、親の収入が高いんだもの……。
アカデメイアも一緒さ。子どもの時から、親の資金で塾や特別な学校で学んでいる者がほとんどでね。たしかに成績優秀だけど、頭でっかちで自分は賢いと信じて疑わないつまんないヤツが多くてさあ。バアサンに溺愛されてきたボクも、ひとのことは言えないんだけどね。
ま、ボクは、バアサンの方針で小中高が〈蓮華〉だからね。今となっては、それはむしろ自慢なわけ。〈蓮華〉には、おもしろい奴がいろいろいたもん。でもさ、せめて、大学くらい自分で選ぼうと思ったんだけど、先立つものがなかったんだよね~。バアサンのお金がなかったら、ボクは生きていけないんだもん。
――レオンとどうやって出会ったのかって?
図書館だよ! レオンらしいだろ?
つまんな~い日々を過ごして一週間ほど経ったある日、図書館で見たこともないほど美麗な人物に出会ったんだ。その人は、何冊もの本を横に置き、熱心に調べ物をしていた。逆光に照らされた横顔は、彫刻のようにきれいでさ。ボクは見とれてしまった。男性とも女性ともつかぬ中性的な美しさだったけど、とがった喉仏が見えたから、男だってわかった。十八歳だもの。まだどこか幼さを残していてね。いまよりかなり華奢だったし、背もまだ幾分低かったな。まさに美少年って感じだった。
それから毎日、ボクは図書館に通い、その少年のような青年を見続けたんだ。彼はいつも朝一番に図書館に入り、いつも同じ席で本を読んでいた。授業が終わると、閉館までふたたび図書館で過ごしていた。
ボクも何もしないわけにはいかない。本を借りて読んでいるフリをしながら、彼を盗み見た。彼は日々急速に変わっていったよ。遅い成長盛りだったんだろう。背も伸び続けたし、肩幅も広くなっていった。ボクとしては、繊細な美少年レオンもよかったんだけどね。
彼がどの授業に出ているかを探った。ボクが登録している授業とは違うものが多かった。ボクは自分の授業をそっちのけで、彼が受講している授業に熱心に通った。彼を見るためだったけど、彼が選んだ授業はどれも面白かった。自分で登録した授業にでなかったから、ボクの成績はいつもギリギリになってしまったけどね。
彼と話す機会はなかった。彼はいつも一人だった。勇気を振り絞って彼に話しかける者もいたが、すげなくあしらわれていた。美貌に自信がある女子学生が何人かで賭けをしたらしい。だれが彼を落とせるか。でも、だれがやっても結果は同じだった。みんな、会話も成立しないまま、すごすごと引き下がった。
だれが聞いてきたのか。彼の名がレオンで、有名なラウ伯爵の遠縁の青年だという噂はまたたくまに広がった。ある者がそれを確かめようとして彼に話しかけたけれど、彼はNOともYESとも言わず、一瞥もくれなかった。
――そんなに目立っていたのかって?
そりゃ、そうさ。
美貌だけじゃない。ずば抜けた頭脳もすぐに知れ渡った。
「氷の貴公子」――それが彼についたあだ名だった。その通りでね。彼の冷たい表情が変化したことはなく、彼の声は授業で指名されたときに答える以外には聞けなかった。低めのいい声だったな。
日が経つごとに、レオンの存在は大学内で広く知られるようになった。どの授業でも教授たちが彼に一目おいた。だれも答えられない難しい問題のときには、最後にいつもレオンを指名する。レオンが答えられない問題はなかった。分野を問わず、一つとしてなかったんだ。
アカデメイア始まって以来の秀才だと教授たちがレオンを褒めそやした。そういううわさはすぐに学生たちに出回る。ボクたち学生もレオンがそう言われることに納得した。だれも嫉妬すらしなかった。レオンは完璧で、侵しがたい雰囲気をまとっていたからね。悪口なんかの対象じゃなかったんだ。ある意味ですでに神格化されていたな。
――レオンに友だちはいたかって?
いないよ。一人もいなかったはずだ。
だれもがレオンに憧れて、友だちになりたがった。もちろんボクもだ。でも、だれも彼に接することはできない。話しかけることも、一緒に食事をすることもできない。アカデメイアを代表する教授たちですら、レオンには袖にされた。レオンは、だれの誘いにも応じなかったからね。
彼がどこに住んでいるかは皆目わからなかった。電話番号もメールアドレスもすべてわからなかった。ボクは何度か彼の後をつけたが、いつも見失った。まるで後をつけられることがわかっていて、それを撒くことを念頭に置いたような行動だった。
ボクにとって幸運だったのは、同じ学部だったことだ。法学部になど行きたくなかったが、レオンに出会ってからは、バアサンの願い通り、法学部に行ってよかったと心から思った。弁護士になったのも、同じ仕事ならレオンに会うチャンスがあると思ったからだ。そうさ、ボクの基準はすべてレオンなんだ。
■ジェシンの本心
――え? ボクとレオンの関係?
もちろん、レオンはボクのこともまったく相手にしなかったよ。でも、ボクは彼を追い回した。レオンに憧れる者は多かったけれど、他の者とボクが違ったのは、ボクがめげずに熱心だったことかな。
あれは、一年の終わり頃だった。ボクはこれでも女子にはもてたんだ。見ての通り、ボクもかなりの美形だろ? 自分の金はないけど、バアサンが大金持ちだ。入学祝にバアサンが贈ってくれた高級マンションに一人暮らし、高級車もある。それなりにハイソな生活だった。だから、レオンには手が届かないけど、ボクは手頃なターゲットってわけ。クラスで一番美人の女子学生からデートに誘われた。すぐそばにレオンがいて、彼女はレオンに見せつけるつもりだったようだ。レオンはまったく無関心で、こっちを見ようともしなかったけどね。
その日、たまたま教授が教室に来るのが遅くてね。レオンも動くに動けなかったのだろう。その女子学生がかなり大胆にボクにからんできた。クラス中がおおーっとなって、ボクたちをはやしはじめた。ボクはレオンのことばかり見ていたが、一瞬、レオンがこっちを振り返ったんだ。もちろん、レオンの表情は変わらなかったよ。レオンはどんなに不愉快な場面でも、ピクリとも表情を変えないんだ。でも、初めてだった。レオンを振り返させることができたのは。
ボクは有頂天になったね。ボクがいくらレオンを追い回しても、レオンは相手にしてくれない。けれど、女子たちとうるさくはしゃげば、一瞬、黙れとでも言うように顔を向ける。コレだ!と思った。
それから、ボクはいろんな女性に声をかけられるたび、それに応じた。
ボクについたあだ名? 「麦藁よりも軽い男」だよ。「麦藁王子」とか言われたな。ボクは、多くの女性と浮名を流すことで有名になった。そして、レオンを追い回すことをやめなかった。
ボクが「レオ~ン!」って呼ぶと、レオンは逃げるんだ。他の者のことは無視するだけなのに、ボクからは逃げたんだぞ。
――それのどこがうれしいかって?
わからないかい?
ボクはレオンに一目置かれたんだ。もちろん、軽蔑と嫌悪の「一目」だけどね。でも、いいじゃないか。存在を無視されるより、嫌われても記憶に残る方がいいに決まってる。大学じゃ有名だったんだ。「氷の貴公子」を追い回す「麦藁王子」。その「麦藁王子」は、いつも隣にきれいな彼女を連れていて、明らかに「氷の貴公子」をおちょくっている。
ボクがレオンに本気だなんてだれも気づかなかったよ。だから、ボクは大っぴらにレオンを追い回した。謹厳実直で冷淡な孤高のレオンを、懲りずに追いかけ続けたのは「恥知らず」のボクだけだった。周りはおもしろがったな。道化師同然のボクの評価は地におちたけど、レオンの評価はむしろあがったね。ボクはひそかに喜んだよ。
――レオンは一度も笑ったことがないのかって?
いや、じつは一度だけ見たことがある。ボクにとってレオンが運命の人になった瞬間だよ。
レオンを初めてみかけてから数カ月ほどたった初夏の夕暮れだった。ボクは町の中でレオンを見かけたんだ。レオンは一人だった。彼はだれとも群れないから、一人でいるのは珍しくない。どうやら、珍しい古書を手に入れるためにお気に入りの古書店に行った帰りだったらしい。――ボクはレオンの行動範囲をすでに把握してたからね。しょっちゅう待ち伏せしたり、後をつけたりしていた。うん、ストーカーだよ。犯罪だな。レオンには気づかれないように一定の距離を置いていたから、探偵ごっこみたいな気分だったけどさ。
うん、だから、探偵ごっこは今も大好きなんだ!
古書店は表通りから少し離れた路地にあったんだ。でも、ボクとは別に、レオンを付け狙う者がいたよう だ。三人組の男たちは、レオンを羽交い締めにし、人気のない路地に引き釣り込んだ。
(うわあああ! たいへんだ!)
ボクも多少、武芸の心得はあるけど、ケンカは嫌いだ。ケガしたら痛いもんね。
ボクは大声を上げた。
「ドロボー、ドロボーだよお!」
なんだなんだと、何人かの人がゾロゾロと出てきた。ボクが指さすほうに駆けつけると、そこには、三人の大男が転がっていた。レオンの姿はない。ボクはすぐさまレオンを探して走った。すると少し離れたところで、レオンが小さな女の子を助け起こしていた。粗末な服の女の子はビックリしてレオンを見上げている。レオンは見たこともないような優しい笑顔を見せた。自分の夕食用に買ったであろう食品の入った袋を少女に持たせ、そのまま歩み去ったんだ。かっこいいだろ?
ボクは固まってしまって立ち尽くしたよ。レオンの微笑みなんて初めて見た。彼があんなに優しそうに微笑むことができるなんて。ボクの心にレオンがスッポリと入り込んだ瞬間だった。その後は二度とレオンの微笑みを見る機会はなかった。講義でもゼミでも、レオンはつねに一人のままで冷たかったもの。
――ラウ伯爵とレオンとの関係?
ラウ伯爵にとって、レオンが自慢の青年だったことは学内でも有名だったよ。
レオン自身は一度もラウ伯爵との関係を明かしたことはなかったね。けれど、伯爵のほうが喜んであちこちでしゃべってたようだ。なにしろ、レオンは二年の時に司法試験にトップで合格して、四年かかる課程を三年で終え、首席でアカデメイアを卒業したもんな。総代を務めるレオンを来賓席でラウ伯爵が満足そうに見ていたと噂になっていた。
ラウ財団に入ったあとのレオンとはまったく会えなくなった。なにしろ、ラウ財団の本社ビルは鉄壁のセキュリティだ。外部の人間が理由なく入れる場所じゃない。レオンの家もわからないし、連絡先もわからないし、ラウ財団本社はだれかを待ち伏せして出会えるような場所じゃない。お手上げだったんだ。
でも、レオンへのボクの気持ちは全然変わらなかったよ。むしろ会えなくて燃え上がったくらいだ。だから、櫻館にいると知って、どれほどうれしかったか。
――なんで櫻館に行くのかって?
きまってるじゃないか。櫻館では、いろんなことができるんだモン。はじめてレオンに抱き付いちゃった。レオンはとってもいい匂いがしたよ。怒ってる顔もはじめて見ちゃった。
だからね、どんなに嫌がられても櫻館には行くつもりだよ。キュロスさんもちょっとは手加減してよね。
(このくだりは彪吾には言わないでおこう……)
――相手にされていないのだから、あきらめた方がいいんじゃないかって?
ムリだよ。あきらめるのはムリだね。彼がだれか別の人を愛していてもいいんだ。ボクがレオンを愛しているんだから。報われない愛って、どんどん自己昇華しちゃってさ、純粋になるんだよ。レオンはボクの憧れの星。――手が届かなくてもいいんだ。
――レオンが愛している人をボクが傷つけるかって?
ありえない!
たしかに、昔ならそうだったかもしれない。ボクにも脈があると思ってたから。でも、いまは違うな。レオンを見続けて悟ったんだ。レオンはものすごく慎重だ。たとえ、愛する人がいても、そう簡単に胸のうちを明かしはすまい。だから、レオンの隣にだれかがいるようになったら、その人はレオンだけを愛する人で、レオンがただ一人愛する人のはずだ。だが、残念ながら、それはボクじゃない。
レオンと彼が愛する人を引き裂く者がいたら、ボクはそいつを許さない。レオンの涙だけはぜったいに見たくない。そんなことになったら、ボクの十数年にわたる恋心がまったく無意味になってしまうじゃないか。
(なかなかいいヤツじゃないか)
キュロスはそう思ったが、もちろん口には出さなかった。どうも、この人物はいささか調子に乗る傾向があるようだ。この軽さは演技ではなく、地だと思われるが、レオンファンの一人として味方にしておくのは悪くないかもしれない。
彪吾は、学生時代のレオンの姿にいちいち頷き、喜んだ。
予想通り、レオンはだれにも心を開かず、孤高の存在だったようだ。十八歳のレオンは、まだ少年の面影を残し、さぞ初々しい美しさだったろう。その時期を知っているイ・ジェシンを、彪吾はうらやましいと思った。
レオンの目に彪吾以外は映ったことがないようだ。うれしかった。レオンの優しい目を思い出して、彪吾の胸が熱くなった。レオンの温かな手を覚えている自分の手を思わず握り締めた。
アカデメイア大学での三年間、レオンをもっともよく観察していたイ・ジェシン。彼は、ライバルというよりも、むしろ同志かもしれない。
彪吾は、満ち足りた思いでレオンのベッドに入った。
――ここに入れるのはボクだけ……。
レオンの香りを抱きしめながら、いつの間にか、彪吾は穏やかな眠りについていた。ベッドの横で銀狼も静かに目を閉じた。
キュロスは、彪吾に話しながら、一つの話がひっかかっていた。
イ・ジェシンの回想では、若き日、三人組に襲われたとき、レオンは一人で瞬時に三人を倒したようだ。だが、レオンには武芸の心得はないはず。イ・ジェシンがレオンに抱き付いたとき、レオンはそれをまったくかわせなかった。
そんなレオンが瞬時に三人を倒せるはずがない。だれか、レオンを陰で守っている者がいるのか? それとも、命の危険が迫った時には、レオンは無自覚に法外の力を発揮できるのか? ……わからない。




