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12話 女子風呂&男子風呂

「いい湯ですね〜」


「疲れた体には沁みるね〜」


 アリシアさんがおじさんみたいな事を呟いて目を細める。


 普段は鎧を纏っているからよく分からないけど、こうして露わになった姿を見てみるとスタイルが良いし、何より引き締まった身体が羨ましい。それに……


「どうしたのリリーちゃん、ジロジロ見て?」


 アリシアさんが、恥ずかしそうに腕を組んで豊満な胸を隠す。でも収まりきらずにはみ出していた。ふと自分のと比べてみるとため息が出る。


「えっ? いや、えっと……その()()()はどうしたのですか?」


「あぁ、この傷ね……」


 アリシアさんは少し困った顔で 肩の傷跡を撫ぜる。マズい事を聞いちゃったかな?


「すみません、変な事を聞いちゃいました」


「別に変じゃないよ。これは10年も前にできた傷だよ。私がまだリリーちゃんくらいの歳にね。その頃はちょうどドルマン王国が魔物の大群と戦っていた時期だったよ」


「じゃあその魔物によってできた傷ですか?」


「魔物……ではないよ。ハウロス騎士団長が暴れてそれを止めようと……まぁ、過去の話はいいとして、リリーちゃんの話を聞かせて」


「あたしの事ですか?」


「そう、私たちと旅をしてみてどうだった? 辛くなかった?」


 アリシアさんが少し不安げな顔であたしに話しかける。


「えっと……今日1日を過ごして危険な事、大変さはよく分かりました。でも……それ以上に困っている人を助けられた事が嬉しいです!」


 ワイバーンの群れやレッドドラゴンとの戦いは確かに怖かったけど、村の人々を救えた達成感は今でも忘れられない。


「そっか、ならよかった。だけどもし本当に辛くなったらいつでも教えてね」


 アリシアさんは優しく微笑んであたしを見つめる。もしお母さんがいたらこんな感じなのかな?


「ところで話は変わるけどさ、ルークのことをどう思っているの?」


「えっ? どう思うと言われましても……」


 アリシアさんは悪戯っぽい顔を浮かべると、


「多分だけど好きなんでしょ?」


 突然、とんでもない事を言い出した。


「どっ、どうしてそれを⁉︎」


「見ていれば分かるよ」


 図星をつかれて何も返せない。


「それで、ルークの事をどう思っているの?」


アリシアさんが興味津々な顔であたしに近づく。


「えっと……指示が的確で、慎重で、あと優しいと思います」


「へぇ〜 なるほどね……じゃあ今度の休日に一緒に遊びに行ったら?」


「えっ‼︎ 遊びに⁉︎ でもどうやって誘えば良いのですか?」


「そんなの一言『ルーク、一緒に店を見て回ろうよ!』 って言えばいいのよ」


 アリシアさんは簡単に言うけど、想像するだけで恥ずかしい。自然と頬が赤くなる


「あれ? リリーちゃん、顔が赤くなっているよ。素直だな〜」


「違います! 少しのぼせただけですよ!」


 必死に誤魔化そうとしたけど、アリシアさんはクスクス笑い続けている。いじわる!


「じゃぁ、そろそろ上がろうかな? 本当にのぼせるといけないからね」


 わたしは長い髪と体を拭いてアリシアさんの後を追いかけた。




* * *


「ここかな?」


 ボクは1人で町を歩いてゴクエン山の麓にある大浴場に向かった。村長さんが自慢していたとおり豪華な造りだ! 凄く広くて白い湯気が立ち上がっている。


「おや、見ない顔だね、どこから来たんだい?」


 先に温泉に浸かっていたおじいさんがボクに気づいて話しかける。


「ドルマン王国から来ました。レッドドラゴンを討伐するように王様から命令されたので」


「それは驚いた! 村長さんが言っていた戦士とは君のことだったのか!」


 おじいさんが目を見開いてボクを見る。


「ありがとう、君のおかげでこうしてまた温泉に浸かれて()()も治った。本当に感謝している」


 おじいさんはボクにお礼を言うと、脱衣所に向かう。誰もいなくなって1人でのんびりと湯に浸かっていると……


「よう! また会ったな!」


 誰かがボクの肩を叩く。この声は!


「ニックさん!」


 ワイバーンの群れを一緒に倒して、それからはぐれてしまったけど、また会えるとは思わなかった。


「話は聞いたぜ、レッドドラゴンを倒したそうだな。やるじゃねーか」


「ボクは何も、ほとんどアリシア師匠のおかげです」


「アリシア……あの鎧を着た女性騎士のことだよな?」


「はいそうです」


「なるほど、確かにいい剣筋をしていたな、それにエルフの嬢ちゃんもいいサポートをしていた。なかなかいいチームだな」


 ニックさんは感心しながら頷くと……


「それにどっちも美人じゃねーか!」


 っと付け足した。


「羨ましいな、変われよルーク」


「そんな事ボクに言われましても……」


「あのエルフの嬢ちゃんは随分とお前の事をしたっていた様子だぜ」


「そうなのですか? 気づかなかった」


「お前は乙女心を分かっていないな、今度休日にでも王国を一緒に見て回ってきな。ドルマン王国とかオススメだぜ、あそこはいい国だ何でも揃っている」


「えっと……ボク達ドルマン王国から来たんです」


「なんだ、そうだったのか、また近々オレも訪れようと思っているからそん時はよろしくな」


 ニックさんは豪快に笑い、ボクの肩をもう一度叩いた。それからも旅の話や訪れた国のことで盛り上がり、随分と話しあった。危うくのぼせるところだっけど……

ご覧いただきありがとうございました。


ゴクエンの村編はこれで終わりです。次回は休憩回となります。ドルマン王国をのんびりと観光します♪


続きが読みたい、面白い! と思った方はブックマーク、高評価していだだけると泣いて喜びます(笑)


それでは13話でお待ちしています。21時10分頃に投稿します。タイトルは「ただいまドルマン王国」です!

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前作の作品です。仮想の世界を舞台に、データーの世界に閉じ込められるお話です。無事にプレイヤーは元の世界に帰れるのか? そもそも誰がこんなゲームを作ったのか? 各章は30分ほどでサクッと読めます。イラスト&表紙付きです♪ 仮想からの脱出ゲーム
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