天使と邪神
今回は天使と融合して人でなくなったメルティアが、神託の阻止を目的に動き出すというお話です。ご閲覧よろしくお願いします。
メルティアは、アンブロシアの守護天使として頂点に立った。神殿の大テラスから国民を前にして、そのお披露目が行われた。
メルティアは、薄桃色のかかった銀白の長い髪を靡かせ、その美しい容姿、深く透き通った明るい瑠璃色の瞳は、既に人を超越した美しさ。そして、何よりもそれを証明する、6枚の大きな翼を広げて、変化の時を告げていた。
「私は、神書に記載された神託に基づき、偉大なる熾天使と融合しました。まだ見ぬ大災害・神との諍いから生じるであろう聖戦は、私たちが裁かれる側として記されています。しかし、我々は何も悪いことはして居ません。黙って裁きを受ける訳には参りません。そして、その準備は緩やかに進んでいますが、いつ神託が降るのか、誰も知りません。だから、わたしは、この姿でその時を待つ事になりました。皆さんは、今まで通り清く健やかにお過ごしください。ですが、ひとつだけ・・・覚悟をお願い致します。私たちは、神に剣を向ける事になると言う事を!」
静寂と戸惑いを静かに押し退ける様に、歓声は全てを覆い尽くしていった。
メルティアの聖女の祝福は強力でアンブロシアは、豊かさにおいて、極めて安定しており魔族領の支援の出資を差し引いても、かなりの余裕がある状況であった。
神託が動き出す気配は今の所はなく、予言に出てくる最後の人物も定かでは無い。今は気を引き締めて普段の生活を営むしか無いのだ。
思案が続くなか、ふとシーライオスの賢者ナームの存在を思い出した。彼女は、見識が非常に広く、いつも、彼女の意見は閃く様に核心を突いてくるのだ。
「ディオラスの賢者ナームの、意見を聞きたいですね。シーライオスへ出かけます。」
従者には、シーベルとファンタムが付き添うことになった。
賢者ナームは、大陸内の諸国が国力を強化している状況からディオラス王国お抱え賢者として召し抱えられていた。
ディオラスの王城に面会に行く事になった。すでにディオラス王国の実権は第一王子に託されていたため、今回の面会は第一王子・ナーム・メルティア・ランスと護衛2人の6人での階段となった。
「メルちゃん、久しぶり!会わない間に天使になってたのには驚いたけど、可愛いからいいと思うよ。」
「ありがとうナーム師匠。それから面会を許可していただいた王子にも感謝します。」
「なにを今更、アンブロシアの最高責任者の依頼が通らないはずないからね。」
「メルちゃんが居なくなったあと、町中が暗くなって大変だったんだからね。」
「うん、私どんどん変になっちゃったから、迷惑かけない様にするので必死だったんだ。でも、また、帰ってこれて良かった・・・」
「アンブロシアが非侵略宣言をしてから、大陸内が平和になったしね。みんなメルちゃんのお陰だからね。」
「うん、戦争は嫌い。」
会談は、笑い声の中進行した。まず、メルティアから、神書の内容と神託の説明がなされ、ナームやランス・王子から関連事項の情報公開がされていった。
まず、直近ではディオラスからアルメリアで、大規模な邪神信仰が広がっている事、これはどうも単なる邪神教徒によるものではなく、邪神そのものが動いている結果でありそうなのである。
神託に関しては、目ぼしい情報は無い様で、神託の賢き者は、目処は立たなかった。
メルティアが関わる様になってからのディオラスは、豊かであり、メルティアが去ってからも祝福の影響が残っている様だった。
あとは、海底神殿が関係している可能性については、否定できないと言う情報はありそうであった。
情報交換は終了し、其々にアンブロシアからのお土産が渡された。
ランスには、メルティアが錬金魔法を使って作り上げた、雷神剣が渡された。この剣にはシーベルの真紅の雷撃を参考に構築されたエフェクトが付与されており、災害級の破壊力が与えられた魔法剣である。
ナームには、自らの天使の羽根を織り込んだローブをプレゼント。天使の持つ神聖力が纏う者の、魔力を2から3倍まで高めてくれるほか、メルティアが結界保護を付与して災害級未満のダメージは全て無効化してしまうのだ。
王子には、大聖女の祝福を封印した宝珠を渡した。宝珠はメルティア自身が放つ祝福程の効果は、無いが国が立て直せる程度の効果が付与されていた。
「メルちゃんありがとう、アンブロシアと我が国が良い関係である事を約束するよ。」王子は礼を述べた。
結局は相談でナームとランスは、邪神討伐、メルティアは、海底神殿調査に向かう事になった。
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