挨拶回り
他の方の小説を読んでいると、セリフのときは前後一行開けているのをよく見るので、私もそうする事にしました。
侯爵邸 応接室
「サフィーお姉ちゃん!!」
メリーちゃんが、部屋に飛び込んできた。
勢いが良すぎて、ドアが『バンッ!!』って、音がしたけど怒られないのかな?
メリーちゃんは、一直線にサフィーのもとに行く。
「久しぶりね、お母さんは元気になった?」
「お母さんは、まだ寝てる…」
「そう…お母さん、早く元気になるといいね。」
「うん!」
サフィーがお姉ちゃんになってる…
まさか、あのサフィーが大人な対応が出来るようになるなんて…やっぱり、妹の力って凄いのね。
でも、サフィーが大人になるのは、なんだか寂しいような…
「ビーノ姉様、私も撫でて欲しいです!」
「はい?」
「メリーちゃんを撫でてたら、なんだか私も撫でて欲しくなってきて…」
うん、前言撤回。
サフィーはまだまだ甘えん坊の、お姉ちゃんスキーだった。
うーん、この嬉しいんだけど…
サフィーが私に甘えて来てくれるのは嬉しいけど、もう少し大人になって欲しい。
「姉様?」
いや、サフィーはこのままでいっか。
私は、サフィーの可愛さに屈してしまった。
「よしよし、サフィーはかわいいわね〜」
「えへへ~」
む!?人が近付く気配!
私は、スッとサフィーから離れてソファーに座る。
「いや〜、遅れて悪かった。少し切りの良いところまで終わらせたかったんだ。」
「いいわよ?サフィーとメリーちゃんが、楽しそうに遊んでる姿が見られたからね。」
「そうか!それは是非とも見たかったものだ。」
ヘリスって、こんなに親バカだったかな?
私がサフィーを大切にしてるのに影響されたか?
まぁ、そんなことはどうでもいい。
「ローケンが急用で、明日には街を出ることになったの。だから、今日はお別れを言いに来たの。」
「そうか…商人は、物や金がの流れを見極めるのが大事らしいからな。急用で、という事はこれからも良くなるだろうな。」
それで急に出発することになったのか…
確かに、売れてるものとか、価値のあるものは早めに集めて、売りに出せるようにしておきたい。
それに、どこで、何が、どうやって売れてるかも確認しないといけないからね。
商人も大変なのね〜
「サフィーお姉ちゃん、もう行っちゃうの?」
「ちゃんとまた来るから大丈夫よ。そんな顔しないで。」
…サフィー、私のやり方を真似てるな?
いつもは、あれを言われてる側だから、どんなこと言われたら嬉しいか、よく分かってるのかも?
「じゃあ、挨拶はビーノ姉様に任せて、一緒に遊ぶ?」
「うん!遊ぶ!」
うん?
今、しれっと私に仕事押し付けなかった?
…確かに、サフィーは挨拶に回るとか、面倒くさい事はなかなかやらないけど…考えたわね。
ロリコ、ゲフンゲフン…小さい子に弱い私に、メリーちゃんを使ってお願いすれば、私はオッケーを出すだろう。
そうすれば、『メリーちゃんと遊ぶ』という大義名分を持って、挨拶回りをサボる事が出来る。
サフィーって、結構狡猾なのかな?
「いいわよ、メリーちゃんと遊んでおきなさい。」
「はい!良かったね?メリーちゃん。」
「うん!サフィーお姉ちゃんと遊ぶー!」
凄い嬉しそう。
…二人ともって事ね?
やっぱり、サフィーもまだまだ子供ね。
「サフィーの面倒も見てもらっていいかしら?」
「ああ、任せてくれ。」
流石にサフィーでも問題は起こさないはず。
サフィーはそこまで子供じゃない。
…多分、きっと、おそらくは…
うん、急に不安になってきた。
「サフィー、迷惑になるような事はしないようにね?」
「分かってますよ!そんなに子供じゃありません!!」
「本当かしら?」
ちょっと不安が残るけど、サフィーを信じてみましょう。
妹を信じるのも、姉の仕事だからね。
「それじゃあ、私はハーウェイの所に行ってくるわね?サフィーをいい子でいるのよ?」
「もう!しつこいです!!」
「し、しつこい…」
サフィーに本気で怒られてしまった。
どうしよう、嫌われちゃったかな?
きっと、目に見えて落ち込んでいただろう。
私は、そのままハーウェイの所に向かった。
「ビーノお姉ちゃん、悲しそうにしてたよ?」
「そうね。でも、きつく言っておかないと、また同じようにしつこく心配してくるんですよ。姉様は。」
もうそんなに子供じゃ無いのに、子供みたいに心配してくるんですよ、姉様は。
まったく、私だってお留守番くらい出来るんですよ。
「でも、帰ってきたら優しくしてあげたほうがいいんじゃないか?」
「そうですね。姉様は、すぐに自己嫌悪するので、私が慰めてあげないと。」
「サフィーも、以外としっかりしてるんだな。」
…よく、私は子供っぽく見られますが、心はしっかりしてます。
ただ、人の数倍姉様に甘えてるだけで、ちゃんと大人のように振る舞う事だって出来るんですよ!
まったく、姉様もいい加減子供扱いをもやめてほしいですね。
なに?じゃあ姉離れしろって?
私に死ねと?
姉様に甘えるのは私の生き甲斐なんですよ?
人の生き甲斐を奪うのは、死ねと言っているようなものです。
ちゃんと考えてから、喋るように!
「サフィーお姉ちゃん何して遊ぶ?」
「うーん、メリーちゃんは何したい?」
「お人形で遊ぶ!」
そして、メリーちゃんのお人形で遊ぶ事になった。
実は、夢中になって遊んでたのは、姉様に内緒ですよ?
「それで、サフィーに嫌われたかも知れないと…」
「そうなの!挨拶なんてさっさと終わらせて、サフィーのは所に行きたいの!!」
私は、ハーウェイにお別れの件を伝えたあと、サフィーに嫌われたかも知れないと事を話した。
もしかしたら、私にない発送でいい方法が見つかるかも知れない。
「サフィーは、そんなに子供なのか?」
「うーん、たまーに大人びた感じになるけど、ずっと私に甘えて来るのよ。それこそ、子供みたいに。」
サフィーは、私のことが大好きだから、いつも私に甘えてくる。
朝も昼も夜も、ずーっと私に甘えてくる。
はぁ、思い出しただけでうっとりするほど、かわいいわね〜。
どうしてサフィーはあんなにかわいいんだろう?
「一回甘やかさずに、厳しくしてみたらどうだ?そうすれば、自立して心配せずに済むだろ?」
「私に死ねと?」
「はあ?」
「サフィーを甘やかす事が私の生き甲斐なの。サフィーを甘やかすな、なんて、遠回しに死ねって言ってるようなものよ?」
おい、そんなに面倒くさそうな顔するな。
それくらいサフィーはかわいいのよ!
ふん!ハーウェイに聞いた私が馬鹿だった。
私が帰ろうとした時、
「せめて子供扱いはやめたらどうだ?」
「そうね…出来るだけやってみるわ。」
そもそも、甘やかす事自体が子供扱いしてるようなものだから、そのうちまた子供扱いするようになるだろう。
でも、サフィーも甘えるの好きそうだし、そんなに気にしなくてもいいのかも?
私は、そんなことを考えながら、侯爵邸に向かった。




