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読者と作家のリセットマラソン  作者: 弓軸月子
第三章 魔力暴走する賢者

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50/102

11 転がされた覚えはなくとも

投稿予定を忘却していた為短いです。

申し訳ございません。




***





「納得がいかないわ! あそこは殺される場面よね!?」


 例のテーブルに引き戻され、大成功と馬鹿にするような神様の声を聞きくやいなや、テーブルに手を叩きつけるようにバンと立ち上がってスティは言った。


「現実と物語は違うし、早く終わった方が良いから問題なくないか?」


 クロストは眼鏡を外して眉間を揉みながらうんざりと返す。思わずフラグを立てるような発言もしたし、スティもフラグを折る様な発言もしなかったので、しみじみと、現実と物語は違うのだとも思う。発言的にスティもここはお約束展開でしょうと思っていた節がある。それでもまだ納得がいかないのか、そのまま腕を組んで言いつのった。


「前回も前々回も十四回死んだのよ? 今回も十四回死なないとバランスが悪いと思わない? 今回八回だけよ? もう終わり? ってならないかしら? その線で行くなら二回目三回目と順調に回数を減らしていって、五回目くらいに、私達もこなれて来た感じを出しつつ、からの! 絶望的に全然歯が立たないくらい何度も死んで、三十回目のやり直し位で心を折りながらもきっかけを見つける方が面白くないかしら?」


「スティ、現実と小説が混同してる。僕は毎回こう言う体験は二度としたくないと思ってるし、」


 クロストはそこで言葉を止めて、神様に向かって尋ねた。


「バレたら終わるんじゃないかとちょっと期待もしたんだけど、逆だった?」


「そーだねー。知ってる人なら積極的に関わるようになるかなーってこっちが期待してるよねー」


 クロストはため息をついて眼鏡をテーブルに放り投げて椅子にぐったりと寄りかかる。


「勝手に期待されるのも、それを本人に告げるのも迷惑な話」


 ほとんど独り言のそれには誰も何も言わなかった。


 スティは首を傾げながらしばらく考えていた。

 一回目はそもそも他者と絡みがなかったがメモを残した。

 二回目はバレたら殺されて、それでも本人の記憶にない謎のメモは書けた。

 今回はバレても殺されず、むしろ手助けをしてくれた。

 確かにこういった超常現象が起きているのですと事前に話し合いが出来ていれば、今後その関係者が死にかけた時に、簡単にことが進むかもしれない。それは理解できる。


「ねぇ、クロスト。最後のロイドとの会話って、あれは気がついている感じなの? ちょっと変な会話だったでしょう?」


「ああ、前にリリーも入れて三人で聖女について話をしたことがあったんだけど、それを少しなぞったんだ。反応的に完璧に僕だって分かったと思う」


「ええっと、バレたら終わりの逆ってことは……」


 始まるともまた少し違うし、と眉間に皺を寄せたスティに、神様はあっさりと言い放った。


「勇者パーティーに神の奇跡を届ける使者的認識をされて今後はもっとやり易くなると思うよ!」

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