初めての攻撃、そして警告
時間的には、プロローグと同じ日です。つまり・・・
翌日、
お母様から、女王戦の詳しい内容と妹と仲良くしていることについて叱られた。
その時に、妹は私と戦うということをお母様に宣言した。
私がこの子に殺されるのは別にいい。ただ、それでこの子の心に深い傷を残すことになるなら、それは私にとって大問題だ。そのせいで自殺した、なんてことになったと考えると、いや、考えるだけで恐ろしい。
かといって、私がこの子を殺すなんて論外中の論外、絶対にありえない。
私も少しはこの子を傷つける覚悟をしておいたほうがいいかもしれない。
私が、この子を殺したくない、なんて言えばお母様はどうするだろう。
お母様と戦うことになる事自体は、たいして怖くない。
妹を殺すよりは100万倍マシだ。
私が怖いのは、お母様が妹を殺すこと。
私は、妹が傷つく姿、ましてや死ぬ姿なんて見たくない。
そうなったら私は、お母様を殺しにかかると思う。
魔力の量では、私の方が圧倒的に多い。それでも、魔力以外のほぼ全てで負けてる。
勝機が全く無い訳じゃ無い。それでも私の勝率は3割程度だろう。
せめて、確実に妹を守れるくらいにはなっておかないと。
この二週間でもっと強くならないと。
「きゃあ」
訓練の途中、
私は、
初めて妹を傷つけた。
私は反射的に妹に近づき回復魔法を使う。
妹も我に返ったように回復魔法を使う。
治療する終わると、私は妹を抱きしめる。
「お、お姉様、私は大丈夫ですから。」
「貴女が大丈夫でも、私が大丈夫じゃないの!!かわいいかわいい妹を傷つけるなんて、やっぱり出来ないわ!」
「お姉様…」
このままでは、妹を殺すことになってしまうかもしれない。でも、この子を傷つけることは出来そうにない。
どうすれば、この子を助けられるだろうか…私は、そのことしか考えられなくなった。
夜
「お姉様!」
妹が部屋に飛び込んでくることで目を覚ました私は、すぐに異変に気付く。
「これは…」
私達は、触角で人間には感知出来ないものを感じ取ることが出来るし。
私が感じたもの。
侵入者がいることを告げる警告音だった。
ついに人間による攻撃が始まりました。




