悪人退治
今回は、悪人退治の裏にある邪教を背景に、邪心との戦いになる流れです。見てあげてください。
それから一月少年達は成長していた。
「さて、これからが、貴方たちの本当の仕事です。困った人達の話を聞いて、何をすべきか考えなさい。」
三人ひとグループとして各家をまわった。
話をまとめると、アロジーラ一家というマフィアが、ここで生活する為の見ヶ〆料として、一月に銀貨10枚を出さないといけないのだ。
さもないと働ける者は奴隷に売られて、動けない者は暴力を振るわれて、酷いと殺されてしまうと言う事だった。
しかも、儲けの6割は、税金で払わなくてはならず逃げ出そうとする住民も、この領から外に出さないようにしていると言うのだ。
町には、いつも、奴隷商のゴロツキがうろついており、領主も取り締まらないと言う。
まずは、この、マフィアから潰さないとどうしょうもないと言う結論だった。
とはいえ、此方から一方的に、攻め込んでは大義名文が無いのだ。
そこで、町で豊かに生活し、マフィアから非合法な行為をさせて証拠を掴んだ上で、抗争に持ち込む事にしたのだ。
本日は、町の人達の為に、豪華な炊き出しを行なって、各家に配るようににして罠を張った。
炊き出し開始早々に、大勢のゴロツキが因縁をつけてくる、ちょろいのだ。
「おいおい、我々の島で勝手な事して貰ってはこまるなぁ。あぁ所場代は、いいからあんたが身体で払ってくれよ。」来ました、お決まりの流れである。
メルティアは、連れて行かれそうな振りをする。「助けてください、セージ、シェスター!」わざとらしく、叫ぶ。
「メル姉に、何をする。」
セージがゴロツキに飛びつくと、殴られて吹き飛ぶ。予定どおりだ。周囲から、他の子供達も飛び出してくる。
メルティアもゴロツキの腕の中で暴れ出し、上手く左腕をナイフで斬らせる事に成功した。
良し!攻撃開始だ。これからは、正当防衛だ。
「お姉ちゃんをキズ付けたな!」
男の子3人のひとり、ラディルが先制攻撃をかける。ショートソードでゴロツキと打ち合い、わざとらしく負けそうになると、数人のゴロツキが集まった所で、一気に魔法を使う。
『アースバインド!』5人を土の中に閉じ込めた。
かたや一見逃げまわっている女の子、リゼリアは3人に追い詰められるが集まった所でまたもや魔法発動!
『アイスニードル!』3人の足は、無数の氷の針に貫かれ動けなくなる。
『エアインパクト!』数人が急激な空気の爆発で気絶。
『パラライズ!』また数人が感電して動けなくなる。
20人以上居たゴロツキをあっという間に動けなくなしたのだ。幼い魔法師達の勝利だった。
捕まえたゴロツキから、話を聞くと、マフィアのボスと領主、奴隷商がグルになり、行なっている悪行であった事が分かった。完全な犯罪の証拠を得たのだ。
まずは、マフィアのアジトと奴隷商の商家に襲撃である。マフィアのボスと奴隷商を捕まえて、領主の前で、悪事を白状させるのだ。
まずは、メルティア率いる4人でマフィアを襲撃。幼い魔法師達は、あっという間にマフィアを全員捕らえた。関連資料は、メルティアが抑えてコネのある王都へ転送した。
奴隷商は、シェスターと3人が制圧し、こちらも証拠となる資料は、王都へ送った。
資料から彼らの家族と思われる奴隷の売却先を探し、手配もした。忙しいのだ。明日には、領主の館に殴り込みである。
程なく、領主の館はメルティア達の手に落ちた。領主は、邪教に陶酔しており定期的に、奴隷を生贄する行為を繰り返していた。
「貴方は、領主でありながらこの様な悪事に加担して恥ずかしくないのですか!お陰で町は寂れてしまって、ひどい状況ですし、両親のいない孤児がたくさん出てしまいました。これから身をもって責任を取って貰います。数日で王都の沙汰が降ると思いますから覚悟しなさい。」
「うはっうははははぁ」領主は、笑い出し地下室の方へ走って逃げていった。メルティア達は追いかけるが、そこには大きな神殿があり、邪神を祭っている暗黒神殿であった。
「まずいですよ。この邪神はヘカテリオステラ。こいつから発せられる叫びは、聴いた者全てを狂わせ、精神を破壊してしまうんです。いま依代になっている女性は、もう助からないでしょう・・・」
「かっ、母さん!」
「えっって、セージのお母さんなの?」
セージが走って邪神の憑依した母親のところへ駆け寄る。母親は、それでも一度立ち止まって、我が子を見つめ涙を流すがすぐに狂乱状態に戻る。
「あぁ、まだ自我が残ってるのね・・・ふぅっ・・・シェスター?悪いけど戻れなくなったら、私を殺して。」
ブローチを外し、シェスターに渡すと、ヘカテリオステラへ近づいて行く。シェスターが止める間もなかった。
「さあ、貴方が最も欲しがっている、身体をあげるわ!私に乗り移りなさい。」
自分が生贄になり、憑依した邪神を自分と一緒に刺殺してもらおうという作戦だ。
「きゃああああぁぁぁぁぁっ」メルティアは、物凄い叫び声を上げたが直ぐに、かみころして、はなしだす。
「シェス聞いて、チャンス・・・は一度きり、私の中のヘカテ・・・リオステラが完全・・・に私を支配したら、その魂の剣で私の心・・・臓を突き抜いて!そして、ヘカテリオステラが身体か・・・ら離れて天に昇ったら・・・直ぐに、この復活の指輪を私にはめて・・・」
「なんて無茶な事を・・・いくら心配しても足んないよ・・・」シェスターは嘆く。
「うっきゃあああああぁぁぁ」メルティアが発狂する。
「メルぅ帰ってきてくれぇ!」魂の剣で心臓を突き刺す。
《おおおおおん》
ヘカテリオステラは叫んでゆっくりと消えていった。
シェスターはメルティアに指輪をはめる。
暫く待つが目を醒さない。一応心臓は動いてる。メルティアを抱き抱えると、ゆっくりと建物の中のベッドへ寝かせた。
館内の人間は全て幼魔法師達が縛り上げている。
「メル?終わったよ。でも酷いよ・・・ぼくに君を殺させるなんて・・・最低だ!・・・ねぇ早く起きてくれよ。」
シェスターは、泣きながらメルティアを抱きしめ、キスをする。
「うっ、うぅん」少し薄目をあける。
「なっ、きむしだなぁシェスは・・・大丈夫、生きてるよ。ごめんね、酷いことさせて・・・でも、任せられるのシェスしか居ないから・・・」
「よかった・・・戻って来てくれたんだね。」
「いつも心配かけてごめんね。」メルも泣きながらシェスにだきついた。
「本当は、賭けだったの・・・成功率30%・・・」
「おい!なにいってんの?そ、そんな危ない賭けをしたのか!」
「うん・・・だけど私のステータス上今は運が3000超えてるから、いけると考えたんだよ。」
「・・・もう、次は信用しないからね。メルにもしものことがあったら、僕は・・・」
「ごめん、分かったよ。もう、こんな事しないから・・・」メルティアは愛おしそうにシェスターを抱きしめた。
邪神は、メルティアの生命と一緒に天に昇り、メルティアは、復活の指輪の力で九死に一生を得たのだ。
後は、ヘカテリオステラに取り憑かれた際の、後遺症がどの程度かは今は分からなかった。
・・・・・よろしく




