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戦聖女は楽園を探し求める。  作者: バナナード
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変態

メルティアは、天使を自分の身体に取り込むために戦います。天使の力を勝ち取ったメルティア。別の世界へと旅立つ準備をするのでした。

シェスターと迎える朝は、いつもボロボロである。シェスターは性的に見た目よりも遥かにタフなのだが、メルティアは聖女であるためか祝福の影響で翌日には、ほぼ初夜の状態に戻ってしまい、慣れる事がないのだ。


 シェスターは、いつも立つ事も出来ないメルティアを抱き抱えて、一緒に浴室に入るのが約束になっていた。


 「もしかしたら、こんな事できるのは、これで最後かもしれないね。」


 「そっか・・・今日天使になっちゃうのか・・・」


 「普通なら、魔力と彼らの持つ神聖力は、反発するらしいんだけど私の聖属性の魔力とは相性がいいらしいんだ。」


 「本当だね。まるで君の為に準備されたものみたいなんだなぁ。」


 「母様の意志を継ぐっていっても少し切ないよね。」微笑みながら涙が溢れた。


 「でも、足りないと言うんなら、もっと力つけないとダメだもんね。皆んなを守るんだ。」






 「熾天使ティアルキア・熾天使レイセフィアよ、覚悟は出来ました。私に貴方達の力を下さい。」


 いつもながら相性の悪い実験室の中央に座り込んで2天使が降臨するのを待つ。


 突然魔法陣に火が灯り急激に逆回転を始め、魔法陣は砕け散った。


 「ふふふっ、力を寄越せだ?それは、こちらのセリフだ!」


 「そうね。これでこの身体は、勝ち取った者の戦利品だからね。」


 「小娘よ、力が欲しければ我らから勝ち取るがいい。」


 「私この身体が欲しいわ。とっても綺麗。長い間待った甲斐があったわ。」


 《いやあああああああっ》


 メルティアの悲鳴が響き渡る。手足、体躯は、大量の血液が血飛沫となって飛び散る。


 傷はすぐに治癒するが、また血飛沫が上がり、何度も繰り返す。


 「だっダメ、渡せない。あっ、キャアアアアアァァァァァッ」身体の中で戦っているのだ。


 「負けられないっ」


 『ホーリィ・セルフバーニング‼︎』


 メルティアとも熾天使のものともつかない悲鳴が響き渡る。


 血塗れのメルティアが力無く座り込んでいる。大量の吐血をして、儚く倒れ込む。


 「メル!無理だ‼︎もうやめてくれ!」


 シェスターがメルティアに駆け寄り抱きしめる。


 「ダメ、離れて・・・まだ終わって無いの・・・」


 メルティアは、シェスターを切なそうに見つめると、魔法構成を組んでいく・・・


 「私の身体が欲しいなら、この聖なる業火に耐えてごらんなさい!私が燃え尽きるか、貴方達が従ってくれるまでやめてあげないんだからぁ‼︎」


 『ホーリィ・セルフバーニングぅ!』

全てが純白の世界に包まれる。


 何も見えない・・・。光が収まると、そこには赤黒く消し炭のようになったメルティアが血の涙を流して力無く座り込んでいる。


 「いい覚悟だ・・・いいだろう。力は貸してやる。」


 「仕方ないわね。これ以上火傷したくないわ・・・」


 両耳のピアスが光り出して、光がメルティアの身体に取り込まれて行く。


 光が消えると背中に大きな6枚の薄桃色の翼が生え、瞳は水晶の様に澄んだ明るい青色に変化。


 メルティアは、もっと人間離れした変化を予想していたが、見た目の変化は比較的少なくて安心していた。


 シェスターは、すぐに研究室に飛び込んできてメルティアに抱き付いた。


 「よかった・・・生きててくれた・・・」泣きべそをかいていた。


 「大丈夫、戻ってきたよ。心配かけてごめんね。」メルティアは、優しく微笑む。


 「外見の変化は翼と瞳だけだったから、良かったかも・・・でも、全部ドレス直さないと駄目かなぁ。」






 戦聖女として、熾天使を取り込んだ変化は凄まじい変化だった。


 まず、異なったのは、魔素の質が大きく変化した。今までの魔力に加えて神聖力が加わる事によって、今まで使っていた魔法の効果が、10倍以上に跳ね上がってしまった。


 この事によりメルティアは、初級の攻撃魔法すら使えなくなってしまった。ファイヤー・ボールすらファイヤー・ストーム以上の破壊力を持ってしまったのだ。


 破壊力があり過ぎて、大魔法よりも低火力な攻撃魔法は、使えなくなってしまった。


 ほかにも、天属性魔法(時間操作・節理変更操作・万物生成)や高度空間操作魔法・高密度粒子魔法などの超特殊魔法が使用可能となったが、周囲への影響が想定できない魔法ばかりであった。


 実際には、もう回復と補助系魔法以外は実質、使えなくなってしまったのだ。


 「今から時がくるまで、聖女に徹する事にしました。後はお願いしますねぇ。」


 教皇アンゼルは、静かに語り出す。


 「もう、良いのではないか?セリス・・・お前は、我がアンブロシア聖教国の奉る、あるべき神となったのだ。」


 「何か寂しいなぁ・・・覚醒した時より皆んなが遠い気がするよ。」


 「セリスよ、乗り越えて、認めるのだ。これより、私も其方のしもべだ。・・・私も寂しくないとは言わない。だがそれ以上に誇らしく思うのだ。」


 「心配するな。メル、僕は傍にいるよ。」シェスターは、すぐにフォローする。


 続く様に、シーベル・アルフィン・カルセド・4魔聖・7人の幼魔道師達は、膝をつき忠誠を誓う。


 「メル姉が神様って・・・僕たちにとって始めから神様だったんだからなにも変わらないよ。」


 セージがハッキリとメルティアにつげる。「これからもずっと一緒だ!勝手に独りにならないでくれ。」


 温かな仲間たちの声が追いかけてくる。


 メルティアは、声を上げて泣いた。返事は声にもならなかった。

出来ましたら、ご意見ご評価などいただけたら幸いです。よろしくお願いいたします。

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