魔力爆発
反応も良くないようなので、少しおやすみしたいとおもいます。
魔力実験室の中央にはあの忌々しい魔力制御用の強力な魔法陣が何重にも構成され植え付けられている。
魔道技師には爆発時に周囲にエネルギーが漏れないように最大出力で防御壁を展開するように指示したが、メルティアの指示でシェスターとシーベル、アルフィンにも魔法障壁を追加して展開するように指示していた。
「じゃ、みんな行ってくるね。」メルティアは一人で魔法人の中心に仰向けに横たわると、魔力を練り始める。
操作室の計器では急激な魔力の増幅が認められ、すでにメーターは振り切れている。
「では、いくよ!!」メルティアを中心として薄桃色の魔力波動が急激に拡大してすべてを包み込む。
すべての魔力備蓄槽は全て満タンであとは漏れ出さないように守るだけの状況になっている。まだエネルギーの放出は続く。
「いや、まだメルティアは魔力爆発は起こしていないよ・・・まずくないか?本番はこれからだぞ。」
「防御壁展開を最大出力にしてくれみんな・・・きっと爆発に耐えられない。」
アンブロシアトップの魔力集団が慌てて魔力強化を実行する。
《ズドドドオオオオオオオオオォォォォォォ》すさまじい地響きとともにさらに激しい光がすべてを覆いつくす。
魔力障壁もすべて破壊されるほどの破壊力であった。危機一髪で爆発は収まったのだ。
その後も数時間におよび、充満したメルティアのピンク色の魔素が消えることはなかった。
その強力な魔素の中、我慢できずにシェスターはメルティアを探した。不思議なのは通常であればこれだけの魔素の中に飛び込めば間違いなく被ばくによって数分も生きていられないのだが、なぜかシェスターは生きている。
そしてメルティアを探し続けた。見つけた!!メルティアは魔法陣の中心にうずくまっていた。
早く連れ出して回復魔法をかけないといけない。シェスターは必死だった。メルティアを抱きかかえると濃い魔素の中を走る。
操作室に入りすぐに回復魔法をかけ続ける。もちろん魔封の首輪は溶けて消失している。3人が全力で回復魔法、浄化、再生魔法をかけ続ける。
全身にあった傷や、骨折などの物理的な損傷は何とか完治させた。心臓も動いている。ただ意識が戻らない。回復室に移動させて様子を見ることになった。
メルティアの胎内の魔力は、不安定かつ莫大であった。
「なんて事だあれだけの魔力爆発の直後にも関わらず、魔力が胎内に半分以上残っているなんてあり得ない。」
魔道技師は、驚愕している。覚醒後も魔力容量が増大し続けていた事になる。
魔道技師がいうには、もう死亡する可能性は低い、ただし魔法暴発のショックから、精神的に回復できるかどうか、生体調節機能が破綻していないかどうかが問題との事だった。
「メルが死なないと言うことが分かれば、メルが気が付いた時に、ガッカリしないようにやるべき事をやるだけだ。」
「そうだね。メル姉が帰ってくるまでに、魔族と人の生活ができる町を整備しておこう。」シーベルとセージが、動き出す。
「成程ね。じゃあ私は、アルセンシア城に戻って、内政の整備でもしておくよ。」アルフィンも立ち上がって、自らやるべき事に向き合い始めた。
カルセドは、国内の戦力強化の為、他の将軍達と相談をすべく会議の設定である。
メルティアが生きていると言う事がそれだけで大きな事なのだ。
「なら、僕は・・・」シェスターが声を出すが遮られる。
「シェスあんたは、メルの側に付いているのが仕事だよ。」アルフィンは、一言いってシェスターを嗜めた。
シェスターは、横たわるメルティアを見つめていた。
銀白でサラサラな長い髪、閉じて尚大きな目、流れる様な綺麗に伸びた睫毛、淡い桃色を帯びた白い肌は、シルクの様にきめが細かく、触れるとしっとりと吸い付いてくるかの様な肌触り、どれをとっても天使のそれなのである。
「メル、早く戻っておいで、、、見てるだけじゃもう我慢出来ないよ・・・君の感覚を思い出すだけで、なんでかな・・・涙が出ちゃうんだ。」メルティアの手を強く握ると、シェスターは、話しかける。
いつしか、シェスターはメルティアの枕元にうつ伏せて眠っていた。
ふとすると、シェスターの頬に暖かな手が触れる。メルティアが目を覚ましていた。
「ふふっ」微笑むと、枕元で泣きながらうつ伏せるシェスターを見つめて呟く。
「シェスは、泣き虫だなぁ・・・大丈夫、私は貴方の所にちゃんと帰って来るんだから心配いらないのに・・・」
メルティアの覚醒後の成長は、実際魔封アイテムに隠されて分からなかったのだが、著しいものだった。魔力爆発を起こして尚余裕がある状況になっており、体力的な問題になる程の問題にはならなかったのだ。
それどころか、魔力爆発を意図的にに誘発してコントロール出来る余裕すらあったのだ。
「あっあれ?メル?起きてたの?・・・」
シェスターは、メルティアを抱きしめて、離さない。
「いっ痛いよシェス。」
「ごめん、でも離したくないんだ。」
キョトンとした目でシェスターを見つめながら、微笑む。
「大丈夫、シェスを置いて行ったりしないよ。こうやってシェスが甘えてくれるのが、とっても嬉しいの。」メルティアもシェスターを抱きしめ返す。
「なんか私、魔力爆発をコントロール出来る様になっちゃった。なんかまた化け物じみて来たかも・・・」
今までありがとうございました。




