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戦聖女は楽園を探し求める。  作者: バナナード
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幽閉

 メルティアはプロメテウスに連れ去られてしまった。プロメテウスはメルティア、強いては地上に悪い感情を持っており、捕まったメルティアはただでは済まない。そんななか、速やかに動いたのはメルティアの恋人であり、アンブロシアの大賢者であるシェスターであった。そんなシェスターもメルティアを人質にとられ敢え無く捕まる。そんな中、神の中でも有力な女神であるアテナが介入した。

 メルティアは、最悪の形で天界に捕獲されてしまった。本来の天界の総意は、メルティアを傷つける事なく、地上の平和と引き換えとして天界に貢献させる事であったが、今回については完全な隷属としての幽閉となってしまった。


 メルティアは天界の最奥の部屋で目覚めた。全身は魔法が使えない様に毒と呪詛を打ち込まれている上に、盲目状態なのである。全身の痛みと痺れ、一人の心細さから、涙が止まらない。現状では、苦痛に耐える事以外に出来る事はなにもなかった。




 アルセンシア城は、大騒ぎになっていた。それどころか、自責の念とメルティアが奪われた喪失感から、シェスターは天界の鍵をもって一人で打って出てしまったのだ。


 このままでは、人間界自体が天に反逆する意志があるとみなされてしまうのだ。


 既に、シェスターは天界門の前に立っていた。大天使達が門を囲み守っていて、一部はシェスターに襲いかかってきていた。光の矢が降り注ぎ、シェスターはそれを難なく防御していた。


 「どいてくれ!お前らに用は無いんだ。」


 『クリスタル・シールド・ウォール』


 《バキバキバキキィィィ》


 天界門に向かって氷の壁が聳え立ち、シェスターの道を切り開いていく。中央を悠々と歩いて通る。  

  

 門をくぐると、無数の天使軍が襲いかかって来るが、シェスターの氷結弾が周囲の敵を凍らせて地面に落としていく。


 シェスターは、バカでは無い。殺さずに退かせているのだ。


 「まち給え!私はヘルメス。君の目的を聞こう。」


 「白々しいな、我が主!メルティアを返して貰おう。」


 「それは難しいな。彼女は地上に返すには危険過ぎる。さらには、彼女は別の神の手に落ちているから、現在の所私にも手が出せない。」


 「言い訳は、聞けない。メルは、僕の眼の前で攫われたからには責任を取るべきなのは私だ。プロメテウスは、何処だ!」かなり怒っている。


 「此方としては、天界に仇なすつもりも無いが、メルの身柄確保と、プロメテウスに落とし前をつけさせる必要がある。」


 「いい、度胸だな虫ケラの分際で。私ならここだ!」


 プロメテウスは、メルティアを抱えて空中からシェスターを見下ろしている。


 メルティアは、精一杯叫び声を上げる。「シェス!逃げて!この神は、空間そのものよぉ・・・」シェスターは、何を言っているか分からない。


 プロメテウスは、抱えているメルティアの髪を掴んで吊るした状況から、神剣をメルティアの腹に突き刺して抉る。悲痛な悲鳴が響き渡る。


 「どうする?この女の意志でもあるが、お前を逃してやってもいいぞ。」


 「メルを返せ!」


 「抵抗すれば、この女の首を切るぞ?」こんどは、メルティアの左肩を神剣で抉る。再び力のない悲鳴が上がる。


 「やめろ!メルに手を出すな。」完全に人質に取られてしまった。


 プロメテウスは毒と呪詛を打ち込むと、シェスターも捕らえてしまった。





 プロメテウスは、上機嫌であった。誰も捕らえられなかったアンブロシア戦力を2人も捕らえたのだ。二人の処遇は神達の話し合いできまることになった。


 メルティアとシェスターは、同じ部屋に放り込まれた。痛みと痺れに耐えながらシェスターは、やっと会えたメルティアを抱きしめる。


 「助けに来てくれたの?ありがとう・・・」


 「捕まっちゃうって、カッコ悪いけどね。一人にしない約束だけは、果たしたかな・・・」


 メルティアは、全身傷だらけで、神剣で突かれた傷が酷くて出血が止まらない状況だった。そう長い時間治療無しで様子が見れない状況だった。





  神々はメルティアをこのまま殺してしまうか、生かして幽閉するか話しは紛糾した。幽閉すると、また強力な魔法師が天界に攻めて来ないともかぎらないという懸念があり、殺した場合は、この事を遺憾を残したアンブロシアがいつか反旗を翻すかも知れない。


 「この件は、このアテナに任せて任せて貰えませんか?戦となれば先陣を切る私ならばこの件の責任を持つべき資格があると考えますが・・・」この件はアテナに一任される事となった。




 アテナは、治療班を引き連れてメルティアの幽閉されている部屋に入った。部屋は、血塗れで惨憺たる状況で、部屋の端で抱き合って蹲っている一人の天使と魔法師がいた。


 「これはあまりに酷いな・・・」


 アテナは呟くとメルティアとシェスターの傷の処置をさせた。アテナはここまで酷い状態は、想定しておらず、最初の判断が、幽閉の解除であった。もはや、放っておいても何もできないと判断したのだ。


 翌日、アテナは二人の話しを聴いていた。神書に記された神託の事、アンブロシアの考え、反逆の意志がない事、ポセイドンとの関係を説明。アテナは痛く納得していた。


 「申し訳なかった、地上を護る君達を誤解していたのは天界の過ちだ、確かに君達が支配した大陸は、平和である事は知っている。私は、君達の解放を要求しよう。」約束してくれたのだった。

ご閲覧ありがとうございます。ご胃炎ご感想ありましたらご教示願います。

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