もう一人の大賢者
今更ながらシェスターのライバル登場です。面白くなるかな?かかわらせるのが難しいかも。
シーベルとしては、メルティアと一緒に居る事に対しては好感しているが、シェスターとメルティアが良い仲である事は、納得出来なかった。
メルティアがアンブロシアを追われた時までは、シーベルとシェスターは、同じ立場であったはずである。
シーベルはステータス上も負けてはいないのだ。
シーベルは、Lv80 体力1684 攻撃力1628 防御力1771 魔力4008 魔法防御3859 素早さ2025 器用さ1754 運668
属性は、火S・水S・風S・土S・雷SS・光B・闇B・無A・聖B 称号;大賢者
ほぼシェスター同等のステータスを誇る。
同日、教皇アンゼルに謁見し、階位の譲渡と誓約を交わした。
「ひとつ確認するが、お前は、命令に背いてメルティアの逃走に関与したと、考えているが相違ないか?」
「間違いございません。」
「では、其方の所属は余ではなく、セリスだ!シェスターら共々セリスに忠誠を誓うが良い。余の指示は無視して動け。セリスを泣かせるなよ!」
シーベルは、ニヤリと笑うと言い放つ。
「メルの為なら死にますよ。」逆に重責を負わされる結果となった。
メルティアは、いつも通りシェスターの帰りを待っていたが、いっこうに帰って来ない。心配になってきた頃、突然アルフィンが部屋に飛び込んできた。
「まっ、不味いよ二人とも本気だ‼︎」
予想通りシェスターとシーベルがメルティアをかけて決闘を始めたのだ。
魔法戦専用の闘技場で、二人は静かに戦い始めていた。何故かそこには、アンゼルまで傍観しており不思議な雰囲気を醸し出していた。メルティアが駆け付けてくる。
「お父様!何故止めてくれないのですか!」
「いや、父として、より強い男に娘を嫁がせるのが道理であろう。」
「そんな事言って、面白がってるんでしょう?」戦闘は続いている。
『インフィニティ・クリムゾン・プラズマ!』シーベルの最強魔法がシェスターに襲いかかる。
『インフィニティ・ゼロ・フィールド』シェスターも最強魔法で応戦。
噛み合わないはずの攻撃同士が、純粋なエネルギーとしてぶつかり合う。閃光と共に大爆発を起こす。お互いがエネルギー波動を防ぎきれずにズタズタになって行く。
「ダメ!なんでこんなに本気になれるわけ?こんなのどちらか死んじゃうよ。」
「まだまだぁ、今度は此方の番だ!」
『インテグラル・フリーズ・アロー』シェスターの周囲一帯から高硬度の氷の矢が高速で放たれる。
シーベルは全てを避けきれないが、防御と共に範囲魔法を放つ。
『クリティカル・サンダー・ストーム!』
双方にダメージがあり、動けなくなる。
シーベルは、何発か氷の矢が当たり手足が部分的に凍結している。シェスターは、雷に打たれて動けなくなっていた。ほぼ互角の勝負である。
「そうでなくては、やりがいが無い。次当たりが、決めどきかね・・・」シーベルが呟く。
『クリムゾン・ボルテックス』
深紅の電撃の光球を放ち、一緒に『ナイトメア・ソーン』を同時に放つ隠し技で勝負に出る。
シェスターは、『ダイアモンド・フレア・バースト!』一撃必殺だ。
これはまた高出力魔法の衝突であるが、今度こそどちらか死にかねない。
メルティアが我慢出来ず、空間転移で割って入る。
『オメガ・シャイン・フィールド‼︎』
二人の極大魔法を防ぎ切るが、隠し球の『ナイトメア・ソーン』をメルティアは、まともに食らってしまう
「きゃあああ」悲鳴が上がる。
付与された効果は、最強レベルの痛みと、精神攻撃である。
メルティアが、崩れ落ちた。完全に痛みで気を失っている。
「そこまで!勝負は、引き分けだ!アンゼルは、言い放つと、メルティアを抱き抱えると救護室へ連れていった。
決闘は中止された。
「全く余計なことしおって・・・男の勝負に横槍を入れるからこうなる。」
メルティアは、まだ意識が戻らないが、痛みにもがきながら、シェスターを呼んでいる。
「シェス行っちゃやだ、お願い!行かないで・・・」泣き叫び始める。
ナイトメア・ソーンの精神攻撃は、自分が一番嫌な事を繰り返し考え続けさせられるという効果である。
「メル、大丈夫?」
シェスターとシーベルが急いで入って来た。
「シェス!シェスぅお願い置いていかないで!何故行っちゃうの?だめぇぇ・・・」
メルティアは、一人で痛みと悪夢に、身を捩りながら叫び続ける。
「今日は、お前に譲ってやるよ・・・そのうち追いつくから・・・」シーベルは、元気無く部屋を出ていった。
アンゼルもシェスターの肩を叩いて退室していった。
『ペンレスヒール!』鎮痛魔法をかけるとメルティアの手を握る。
苦痛はメルティアの目が覚めるまで続いた。目が覚めたメルティアは、恐怖で全身を震えさせてシェスターの胸に力いっぱいしがみついて泣いている。
「シェス・・・シェスぅ行かないでぇ」
メルティアにとって最も恐れている事は、シェスターと離れ離れになる事であったようだ。
この事をきっかけに、メルティアは笑わなくなってしまった。
少しでもシェスターが見えなくなると、泣き出してしまうのだ。シェスターは、嬉しくも切ない気持ちだった。
「メル?メルはどんな夢みてたの?」メルティアを抱きしめて、聞いてみる。
「・・・シェスが私の側から居なくなってしまうの。理由は解らないんだけど、寂しそうな笑顔で去って行ったり、楽しそうに手を振りなが誰かと離れて行くの。その後は、何も無いたった一人の空間に取り残されるの。誰も助けに来てくれないの。」
「大丈夫、それは夢だ!僕は君の傍を離れたりしない。一緒にいるから心配しないで。」
メルティアはシェスターの胸に縋り付いて泣きじゃくる。
「お願い、私をめちゃくちゃにしてもいいから、どんな酷い事されてもいいから置いて行かないで・・・一人にしないで・・・お願いだから・・・」
シェスターは、どうしていいかも分からず、ただ抱きしめた。
よろしくお願いいたします。




