表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦聖女は楽園を探し求める。  作者: バナナード
2/59

冒険

今回は唐突ですが、冒険者となり依頼をこなしながら、魔法の練習を開始する聖女様がみられる回となります。ちゃんと聖女らしい仕事もしてもらいましたし、小説の辻褄はあっているかな?

 レガルの店に戻って、メルティアが大聖女である可能性が高い事、彼女の保身の為に、護衛が必要な事を説明し、理解を得た。


 「大丈夫、私はレガルの傍にいるよ。安心して!」


 「ありがとう。でもな、メルが聖女様だったなんてな・・・お前の思う通りにしてくれて良いからな。」


 「寂しい事言わないで・・・」


 ランスが部屋に入ってくる。


 「さあ、今日からは、魔法の練習しないといけないからね。メルちゃんは、使える魔法あるの?」

 「わからないんですけど、私この魔導書だけ持っているんです。」


 渡された魔導書を開くが、古代文字で記されていて、ランスでは、解読できなかった。


 「メルちゃんなら読めるの?」


 「はい、何とか・・・」


 「なら、その魔導書から、魔法が使えるか、確認していこうか。」


 魔導書は、聖魔法のもので、多くの詠唱が記されていた。


 『インフィニティヒール』『アブソリュートキュア』『インフィニティエリアヒール』『リザレクション』『ホーリーディスペル』『パーフェクトリプロダクション』など最高位回復魔法や、『ホワイトセイバー』『セイントアロー』『ホーリーバースト』『セイントフレア』などの究極の聖属性攻撃魔法まで記載されている。


 これらの聖属性魔法は許された聖魔道士以外には解読出来ず、実際には、メルティア以外には解読・使用できない。実質メルティア専用の魔道書なのだ。


 「これって、みんな究極魔法だから、おいそれと練習は出来ないね・・・」


 モーゼスが店に現れる。


 「ちょうどいい依頼があるよ。戦場での負傷者の治療依頼がきてる。報酬も良いから受けてみたらどうかな?」


 「直接戦闘にならない依頼なら、そこに決めようか。」


 戦場は、ディオラスの北の国境付近で、シドライト帝国との、国境線争奪戦の後方支援部隊の依頼であった。依頼は、聖女または高位回復術師の募集であった。


 現地へのアクセスは、シーライオス城から簡易魔法陣への空間転移で移動する形だ。直ちに現地に、移動するとそこは、地獄絵図と化していた。救護テントの中には、手足が欠損し動かなくなった怪我人や、内臓が飛び出しているもの、両眼を失った者、武器が刺さったままの怪我人など酷い重症者ばかりであった。


 「これって、ひどすぎませんか?」


 メルティアは、口を両手で覆い立ち尽くす。


 「兎に角、ほぼ全員が重症ですね・・・」


 呟くと両手を広げると、魔導書が勝手に宙に浮きメルティアの目の前に展開される。しばしの、詠唱の後、最高位の広範囲回復魔法が放たれる。


 『インフィニティエリアヒール!』

 淡い桃色の優しい光がテントの中を満たして行く。


 光が落ち着くと、そこには完全回復して瞳を丸くしている者、跪きメルティアを涙ながらに拝むもの、平伏する者さまざまであるが、その魔法の効果に嬉々としているのだ。「聖女さま、ありがとうございます。」口々に、告げられている。


 続いて、メルティアは手足の欠損している人達の元に駆け寄り、魔法の詠唱をはじめる。


 『パーフェクトリプロダクション!』

なくなってしまった手足が再生して行く。


 「聖女さま、この御恩は一生忘れません。」

 怪我人は口々に、歓喜の声、感謝の言葉を叫びながら、ただただメルティアに平伏していた。


 程なく救護テントの怪我人は、回復し戦場に戻って行くがどうも戦況が良くない。


 「ランスさん、私の魔法で後方支援できないかしら。」


 「かなり、旗色が悪いですからね。少しだけお手伝いしてみますか?」


 敵は、重装歩兵団とリザードナイト。シーライオス兵は、軽装の歩兵団のみであるため、かなり不利なのだ。味方兵団の後ろに就くと魔法の詠唱に入る。


 『プロテクション・レジスト・アンプリフィケイション・ヘイスト!』


 通常使われる補助魔法であるが、メルティアが使う補助は効果が別物であった。補助を受けた戦士のステータスを2倍以上に跳ね上げるのだ。結果、少しずつ前線を押し返していくのが見える。


 ランスは、メルティアの安全のため自分から前線には出ていかない。


 「敵はリザードナイトが強いですね。あの特殊兵団を崩さない限り勝利はないみたいですね。私も援護射撃してみます。」


 リザードナイトの周囲で、多くの怪我人が出ているのが見て取れる。やはり、この部隊を敗走させないと戦闘は終わりそうもない。部隊が集まっている場所を狙って、広範囲の遠隔攻撃魔法を詠唱し始める。


 『セイントアロー!』


 上空に巨大な魔法陣が出現し、複数の眩い光の矢がリザードナイトに降り注ぐ


 《ずどどどぉぉぉ》


 あっという間に半数を殲滅してししまった。その戦況の変化を見て、味方兵士たちの指揮が上がる。


 「あぁ我らには聖女様が付いている。恐れずにすすめぃ!」戦況は一変した。


 シーライオス軍が国境線を押し切り、敵が撤退して行くのが見える。


 「逆転勝利だ、シーライオス万歳!聖女様万歳!!」勝鬨が上がった。


 戦士達は、一斉にメルティアの周りに集まって、興奮冷めやらない。


 「聖女様貴方は、勝利の女神さまです。本当にありがとうございました。」


 兵士達は、口々に感謝の声を上げ続けた。




 暫くしてギルドに戻り成果を報告して、報酬を受けとる。金貨150枚・1500万円程の価値になるだろう。今回の依頼は大成功に終わった様にみえた。






 一方で敵軍シドライト帝国では、『聖女』の話が大問題になっていた。あれだけの力を持つ魔道士が毎回軍に追従されると不利になる事が明らかであり、それを阻止したいのだ。


 「ならば、停戦協定を餌に聖女の引き渡しを、要求しましょう。」


 総戦力に勝るシドライト帝国は、要求が出来る立場にあるのだ。メルティアは現在ギルド保護下であり、国自体の保護下にはないのだ。


 これで、シーライオスの王族は、メルティアの存在を知る事になったのである。

少しづつ、実際の戦争にも少しづつ介入していく中で、聖女様がどのように変化していくか見守ってくださると幸いです。文章が稚拙です。すみません。勉強になるコメントなどいただけると幸いです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ