街に到着
盗賊共を蹂躪してから、数時間後
ようやく街が見えてきた。
「やっと街が見えてきたわね。」
「飛んだほうが早かったですね。」
「まぁまぁ、旅なんてこんなものです。ペンダントはちゃんと隠してますか?」
ペンダントを見られた事でローケンに魔物という事がバレてしまった。そうならないためにも、ペンダントは隠している。
「大丈夫よ、同じ過ちは犯さないから。」
「そうですか、通行料はこちらで払っておきます。馬車の中で大人しくしててくださいね?」
「わかってるわ。」
商隊が検問所に入る、
「ローケンの旦那は言い忘れてたが、かなり長くなるぞ。」
「そうね、これだけ馬車があれば長くなるでしょうね。」
私達の乗っている馬車まで検問が入るまで、20分もかかった。
かなり暇で、サフィーは眠ってしまった。
私もかなり眠い、寝てもいいかな?
「嬢ちゃんも寝ててもいいんだぜ?」
「そう、じゃあ寝させてもらうわ。」
そして、私はすぐに夢の世界へ旅立った。
次は、ビーノ様がいる馬車、疑われないようにしませんと。
「この馬車は…女?」
「彼女らは、交易都市まで行きたいらしいので、送ってあげているのですよ。」
「なるほどな、にしてもいい女だな。」
衛兵が舌なめずりをする。
「やめたほうがいいですよ、これでもうちの専属護衛の誰よりも強いので。」
「高名な冒険者なのか?」
「わかりません、ですが詮索はしない方がいいと思いますよ?」
「そうだな、下手に触れない方がいいだろうな。」
ふぅ、何とかなりましたね。
“今は”怪しい物は乗せてませんし、もう大丈夫でしょう。
それから何事もなく、街に入ることが出来た。
「今日はここに泊まりましょう。ガッスさん、ビーノ様を起こしてください。」
「ビーノ嬢だけでいいのか?」
「ええ、サフィー様はビーノ様が連れて行くでしょうし、起こすのはビーノ様だけで大丈夫です。」
「分かった。」
私は、宿を取りに行く。
「いらっしゃいませ〜!」
元気な少女が声をかけてくる。
「あ!ローケンさんじゃないですか!いつもの部屋でいいですか?」
「ええ、後、女性用の部屋もお願いします。」
「え!ローケンさんにも春が、」
違う、それに私は既婚者です!旅先で他の女性に手を出す様なことをすれば、妻になんと言われるか。
「違いますよ、目的地が同じなので連れて行ってあげてるのですよ。」
「ああ、なるほど!」
少女は、カウンターの下から鍵を取り出し、
「はい、いつもの部屋と女性用、これでいいですか?」
「ええ、ありがとうございます。」
私が振り返るとちょうど、ガッスさん達とビーノ様が入ってきました。
サフィー様はまだ寝ていて、ビーノ様がおぶっています。
「きれい…」
「ビーノ様、これが貴女の部屋の鍵です。私が開けましょうか?」
「大丈夫、一人で出来るわ。」
「そうですか、でしたら渡しておきますね。」
ビーノ様は私から鍵を受け取る。
「あ、あの、部屋は二階です。案内しますね。」
「ありがとう。」
ビーノ様はそのまま部屋へ向かいました。
「ビーノ嬢に手を出すなよ?」
「分かってますよ団長。」
「ビーノさんに手を出すなんて、命がいくつあっても足りませんよ。」
ビーノ様に夜這いをする馬鹿はいないでしょうが、ガッスさんが釘を刺しています。
私も、夕食を取って休みましょう。
ようやく、宿屋に着いた。
これで沢山サフィーを堪能出来る。
「ビーノお姉様?」
「宿に着いたの、もうひと眠りしてもいいのよ?」
「分かりました、おやすみなさい。」
「おやすみ、サフィー」
私はサフィーの頭を撫でる。
サフィーのサラサラ髪をくしゃくしゃにする。
というか気付いたらくしゃくしゃになってた。
私も、サフィーと同じベットに入る。
サフィーを前から抱きしめて沢山可愛がる。
う〜ん、なんだか凄く眠たい。
そうか、徹夜でアルスと戦って、その後一睡もしてないからだ。
仕方ない、サフィーを可愛がるのは、また今度にしよう。
寝る前に、サフィーのかわいい顔だけ見てっと。
そうやって、サフィーの顔を覗き込むと、サフィーと目があった。
そう、サフィーは起きていた。
「…」
「…」
気まずい。
「たまに、朝起きると髪がくしゃくしゃになっている事があるのですが?」
「えーっと?」
やばいもしかしてバレた?
「一人だけで、自分の欲求を満たしてたんですね?それも私が寝てる時に。」
「サフィー、コレは違うの!」
「お姉様なんてもう知りません!」
「ああ〜!ごめんなさい!許して!」
私は、すぐに謝った。
しかし、
「嫌です、許しません。」
「そんな〜」
結局、一緒のベットで寝させてもらえなかった。




