イソカルディウム・コル
それは海底に遺棄された
イオニア式の脈打つ心臓であり、
非人為的な骨の螺旋を持つ。
こうした心臓達が息絶え、
ポルトガル北部特有の嵐で
座礁したその骨達を
ファド歌手は拾い集め、
神の内生菌が囁く詩を読み解き、
歌い上げるのだ。
悲しみとは、ある種の栄光故に・・
あるラミナリア種の海藻林の
喪失感情・・
海岸の岩に付着した
石灰藻の執着・・
磯の腐臭の脈拍・・
アイ・クレード!!(なんて不快な!!)
ファドとは海の鼓動に合わせ、
トリトンの悲しみに共感し、
座礁した海洋生物の様に
キリストに身を委ねる歌だ・・・
やがて私の腐った心臓が、
螺旋を持った
二枚貝と入れ替えられても、
裕福な検視官共は
気づく事はないのだから・・