王都の招き
ほかの街で、冒険者として初仕事をするために山の山頂に向かうと、そこには王子様がドラゴンに襲われています。助けて村に帰りますが、ほっていてくれるのかな?お話はアルメリアの王都に移るのでした。
「今日はとてもいい天気だし、ギルドに行って登録と依頼を受けてこようか。」
メルティアは機嫌がいい。
「できれば、なにかおいしそうな魔獣を狩って、町の人たちに振舞おうよ。」
「うん、いい考えだね、マウントバッファローみたいなのが居たらいいね。」
ほどなくしてギルドに到着、ギルドは町が小さいわりに大きかった。問題が多い地域が多いためギルドは国が支援して成り立っているのだ。
中に入ると、いつも通り登録作業とステータスのチェックである。
今回町のギルドマスターは、昨日の活躍の話も聞いており、ステータス次第でランクを付与することを提案してくれていた。
ステータスはメルティアが計測不能で、シェスターがSSS相当であったため、すぐに二人ともAランクとして登録された。
依頼には、かなり危険なものもあり、今回は、ダークドラゴン討伐を選択した。メルティア達以外では、絶対に討伐不可能であり、既に二つの町が壊滅させられた経緯があった。
依頼の受諾を告げると、止められもしたが彼ら以外に達成出来ない事はギルドも理解しており感謝された。
早速、ドラゴンのいる大きな山の山頂に転移する。普通はそこまで行く時点で体力を無くして討伐にならないのだ。遠隔転移はそれ程のチート能力なのだ。
「あれ?お留守みたいですね。」
メルティアは、拍子抜けしているが、遠くでドラゴンが街道に、攻撃を仕掛けているのがわかる。
「あそこですね。助けに行きましょう。」
ドラゴンがブレスを、街道を逃げる馬車に放射している。
《こここおおぉぉぉ》
メルティアは、ブレスの前に転移して左手を翳して、魔法障壁を展開して難なく塞ぐ。
空中浮遊で立ち塞がると話しかける。
「思い残す事はあるかしら?」
ドラゴンは、知能も高く人の言葉も理解しうるのだ。
---邪魔するな!人は、存在すべきで無い生物、皆殺しだ。---
「そんなに人を憎む理由はなに?」
---オマエ達は、私の種族の生きる場所を奪った。仲間も散り散りになってしまった。許さない。---
「尤もな理由だけど、悪い人間だけにしてよ。貴方は、少しだけやりすぎました。せめて苦痛はない死を与えます。」
『ホワイト・セイバー!』
ドラゴンの角を切り落とし、続いてメルティアの最強魔法が放たれた。
『オメガ・フォトン・バースト』
メルティアの放つ光の粒子か、ドラゴンを包み込み、周辺全て真っ白な光で満たされる。
過去に、大魔道士デトルタスラインを葬った聖属性魔法である。ダークドラゴンは、光に飲み込まれ消えた。全く相手にならなかった。
「お見事です。さすが姫です。」
「もう姫じゃない。メルって呼ぶ約束!」頬を膨らまして怒っている。
「ごめんごめん。」
シェスターは、まるで輝いているかのような、笑顔で笑いかける。
攻撃を受けていた馬車を確認しに降り立つ。
「大丈夫ですか?」話しかける先には、王族と思われる立派な服を着た若い男性が立っていた。
「危ない所、御助力感謝する。」いい放つが、そこには、銀白の綺麗な髪を靡かせる、美しい少女が立っている。
深い真っ青な瞳、綺麗な胸や腰の身体の線がはっきりわかる白い魔法着を纏った姿は、女神と見紛う姿なのだ。
「わ、私は、アルメリア王太子カーリアス・フォン・サティア・アルメリアだ。あの見事な光の魔法はどういったものですかな?導師殿?いや天使さま?」
王太子は、メルティアの美しさにのまれて慌てている。
「いえいえ、私は単なる一冒険者です。無事で何よりです殿下。私は、メルティア。隣りのものは、シェスターにございます。」
完全に心奪われた王太子は、すかさず話を繋ぐ。
「危ない所助けていただいた、褒美を与えたいので王都に、同行してもらいたい。」
「勿体ない申し出ですが、ドラゴンは今回の依頼で討伐したまでですので、気になさらないで下さい。それに、今日はオルナスの子供達と食べる夕食の材料を狩って帰らないといけないので、ここで失礼致します。」
取り付く島もなく、一礼すると遠隔転移して消えた。
目的のマウントバッファローを2匹狩ると町に戻った。
ギルドにドラゴンの角と鱗を提出して報酬白金貨10枚を受け取る。
山牛の解体をして宿の女将に渡した。今日は、みんなと焼肉パーティーである。
数日後、アルメリア国王から、使者がやってきた。宰相ターセルが直接オルナスにやってきたのだ。
相手の持っている事前情報として、メルティアがアンブロシアの教皇の娘であり大聖女である事、事情により勘当され現在では放浪の身である事、一国の戦力を上回る魔力を持つ最強の魔女でもある事が判明していた。
今回は、王太子が一目惚れしてしまい、是非とも側に置きたいという意向が強く働いたのである。
「確かにお美しいお嬢さんですな、殿下が所望されるのも無理もありませな。」とは、ターセルの第一声であった。
「申し訳ありませんが、メルは私の妻ですので諦めて下さい。」こちらはシェスターが対応する。
おや、もうご結婚されてたのですか。
ならば国の正式な聖女として取り立てたいと思いますが如何ですか?
まぁいずれにせよ、一度王都へご同行願えませんでしょうか?さもないとずっと貴方達を追いかけないといけなくなってしまいます。
困ってしまった。仕方なく二人は王都へ同行する事になった。
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