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戦聖女は楽園を探し求める。  作者: バナナード
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王城の夜会とスローダンス

本日はお墓掃除で昼にアップロードできませんでした。よろしくお願いします。

遠隔転移で移動するという事を条件に、国王からの呼び出しを了承したメルティアとシェスターは、王都の城門の前に転移完了した。


 今日のメルティアは、身体の線が強調された白に一部に薄桃色をあしらったタイトドレス姿で白いレースのショールを羽織っている。


 ドレスには手の込んだ金糸と銀糸の刺繍が施されており、派手な出立ちである。


 本人曰くシェスターに見てもらう為という事らしい。本来ならもっと清楚な雰囲気の似合うメルティアには、少しミスマッチであるが、そこがまた多くの人たちの注目を集めるのだった。


 シェスターは、謁見もあることからそれなりの姿であるが、彼の淡麗な容姿がそのファッションの質自体をも上げているのだ。


 この二人が城門を通るのだから、門番を含めて騒然とするのである。


 何とか城門を潜ると、正面遠くの方に、アルメリア城が見える。


 周囲の出店を見ものしながら歩いていくが、余りにも美男美女の組み合わせに、寧ろ見ものされている感じだ。


 女性達はシェスターをみては溜め息をつき、メルティアをを見る男性の視線は釘付けなのだ。


 城の門に到着すると、手筈良く城の門から、国王の待つ玉座の間に案内される。


 玉座の横には先日の王太子が、国王の傍に立っている。


 二人は玉座の前に進み出て、シェスターから挨拶をする。


 「私はシェスター・レイアス・レイガルドと申します。アンブロシアのレイガルド伯爵家の三男でございます。現在、妻と一緒に冒険者として旅をしております。」


 「メルティア・セリス・カルバリオン・ド・レイガルドにございます。同じく冒険者にございます。」


 二人とも隙の無い、挨拶を行うと国王の、言葉を拝聴する。


 「ランドラ・フォン・ルキアス・アルメリアである。この度は王太子の身が、ドラゴンに襲われて危険に際したときに、其方たちが救出してくれたというの事に相違ないな。」


 「相違ございません。」


 「しかも、其方達が滞在しているオルナスでは、傷病者の治療や、耕作地の改善、施しなどの、慈善活動を通じて、あの貧しき町を短期間で豊かにしたと聞いている。」


 「そなた達の功績は、決して小さいものではない。我々からこの王都の貴族街での屋敷の提供と、報奨金白金貨100枚を進呈する。」


 「身に余る光栄、感謝いたします。しかしながら私共は、現在放浪の身にて、アルメリアの王都に腰を落ち着ける事ができませんので、お屋敷を頂くわけにはまいりません。」


 「うむ、その件ではあるのだが、この度の真意としては、シェスター殿は宮廷賢者、メルティア殿は聖女という事で正式にアルメリアのために仕えていただきたいと考えておるのだ。メルティア殿は王太子の婚約者として、ゆくゆくは王妃として国を支えていただきたかったのだ。すでに結婚されているとの事は残念であったのだが・・・」


 「はい、誠にありがたい申し出ではあるのですが、実は現在妻メルティアは精神の病を患っておりまして、その治療を兼ねて旅をしているというのが、本当の事情なのです。やはり、この国にとどまることはできないのです。」


 「うむ、もっともな理由であるな。では報奨金としばし王都・王城で生活の日々を満喫いただくという事にいたそう。いかがかな?」


 「ご配慮感謝いたします。それであればありがたくお受けできるかと思います。」


 「うむ、この度はよくぞ参られた。ぜひ本日の夜会にも出席してくだされ。」




 二人は、場内で二部屋を宛がわれ、城内を自由に動けるような許可と、メイドがつけられた。メイドはメルティアとシェスターを別々の部屋に案内したうえで、高級な服を選び着替えを薦めてきた。


 「本日は夜会ですので、メルティア様はドレスを着用していただきます。その前に申し訳ありませんが湯浴みをしていただくので、こちらで、服を脱いでくださいね。」


 メルティアはアンブロシアの城の中では、毒殺や暗殺の可能性があったためメイドはついておらず、ほぼすべて自分で身の回りの事はやっていたのだ。


 「あっ、あの・・・侍女さんに洗ってもらうのが、初めてなのでとても恥ずかしいです。」


 侍女は慣れた手つきで、メルティアの身体を隅々まで洗っていく。


 「メルティア様のお肌はしっとりとしてとてもきれいです。うらやましいですわ。胸も形が良くて少し大き目・・・腰はこんなに細いのに腰はしっかりやわらかい肉付きを保っています。理想的なお体系ですね。うらやましいです。」


 顔から火が出そうだ。


 体は、シェスターにしか触られていないので、何か変な気分になってくる。

 ・・・今日はまたシェスターに可愛がってもらおう・・・少しエッチな想像するのであった。


 メルティアは、裾広がりで綺麗な若草色のイブニングドレスを着せられて会場へ入場となった。


 エスコートは、なんと王太子であった。


 ・・・そう来たか、嵌められたかもしれない。この事はシェスターは、知らない。・・・


 そのころシェスターは、白いタキシードとスラックス姿できめている。


 こちらも実は第二王女様のエスコートをさせられていた。


 それぞれが別のパートナーと入場する事になったのだ。


 まずは、シェスターと第二王女サフィーナ嬢と一緒の入場であった。


 会場は、令嬢達の声でどよめいていた。


 シェスターは、平均より少しだけ長身、すらっとした筋肉質で容姿淡麗な青年である。会場の誰より彼はかっこいい男性であった。


 サフィーナ嬢もまた、大人の雰囲気と幼さを併せ持った美人で、性格も素直であった。シェスターも、悪い気はしない。


 「シェスター様は、若き大賢者と呼ばれていたそうですね。魔法で何でもできるのですか?」


 「そうですね、身の周りの事でも、魔法でできる事は多いですね。」


 サフィーナ嬢としばし談笑していると、周りが令嬢達に囲まれてしまった。


 シェスターは、あまりの大人気で戸惑ってしまっていた。


 暫くすると、もう一人の主賓であるメルティアが王太子のエスコートで入場してきた。


 綺麗な若草色のイブニングドレスを纏った、聖女は大歓声で迎えられた。


 その美しさは、もう別格で、可愛いけど美しいを併せ持つ容姿は、万人全てが理想とし得るレベルであった。


 しかも王太子自体がエスコートした事で婚約者としての可能性を、アピールができるのであった。


 メルティアは、ふっとシェスターを探すと、そこにはおおくの女性達に囲まれたシェスターが挙動不審になっていた。


 ・・・あぁそうですか、あれだけ女性に囲まれたら、そうなりますか・・・


 メルティアは少しだけご立腹だ。ヤキモチであった。


 舞踏会の楽曲が始まると、エスコートしてくれた王太子の手前断る事ができず応じる。


 綺麗な曲に合わせてダンスがはじまる。


 一応は教皇の娘であるメルティアは、練習も無しに、優雅な動きを披露する。


 その華奢でありながら、形の良い胸、魅力的な腰の線が音楽に合わせて舞い踊る。


 シェスターも気付いてメルティアを、目で追っている。美しいダンスであった。


 喝采が集まる一方で、シェスターは、少し寂しそうな表情をして見守っていた。


 表情に気付いていた、メルティアはスッと一礼して王太子の元を離れると、シェスターの元に駆け寄り、少しだけ強引に両手をとる。タイミングよくチークの曲が流れ出す。


 「ごめんね。大丈夫だから・・・踊ろうシェスぅ。」人混みから抜け出す。


 そして二人は、からだを寄せてスローダンスを踊る。


 なんとも仲の良い二人を周囲の人達は、羨ましそうに見つめるのであった。


 

ご意見・応援などもお願いします。諦めてますけどね。

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