最後の時
天界との戦闘も終わり、アンブロシアは守られた。メルティアはすでに細胞の回復、蘇生限界を超えていたため、蘇生は成功したがもうわずかに話す時間しか残されていなかった。そしてメルティアは愛する者たちと最後の別れを告げる。そして自分の遺伝子を残して次の時代へと物語をつないでいくのであった。
メルティアの亡骸は、酷く傷んでおり目も当てられない状態であった。
クロエは、泣きながらメルティアに蘇生魔法をかける。
周囲には、シェスター・シーベル・アルフィン・アンゼル・4魔聖・彼女が育てた魔道士達が囲んでいる。
メルティアは、静かに目を開ける。
「あぁ、最後まで目は見えないなぁ」
切なそうに天井を見つめた。
「メル、やっと戻って来たんだ、ゆっくり休めよ。」シェスターが気休め言葉をかける。
メルティアは、誰に向けるとも無しに微笑むと、ゆっくり話し出す。
「シェス、私はもうダメだから、ゆっくりしてられないの。シェス?今までありがとう。約束どおり最後まで一緒にいてくれたね。」
シェスターはもう、顔をぐしゃぐしゃにして泣き崩れた。
「そして皆んなありがとう。直ぐに帰って来るから待っててね。」
「うん?メルどう言うこと?」アルフィンか、問う。
「私の卵子が保存して有ります。私を二人作って下さい。その子たちを私の代わりに可愛がってあげてほしいの。」
アンゼルは、頷いてメルティアの額にキスをすると話し出す。
「短い間だったが、其方は大きな争い無しにこの大陸の統一に成功した。私には出来なかった事だ。そればかりか、神の裁きを全て食い止め、地上を守った。本来争いの嫌いな其方が先頭になって戦って勝ち得た勝利だ。立派だったぞ。お前は自慢の娘だ。」
「嬉しいなぁ、こんなに褒められたの初めてだね。あっ、それでねお父様・・・私が死んだら、組織保存槽に入れて、生命だけ維持してください。そして、シェスターとシーベルの遺伝子と交配した卵子を私のお腹に戻してください。」
「そ、其方はこの期に及んで母親までやろうと言うのか⁉︎」「だって、こんな事誰にも頼めないし、より自分に近い自分を作らないと、皆んな寂しがるでしょ?もう1年間お母さん人形として頑張るよ。」
クロエが涙を溜めて宣言する。「私に任せて下さい。必ずメル姉の子ども守って見せるから。不老魔法も一旦解除するね。」
「シーベル?今度は私を一人もらってね。今の私は半分に出来なかったから・・・」
シーベルも我慢出来ず泣き崩れた。
「大丈夫、きっと皆んなで、幸せにやっていけるはずだよ。皆んな大好きだよぉ・・・・・・」メルティアは、静かに息を引き取った。
幸せを追い求めていたはずが、いつの間にか国を守り率い、最後には神々と戦う運命を受け入れそして散っていったメルティア。これから、メルティアの残した子どもたちの新しい物語が始まるのであった。
お付き合いありがとうございました。次は残されたメルティアの子供が新たに紡ぐ物語を書いていきます。よろしくお願いいたします。乱筆乱文おつきあいありがとうございました。




