捜索依頼
皆さんは、今年のゴールデンウィークはどうされますか?
「ハァ…ハァ…」
俺は、街へ向かって必死に走っている。
あの数の魔物は異常だ。
どんなに軽く見ても、100はいる。
ゴブリンの群れなら分かる。
放置していると、それくらい群れが大きくなる。
だが、種類の違う魔物が100どころか、1000はいた。
こんなの異常以外のなんだって言うんだ!
「ッ!?」
俺の目の前に、5匹のゴブリンが現れた。
俺が剣を構えると、奥から矢が飛んできた。
「クソッ!!」
六匹のゴブリン。この数ならなんとかなる。
だが、時間をかけすぎて他の魔物が現れたら…
「俺は、こんなところで死にたくねぇ!だから!!」
俺は、一番前のゴブリンとの距離を詰める。
「そこ退けぇぇぇ!!」
死にもの狂いで、ゴブリン達に斬りかかった。
「人探し?」
「そうだ。森の異変を調査しに行ったパーティが帰ってこないんだ。捜索隊も出したんだが、その捜索隊も帰ってこない。」
ハーウェイは、深刻そうな顔をする。
私も、捜索隊が帰ってこないのは気になる。
サフィーは…心底どうでも良さそうに、ぼ~っとしてる。
「女王候補の君達なら、何かあれば空を飛べる。せめて、何があったかの、手がかりになりそうなものを探して来てくれないか?」
「いいけど…オークションは?」
「オークションは三日後の夜だ。空から探せば、そこまで時間は掛からないだろ?」
まぁ、空から探せば楽だろう。
でも、その分目立つ。
「見られても良いように、外套を用意する。どうか引き受けてくれないか?」
ん~、どうしようかな〜
「…報酬は?」
「期待してくれていい。」
「じゃあ受ける。」
ハーウェイは、困ったような顔をする。
サフィーも、ちょっと嫌そうにしている。
「現金な女、って思われますよ?」
「何言ってるの?金は天下の回り物よ?多いに越したことはないわ。」
それに、タダ働きだけはしたくない。
社畜みたいな扱いを受けるのは御免だ。
「それじゃ、これがその外套だ。」
ハーウェイは、空間収納から外套を取り出して渡してくれた。
「くれぐれも、気を付けて…」
「分かってるわ、ちゃんと返すから。」
私はそう言って、サフィーを連れて部屋を出た。
「ここね?」
「そうですね…奥から強い魔力を感じますね?」
「ええ、しかも周囲に魔力の反応が殆ど無い。一箇所に魔物が集まってるんだわ…」
面倒くさい事になったわね。
こういう状況は、ラノベでよくある。
『スタンピード』
魔物が大量に押し寄せて来る状況を、指す言葉だ。
大抵こういう状況は、スタンピードって言われてる。
「ちゃんと外套は着た?」
「はい、簡単には脱げませんよ。」
私達は、フードをかぶる。
そして、ペンダントの人化を解除して、飛行する。
「私は、あっちを探すから、何かあったら一人でいかずに、光魔法で私のことを呼んでね?」
「分かってます。何か見つけたら、後でナデナデしてくださいね?」
サフィーはいつも、私の事しか考えてない。
主に、そういう方向で。
「分かったわ、だから真面目にするのよ?」
そう言うと、サフィーは不満だったのか、頬を膨らませて、
「私がいつも不真面目みたいじゃないですか!」
「ごめんなさい、そんなつもりは無かったの。」
「むぅ~!」
サフィーは本当に甘えるのが得意だ。
でも、今は仕事中、可愛がるのは帰ってからだ。
「それじゃあ、私も何かあったら、炎魔法を上に向かって撃つから。」
「はいはい、分かってますよ。」
ああ、サフィーが拗ねちゃった。
サフィーをこのままにするのは、気分が悪い。
私は、サフィーを抱きしめる。
「帰ったら一緒にお風呂に入りましょう?」
「はい!」
これでよし!
私達は、別れて手がかりになりそうものを探した。
お姉様が一緒にお風呂に入ることを約束してくれました。
「うふふふ〜、これで身体を洗うという理由を持って、お姉様の身体を触れます〜。」
この間は、メリーちゃんがいたから出来なかったけど、今日は大丈夫。
きっと二人っきりでお風呂に入れるはず!
「早く手がかりになりそうな物を見つけないと。」
そして、ゆっくりお姉様とお風呂に…
笑いが止まりませんね〜
「ん?ん~~?」
あれは…何でしょう?
上から何か落ちてきてるような…
「ッ!?」
落ちてきてるナニカが、火の玉を飛ばして来ました。
そして、私目掛けてナニカも迫ってきました。
私は、両方を避けます。
これは、明らかに異常事態です!
私は、光魔法で強い閃光出して、お姉様を呼びます。
すると、すぐに強い魔力放つ何が、こっちへ来ているのを感じました。
「しまった!?」
私は、お姉様の気配に気を取られて、ナニカに捕まってしまいました。
そのナニカは、翼の生えた、大きなトカゲのようでした。
しかし、羽根つきトカゲが何かする前に、炎の槍が突き刺さり爆発します。
「妹に…何してくれてんだ、クソトカゲがぁぁー!!」
お姉様が助けに来てくれました。
トカゲは、痛みで私を離しました。
そこへ、何十発もの炎の槍が放たれます。
トカゲは、見事に爆散しました。
「大丈夫?サフィー。怪我はない?」
「大丈夫ですよ、ちょっと熱かったですが…」
実は、トカゲに掴まれるより、お姉様の炎の熱風の方が、よっぽど痛かったです。
髪、焦げてないでしょうか?
「取り敢えず、無事でよかったわ。」
「なんともありませんよ。さぁ、早く終わらせて帰りましょう?」
「そうね。そう言えば、来る途中に人間の気配を感じたの。」
あちゃ~、お姉様に先に見つけられてしまいましたか〜
「確認しに行きましょう。」
「はい、お姉様。」
私達は、その人間の元へ向かいました。
…あのトカゲの死体は、持って帰らなくてよかったのでしょうか?
初登場なのに、爆発で肉片に変えらる、可哀想なワイバーンくん




