表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
81/142

報告

「帰ったよ。」

私は、ギルマスの部屋に、ノックも無しに入る。

「ノックくらいしたらどうだ?」

「あー、次からはそうするわ。覚えてたら。」

ハーウェイは、呆れたように額に手を当てる。

「それで、その担いでるのが証拠か?」

「そう。私も詳しく知らないから、こいつから聞きましょう。」

私は、男を地面に落とす。

「痛っ!?」

男は、地面に落とされた痛みで目を覚ます。

そして、キョロキョロと辺りを見回した後、

「俺は、生き残ったのか?」

まだ、状況を理解出来ていないらしい。

「もう一回殴ったら、正気を取り戻すかな?」

「そうですね、それか股間辺りを蹴り上げてみます?」

「うん、君達はほんとに姉妹だってよく分かるね。」

そんなにヤバイ事を言ってただろうか?

ん?

「サフィー、こいつ顔色が悪いわよ?ちゃんと治療したの?」

「お姉様、喧嘩売ってるんですか?あの程度の傷も癒せないとでも?」

どうやら、嫌味に聞こえたらしい。

「ごめんなさい、サフィーを馬鹿にした訳じゃないの。」

「分かってますよ。本気で怒ったりしてません。」

急にイチャつき始めた私達を見て、男は困惑している。

「取り敢えず座ってくれ、何があったのか説明してくれないか?」

ハーウェイは、私達を無視して話を進めだした。

取り敢えず、私達も座ることにした。








男が話した内容は、私が把握している内容とほぼ同じだった。

魔物が一箇所に集まっていて、魔族が魔物を操っている。

魔族は、この街を襲おうとしてる。

「そうか…」

「魔族の目的は何なのでしょう?」

それは、私も疑問だった。

革命派の魔族が、何故魔族の国ではなく、アリノア王国のこの街を狙うのか、甚だ疑問だった。

「この街は、交易都市と言われている。この街で発生する利益はかなりのものだ。」

「…経済的な疲弊が目的?」

今日のサフィーは、なんだか頭が切れるわね。

「アリノア王国が経済的に疲弊すれば、隣のイベリル帝国が黙ってないでしょうね。」

「…もしかして、2カ国を戦争させるのが目的でしょうか?」

「…サフィー、貴女変なものでも食べた?」

「お姉様、後で覚えておいて下さいね?」

あ、これは謝っても許して貰えないやつだ…

「まぁ、要塞都市とも言われる、エリーレを魔物群れだけで落とせるとは思えないが…市壁を破壊される危険があるな。」

「むしろ、それが目的なんじゃないですか?」

どうしよう、サフィーがおかしくなった。

「この街を落とすというより、壁を破壊して、防御力を落とすことが目的なんじゃないですか?」

「…本格的な作戦の前の、準備ということか?」

「壁が一箇所でも壊れているだけで、攻略難易度は大きく下がりますよ?壁を壊せなくとも、冒険者の数を減らすだけでも、いいですし。」

サフィーの予想が正しければ、革命派の魔族は、この街の戦力を削り、壁を破壊して攻略しやすくするのが目的なんだろう。

「取り敢えず、革命派の魔族がスタンピードを起こそうとしている事に違いはない。冒険者の緊急招集をする。」

ハーウェイは、これでもギルマス。

判断は早い。

「ヘリスには、私の方から言っておこうか?」

ハーウェイが驚愕したような顔をする。

「何!?侯爵とつながりがあるのか!?」

「まぁね。それで、なんて伝えればいい?」

ハーウェイは、すぐに真剣な顔に戻って、

「スタンピードが起こりかけている、ということを伝えてくれ。最悪それだけで伝わる。」

まぁ、後で対策会議みたいなのが開かれるだろうし、そこで詳しく話すでしょ?

「分かったわ、じゃあヘリスにそう伝えてくるわ。」

私は、サフィーを連れて、侯爵邸へ向かった。









私は、ヘリスの名前を使って無理矢理中に入った。

「まさか、そっちから来るとは、何か面倒事か?」

「ええ、特大の面倒事よ。」

ヘリスは、なんだか嬉しそうにしている。

「ハーウェイからの伝言よ、スタンピードが起こりかけているってね。」

「スタンピードだと?規模は?」

規模?そんなの知らないわよ。

「森の魔物が全部集まるくらい。」

「そんなにか…」

「ちなみに、革命派の魔族が起こしてるわ。」

「何だと!?」

ヘリスは、机を叩いて立ち上がる。

「サフィーの予想だと、街の壁の破壊と、戦力を削るのが目的だと思われるわ。」

「壁の破壊?」

「本格的な作戦の準備じゃないかって話。」

ヘリスは、真剣な顔になる。

「なるほど、この街を落として、アリノア王国を疲弊させる気か…」

「王国が疲弊すれば、帝国が黙ってないと思うけど?」

ヘリスは、深いため息を吐く。

「分かった、街の兵を動かす。それと、このことを陛下に報告する。」

「この国の王は、正しい判断が出来る賢王か、それとも愚王か…」

ヘリスは苦笑して、

「陛下は、こういうときに正しい判断が出来る方だ。問題ない。」

まともな王だったか…

それなら、簡単にこの国が滅びる事は無いだろう。

魔神教が暴れなければ…

「二人は、参加するのか?」

「するに決まってるわよ。オークションをしてもらわないといけないから。」

「オークション?」

ヘリスは、オークションで出されるものの噂を知らないのか…

「オークションで、女王候補が出てくるって噂があるの。」

「何だと!?」

「だから、欲に塗れた馬鹿貴族に買わせて、夜襲して取り返そうって作戦があるの。」

そのためにも、オークションを開催してもらわないといけない。

「分かった、後始末は任せてくれ。」

「フフ、これでギルマスとヘリスの後ろ盾が出来たわね。」

安心して、貴族をぶち殺せる。

そのためにも、今回のスタンピードを防がないと。

私は人間スタンピードに向けて、準備を始めた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ