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戦聖女は楽園を探し求める。  作者: バナナード
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旅立ち

今回から少しエッチな場面が入るようになりました。聖女ということもありますので、こういう場面を描くべきか迷いましたが、投入です。方向性についてもご意見などありましたら、お願いいたします

メルティアにとって、大きな力を得て、そして大切な心を失った半年間だった。


 メルティアとシェスターは、壊れた心を繋ぎ合わせるために静かに旅にでた。


 メルティアは、自分の心に空いた穴を埋める様に、シェスターに甘える。


 シェスターは、壊れているとはいえ、憧れの姫を自分だけの物に出来る許しを得た状況にはあるのだが、釈然としない引っ掛かりを感じていた。


 何の後悔もなくメルティアと過ごせたらどれほどよかっただろう。


 それでも、足りないものを補いながら、過ごす二人だけの時間は充実感を感じさせてくれる。いまは、それだけでも十分だった。






 旅立ちは、さすがにアンブロシア方面ではなく、ディオラスとシドライトと接するアルメリア王国を廻る事にした。


 アルメリアは静かな戦争を嫌う国であるが、決して裕福な、国ではない。


 聖女が旅するには、意味のある国なのだ。


 アルメリアに入り、最初の街オルナスは貧しかった。崖が海に面しており、満足な港が無く、平地が少ない為作物も、まともに育たない上に害獣が多いのだ。


 街に入ると、すれ違う人達はメルティアを崇めるかのような目で見つめている。


 メルティアはいつものように、自らの綺麗な身体の線を見せつける様な白い魔法着に、聖女らしい上着を纏っている。輝く青い瞳、綺麗でクセのない銀白の髪を靡かせる少女は、空恐ろしい美しさなのだ。


 町の人達を代表するかの様に無邪気な女の子が話し掛けてくれた。


 「お姉ちゃん綺麗!もしかして聖女様?」


 「ううん、お兄ちゃんのお嫁さんだよー。」女の子は、シェスターを見やった。


 「あっ、王子様だ・・・」さすがのイケメンである。


 「君のお名前は?」


 「ラナだよ。街を案内してあげようか?」


 「ありがとう。お願いしてもいいかな?」


 小さい町だが、人たちはとても良い人達ばかりである。


 町の教会にさしかかると、何か騒がしい。


 「あれは、なぁに?」

 メルティアは、少女にたずねた。


 「今ね、あんまり作物の芽が出ないから、みんなが神様にお祈りしているの。」


 「私もお祈りさせてもらっても、いいかな?」教会によって行く事にした。


 教会の中に入ると、町の人達が振り返ってどよめきが起こった。


 メルティアは、魔力が溢れ出ているため、僅かながら光に包まれているのがわかるのだ。メルティアの前に道が開いていく。


 一礼して3人は、神前に歩いて行くと、ひざまづいて、胸の前で手を組む・・・なんとも言えない、淡い薄桃色のメルティア特有の聖光色の光の粒子が教会全体を包み込む。


 その光景は、まるで女神が降臨したかの様に神秘的ではあり、温かな優しさに包まれたようでもある。


 町の人達は、一斉に神前に向かって祈りを捧げるのだった。


 メルティア達は、教会を出ると宿に案内してもらい、ラナに小遣いを渡して別れた。


 宿の食事は質素なものだが、温かいものが出てきて満足できた、メルティアはシェスターと一緒であれば、それでよかったのだ。


 翌朝、町が騒がしい。


 作物の芽が一斉に芽吹いたので大騒ぎになっていた。


 昨日のメルティアの祈りを見ていた人達が、彼女を探しているのだ。


 当の本人は、シェスターと静かに朝食を摂っていた。


 食堂の外が騒がしくなり、一人の男性が入ってきて、丁寧に挨拶をすると、話しはじめた。


 「昨日は、お祈りに参加頂き有難うございました。恐れながら、お伺い致しますが、貴方様は何方かの高名な聖女様ではありませんか?」


 「少し違いますが、私はアンブロシアを追われた、戦を勝利に導く戦聖女です。」


 「やはり、聖女様でしたか・・・」


 彼の話は、作物の発芽に対する御礼、耕作地の祝福の依頼と、流行病の鎮静化の依頼であった。


 「解りました。皆さんの善良な素行は見せて頂きましたから、出来る限り対応致します。」


 「あの・・・お布施は、如何致しましょうか・・・」


 「わたしは、本来の聖女ではありませんので、必要ありません。皆さんとご一緒出来ただけで十分ですよ。」


 柔らかく微笑みかける。


 華奢な身体つきではあるが、割に大きく形の良い胸はメルティアを彩って、神聖な雰囲気にも妖艶な美しさを漂わせている。


 彼女に笑いかけられた男性は、顔を赤らめ、所在なさげだ。


 「朝食が済んだら行きますね。」


 間も無く朝食も済み、病院へ趣くと、そこには多数の重症な、傷病者が待っていた。


 一人ずつ治すのは、大変なので、病院の中心に移動すると、魔法を展開する。


 『ワイドキュア!』

 『エリアハイヒール!』


 先に治せる患者を治癒せしめると、残った、不治の病の人達を回り究極魔法をかけ回った。一人残さず治してしまった。


 「聖女様、有難うございました。御恩は一生忘れません。」

 誰もが感謝して止まなかった。


 「あはっ、私壊れてても役に立ったね!」

 シェスターに語りかける。


 「良かったね。メルにしか出来ない事なんだよ。自信を持っていいよ。」

 シェスターも、誇らしく感じていた。


 作物の祝福も、絶対的な魔力を持って、予想以上の結果を導き出したのだ。


 町の人達は、心からメルティアに感謝したのである。もう暫くは、この町に滞在する予定だ。まだ、奇跡は続いて行く。






 「今日はいつもより沢山、聖女として仕事が出来たから、満足なんじゃない?」

 少しだけ安心した表情でシェスターが微笑む。


 「ううん、今日はまだシェスに愛して貰ってないよ。」


 メルティアは、バスローブをするりと脱ぎ捨て裸になると、シェスターの顔を切なそうに覗き込むと胸に絡みつく。


 頬を赤らめ、青い瞳は涙をいっぱいに溜めて潤んでいる。


 「そうだね。大丈夫。一緒にいるよ。」


 長い口づけをして、抱き抱えるとベッドへ連れて行く。


 抱きつくメルティアの身体は、折れてしまいそうなほど細いのだが、形の良い胸は割に大きく、肌は暖かくてしっとりとしていて柔らかい。


 抱きしめると吸い付く様に心地よい感触が伝わってくる。


 メルティアは、シェスターに触れられるたびに、シェスターの顔を覗き込むと切なそうに吐息を漏らすのだ。


 「あっ・・・うっんっん、もっと触って欲しいです。」


 メルティアは、感度がとても良く、胸や腰は触れられるだけで反応してしまう。


 焦らしながら、綺麗な胸の先端を触れると弾けた様に身体を反ってしまう。


 兎に角ひとつひとつの反応が愛おしく感じられるのだ。


 メルティアの秘部は、濡れやすく更に敏感で、まだ小さく狭い。指を入れただけで逝ってしまうのだが、シェスターとひとつになりたがるのだ。


 そして、ひとつになるのだが入れただけで逝ってしまう。


 「シェスが気持ち良くなるまでやめないで・・・もっと乱暴にしてもいいから・・・」


 必死にこらえるが、大きな声が出てしまう。シェスターが逝くまでは、何度も押し寄せる快感に必死に耐えるのだつた。


 そして、そんな目眩く時が過ぎると、疲れ果てて眠ってしまう。


 「私ってエッチなのかなぁ・・・」


 事が済むと恥ずかしそうに、シェスターの腕に絡みついて尋ねてくるのだ。


 「僕の為に頑張ってくれているだけだから、気にしないで。」

 そんな、優しく熱い夜を繰り返し毎日が過ぎて行く。

ご意見・応援などしていただけると励みになります。ぜひコメントなどいただけると幸いです。よろしくお願いいたします。

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